生乳と牛乳の違いは?成分調整と無調整 乳脂肪分と無脂乳固形分は?

違い

IMG_7685
スーパーの牛乳コーナーに行くと様々な牛乳がありますよね。
そんな中に、生乳100%使用と書かれている牛乳がありますが、
生乳と牛乳って違いがあるのでしょうか。
また、成分調整牛乳や成分無調整牛乳、加工乳など
同じメーカーでもいくつか違う商品があって、何を選べば良いのか分かりにくいですよね。

今回は、これらの違いや、乳脂肪分と無脂肪固形分などの成分についてもご説明します。

スポンサーリンク

生乳と牛乳の違いは?

生乳は搾乳して不純物を取り除いた乳のことです。
搾乳しただけのものは、原乳といいます。

牛乳という名称は、広い意味では「牛の乳全般」を指しますし、
狭い意味では「生乳を殺菌加工して飲料用にしたもの」を指します。

【牛乳が家庭で飲まれるまでの流れ】

牛から搾乳した原乳の不純物を取り除いた生乳は、酪農家から乳業会社へ販売され、
その生乳は、乳業会社で殺菌加工して初めて牛乳となり消費者へ販売される、
という流れになります。

具体的には厚生労働省で定める基準では、
無脂乳固形分:8.0%以上
乳脂肪分  :3.0%以上
細菌数   :一定数以下
状態    :加熱殺菌されている
この4つを満たすものを指します。

■牧場の牛乳がおいしい理由について知りたければこちらをご覧ください。
牧場牛乳がおいしい理由は?殺菌なぜ?市販品は水で薄めるの?

ところで、この殺菌加工された牛乳については、更に成分によって細かく分類されます。
次に、この分類について詳しく見ていきましょう。

牛乳で成分調整牛乳と無調整牛乳の違いは?加工乳は?

牛乳パックの裏に「種類別名称」が牛乳となっているもので「成分無調整」の記載があれば、
何も足したり引いたりしない、殺菌しただけの牛乳という意味です。

それに対して「種類別名称」が「成分調整牛乳」と記載があれば乳脂肪分を減らした牛乳で、
量によって「成分調整牛乳」か「低脂肪牛乳」、「無脂肪牛乳」となります。

細かい基準は厚生労働省で定めた規定があり、3種類の牛乳の成分規格は次の通りです。
・成分調整牛乳・・・無脂乳固形分8.0%以上
・低脂肪牛乳 ・・・無脂乳固形分8.0%以上、乳脂肪分0.5%以上1.5%以下
・無脂肪牛乳 ・・・無脂乳固形分8.0%以上、乳脂肪分0.5%未満

成分調整牛乳は、乳脂肪分などを少しだけ除去しますが、低脂肪牛乳ほど除去しません。
無調整牛乳と低脂肪牛乳の間くらいの乳脂肪分で、2.0~2.5%程度の商品が多く、
食感はすっきりとした飲み心地になります。

成分調整牛乳と無調整牛乳のどちらが良いかというのは、優劣はありませんので
好みの問題で選びましょう。
飲み心地は成分調整牛乳のほうが乳脂肪分が少ないためさっぱりしています。
無調整牛乳のほうが濃厚な味になります。

それに対して、
「加工乳」は、無脂乳固形分8.0%以上と定められています。
具体的には、生乳に乳製品(脱脂乳、バター等)を加えて再生したもの、
成分を濃くしたものになります。

もう1つ、
「乳飲料」という名称がありますが、これは無脂乳固形分や乳脂肪分の規定はありません。
ビタミンやカルシウムや鉄分、果汁、コーヒー等を加えた場合、
飲用乳の規格対象外となり、「乳飲料」の区分に該当します。
そのため、乳飲料には牛乳と記載するのが禁止となっています。


スポンサーリンク

牛乳の乳脂肪分と無脂乳固形分って何のことは?

牛乳の定義としてある数値、

無脂乳固形分:8.0%以上
乳脂肪分  :3.0%以上
細菌数   :一定数以下
状態    :加熱殺菌され

この、無脂乳固形分と乳脂肪分はどんな意味でしょうか。

牛乳は、水分87.4%、乳固形分12.6%で構成されています。
その乳固形分は、無脂肪固形分8.8%と乳脂肪分3.8%に分けることができます。

(1)無脂乳固形分

牛乳の中の水分と乳脂肪分を除いた部分が無脂乳固形分ですが、
この物質としては、人間の筋肉や骨をつくるための栄養素である、
たんぱく質、炭水化物、カルシウム、カリウム、ナトリウム等が該当します。

(2)乳脂肪分

乳脂肪分は、牛乳に含まれている脂肪分のことです。
牛乳の脂肪分は意外と少なくて、牛乳100g中に3.8gしかありません。
その特徴としては、水分の中に乳化した状態で含まれているため、
固形脂肪よりも消化吸収が優れていることです。
この乳脂肪分が高いと濃厚な味わいになります。

まとめ

牛乳はいろんな種類があって紛らわしいけど、一般的な牛乳は成分無調整牛乳です。
さっぱりした飲み心地が好きなら成分調整牛乳や低脂肪牛乳がおすすめですし、
濃厚な味わいが好みなら成分無調整牛乳を選ぶのが良いでしょう。

■アイスクリームやラクトアイスなどの各種アイスの違いはこちらの記事をご覧下さい。
アイスクリーム アイスミルク ラクトアイス違いは?ソフトクリームは?

スポンサーリンク

コメント

  1. 吉田 照男 より:

    牧場で飲んだ牛から搾りたての生乳は乳脂肪分が8%以上で濃厚ですが、それを飲料として飲みやすいように水で薄めて乳脂肪分3.6%にしていると思います。私の認識は間違っていますか。

    • ゆきえ より:

      吉田照男さま

      コメントありがとうございます。
      お返事が遅くなってすみません。

      >牧場で飲んだ牛から搾りたての生乳は乳脂肪分が8%以上で濃厚

      …確かに牧場の牛乳は濃厚ですが、乳脂肪分8%以上というのは私の方で確認できませんでした。
      今日アップした記事に書いたのですが、
      牧場の牛乳がおいしい理由として、ホモジナイズや殺菌、紙パックでないこと等があります。

      搾りたての牛乳は乳脂肪分が均質化されていないため不揃いで大きいものもあります。
      そして、暫く放置しておくと上の方に浮いてくるのが特徴。
      牧場では、この部分を飲むから濃厚と感じる、という話を聞いています。

      >水で薄めて乳脂肪分3.6%にしている

      …成分無調整牛乳の場合、水で薄めるのは違法なので、やっていません。
      低脂肪牛乳の場合は水を加える可能性はあります。
      また、成分調整牛乳では、濃い乳脂肪分の一部を減らすという可能性はあります。
      ですが、「成分無調整」においては、乳脂肪分の均質化(ホモジナイズ)以外はありません。

      私も牧場で案内係の話を聞いただけであり、実際の工場見学をしていないので
      具体的にどの工程でどんな作業を行っているかまでは分からないのですが、
      ホモジナイズや殺菌方法の違いが牛乳の濃厚さ、風味に与える影響は非常に大きいようです。

      詳細はこちらの記事と、中にある動画をご確認ください。

タイトルとURLをコピーしました