あやめと菖蒲の見分け方は?花菖蒲との違い 菖蒲湯に使うのは?

違い

syoubu
あやめと菖蒲は外見が似ていますが、見分け方をご存知ですか。
他にも、かきつばたやアイリスなども似ていて違いが分かりづらいですよね。
また、花菖蒲を端午の節句の菖蒲湯に使って良いのでしょうか。

今回は、あやめと菖蒲の違いや見分け方、
混同しやすい花菖蒲と菖蒲の違いや菖蒲湯に使う葉についてお話しします。

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あやめと菖蒲の違いと見分け方は?

あやめ、菖蒲両方ともユリ目アヤメ科アヤメ属の多年草で、球茎タイプと根茎タイプがあり、
アヤメ属には他に、かきつばたやアイリス※などがあります。

※ジャーマン・アイリス(ドイツアヤメ)は球茎、
ダッチ・アイリス(オランダアヤメ)は根茎。

見分け方は、花びらの模様が一番分かりやすいですが、
生育場所が湿原か乾燥している場所かなどを見ても判断できます。
では、項目別に確認しましょう。

(1)花びらの模様

・花菖蒲・・・花びらに黄色い線が入る。
・あやめ・・・花びらに黄色と紫色の虎斑模様が入る。
(網目状に見えることもあり、「綾目」の語源といわれている。)
・杜若(かきつばた)・・・花びらに白い線が入る。外側の花びらがひげ状に突起している。
・ジャーマンアイリス・・・花びらが大きく華やかで、内側の花びらがヒラヒラしている。
・ダッチアイリス・・・花びらが繊細で、内側の花びらがヒラヒラしていない。

(2)葉の模様

・花菖蒲・・・葉の幅は細い、広いなど様々で主脈がはっきりしている(中央に表1本、裏2本)。
・あやめ・・・葉の幅は花菖蒲よりも細く、主脈は目立たない。
・杜若 ・・・葉の幅は花菖蒲よりも少し幅広くて長く、主脈は目立たない。
・ジャーマンアイリス・・・葉が大きい。
・ダッチアイリス・・・葉が根元だけでなく茎の途中からも生えている。

(3)草丈

・花菖蒲・・・80~100cm
・あやめ・・・30~60cm
・杜若 ・・・50~70cm
・ジャーマンアイリス・・・60~100cmの大型が多いけれど10~20cm程度の草丈もある。
・ダッチアイリス・・・40~80cm

(3)花の開花時期

・花菖蒲・・・5月下旬~6月
・あやめ・・・5月上旬~中旬
・杜若 ・・・5月中旬~下旬
・アイリス・・・4月~5月頃

(4)生育場所

・花菖蒲・・・湿原や、水分の多い草原。
・あやめ・・・ちょっと湿っている程度の場所。
・杜若 ・・・湿原。花菖蒲よりも水が必要で、池や水中などから生える。
・アイリス・・・乾燥している土地。

ちなみにアヤメ科にはアヤメ属以外にも色々な属があります。
身近な植物では次のようなものがあります。

・アヤメ属(アヤメ、菖蒲、カイキバタ、アイリスなど)
・グラジオラス属(グラジオラスなど)
・クロッカス属(クロッカス、サフランなど)
・フリージア属(フリージア属)

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花菖蒲と菖蒲の違いは?

上でお話した菖蒲は、実は「花菖蒲」といいます。
「花菖蒲と菖蒲」と比較する場合の菖蒲は、花菖蒲に対して「葉菖蒲」と呼ばれています。

花菖蒲が「ユリ目アヤメ科アヤメ属」なのに対して、
葉菖蒲は「サトイモ目サトイモ科ショウブ属」であり、全く系統の異なる植物です。
(「サトイモ目ショウブ科ショウブ属」と分類する体系もあります。)

葉菖蒲の開花時期は5月上旬~中旬で、株元近く咲きますが殆ど目立ちません。
葉の形状は花菖蒲と似ています(葉の幅や主脈がはっきりしている点など)。
ただ、目立つ違いとしては、香りと生育環境があります。
(1)花菖蒲には香りも艶もないが、葉菖蒲には独特の強い香りと艶がある。
(2)花菖蒲は株が水面よりも上になるような場所に生えるが、
 葉菖蒲は株が水面下になるような場所、田んぼの用水等で栽培されることが多い。

花菖蒲を菖蒲湯に使えるの?

花菖蒲と菖蒲の葉は確かに姿は似ていますが、上で書いたように香りが違います。
この香りが厄除けになるとして、昔から菖蒲湯に使われていました。
ですので、この香りのない花菖蒲では代用できません。

また、葉菖蒲の茎と根には冷え性、肩こりなどの血行不良、神経痛等に効能がありますが、
花菖蒲にはありません。
ですので、くれぐれも、花菖蒲を菖蒲湯に使わないようにしましょう。

まとめ

あやめと花菖蒲、かきつばた、アイリスは様々な点で似通っているものが多いのですが、
よく見ていくと違いますし、花菖蒲と菖蒲は葉の見た目は似ていますが、
香りを嗅ぐとすぐに違いが分かります。

菖蒲まつりなどに行く際は、ぜひこれらのことを念頭において
じっくり見ると、より一層観賞が楽しめますよ。

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