小学校高学年になると女の子は思春期になり、父親との関わりが難しくなってきます。
娘というのは父親を嫌いになるケースが非常に多いのですが、これには理由があるのです。
また、その状態も無視したり「あっちへ行って!」と拒否したり、臭いが気になるから洗濯は別にしてくれなきゃ嫌だ、などとヒステリックになることもあり、母は娘と夫の板ばさみで困るのですよね。
今回は、娘が父親を嫌いになる理由や、この状態で母親が出来る父娘への対応、男臭い物の洗濯方法についてお話しします。
娘が父親を嫌いになる理由は?
娘というのは思春期になると体が女性らしくなりますが、生物学的にみると、出産するための機能が整えられてくる期間です。
この期間は、血の繋がりの濃い異性の体の臭い(フェロモン)を嫌う習性があるのですが、これは近親配合による奇形児出産などの確率を減らすための女性の本能なのです。
ですので、娘が父親を嫌うというのはある意味、女性としての成長が健全である証拠なのです。
ちなみに、血の近い異性を嫌いになるだけの話なので、父親と全く違う臭いの男性については気にならないし、魅力を感じることもあるようです。
【臭いと遺伝子の関係は?】
臭いの遺伝子は、HLA(ヒト白血球型抗原)という組織適合性抗原が関わっています。
血液型というと一般的にはA、B、AB、O型がありますが、これは赤血球の型であり、HLAは白血球の型になります。
HLAの種類は非常に多くA座、B座、C座、DR座・・・と続いており、その中でも更に細かい種類があり、恋愛に関わり人の嗅覚によって感じるのです。
子供は両親からこのHLA遺伝子を半分ずつ受け取るのですが、型がとても似ているため父親の汗などの「匂い」を「嫌な臭い」と感じることになります。
HLAの配列の違いが多ければ多いほど、免疫力や抵抗力の強い子供が生まれるため、本能的に嗅覚で感じる仕組みになっているのです。
娘に父親が無視されたら母はどうすればいい?
思春期に娘に嫌われるということが遺伝子レベルのことであり、避けられないことを知っているお父さんなら「仕方ないか」と諦めがつくでしょう。
でも、男兄弟の中で育ち娘を持ち、初めて異性と接しているようなお父さんの場合は、このような状態になるとショックを受けますよね。
実は、我が家はまだ娘が小学校4年生で思春期前ですが、発達障害や感覚過敏を抱えていることもあり、この時期がかなり前倒しになり、昨年くらいから突入しております。
そして、夫は一人っ子で女の子とほとんど接することなく育だったため、こういう娘の反応に大きなショックを受けています。
また、必死になって娘に構って欲しいと思って口を出したり近づくのですが、娘は全て無視し、
「お父さんあっちへ行って!」
「お父さん鬱陶しいの!」
と、夫に気の毒な言葉を吐くようになりました。
こんな場合、妻というのは娘と夫の板ばさみで大変ですが、私があれこれ悩んで取った行動を次にお話しします。
1.娘への対応
(1)娘が父親を嫌いな理由を聞き、受け入れる
一方的に相手を否定すると受け入れてもらえないので、最初は言い分を聞き、納得すれば受け入れます。
我が家の場合は「大声で叱るから怖い」「男臭い」「学校の先生みたいにかっこよくない」「だらしない」というような理由が娘から出てきました。
確かにその通り、おやじ丸出しの父親なので、娘の言うことに納得できるのですよね。
このようなことは今すぐ解決できませんが、それでも心にしこっていることを言葉にして心を開放してあげるとともに、母親が真剣に聞いてあげることで嫌悪感を若干軽減できることもあります。
(2)「父親が家庭を経済的・精神的両面で支えている」ことを説明。
この2つを話すと、「経済的」は理解してくれても「精神的」部分は理解しようとしませんね。
思春期真っ盛りの子供には、すぐに理解させるのは難しいですが、時折
「お父さんはねえ・・・家の中では確かにゴロンと横になってテレビ見て居眠りしちゃっているけど、会社でこんな仕事をしていて、××の部分で世の中の役に立ってるのよ。
お母さんはそんなお父さんがカッコいいと思ってるし、好きな部分なのよねー。」
という話をしています。
夫がだらしないのを今更治せませんしねw
「だらしない姿を見せる」というのは、会社で頑張って緊張しているからこその行為であり、その反動でリラックスしたいだけなのですよね。
これを小学4年生に理解させるのは無理ですが、将来きっと理解してくれると信じて、事実として冷静に伝えるようにしています。
(3)母親にとって、娘と父親は同じくらい大事なことを伝える。
子供の性格によって多少は違うと思いますが、
「子供というのはお母さんが世界一好きで、お母さんに一番大事にされたい」と考えているものです。
だから、お父さんよりも自分を受け入れて欲しいはずですが、父親を捨てて娘を取るというのはますますヒビが入る危険性があります。
「理由は分かったからお父さんを嫌いでも構わないけど、お母さんにとってお父さんは大好きな人だから、これからも大事にするよ」
と、娘に同調しない旨を伝えておきます。
2.父親への対応
(1)娘が父親を嫌う理由を、遺伝子レベルの話で説明する
特に我が家の場合は夫が理系頭脳なので、細かい話をしたところ、そういうものかと納得してくれました。
本能や感情論だけの説明で納得するタイプであれば細かい話は不要かもしれません。
(2)娘に近づきすぎず、距離をおく
我が家の場合、夫と娘の性格が非常に似ており、2人とも「しつこい」のです。
夫の家の遺伝のようですが、HLA遺伝子の「臭い」だけでなく「しつこい」という遺伝子もどこかに存在するのではないかと思うくらいです。
そして、一度「あっちへ行って!」と言われたときに、今まではしつこく迫って「仲良くしようよ!」と言っていたのですが、止めさせました。
ますます嫌うからです。
そして、あと数年間はこういう時期が続くから、娘に近づきすぎず距離をおくように、私が傍に居合わせた場合は仲裁して用事を言いつけたりして引き離すよう工夫しています。
(3)自分の趣味、集中できる世界を持つよう勧める
子供が親に対して期待するものというのは、母親と父親で異なるはずです。
母親に対しては自分の受容を、父親に対しては、憧れを持ちたいものです。
何か一つの世界を見つけて真剣に打ち込んでいる父親の姿というのはカッコ良いものですよね。
娘は思春期になると離れるから、手が空いた時間を自分磨きする時間に当てて、今すぐは無理だけど、思春期終わる頃までの数年間で、娘の憧れるようなお父さんになって欲しいものです。
(4)夫婦仲良くする
夫と手を繋いで歩くとか出来れば良いのですが、3人で外出したときには、娘が私の手を握って離さないので夫と手を繋ぐことが出来ずorz ←娘が夫に対して嫉妬するため
でも、これが可能な夫婦なら、是非とも推奨します。
「お父さんがだらしないから嫌」とか「お父さんがかっこ悪いから嫌」とか言われて、つい
「そうなのよね~、お母さんもそう思ってたわ!」
なんて同調してしまうと、自分自身もそうかも、嫌だわ~、と思うようになり、それを娘が敏感に感じて、ますますお父さん嫌いになるということもあります。
(私の母が父に対しての愚痴が激しい人だったので、私も父が嫌いでした。)
ですので、うっかり同調せずに、娘の前で仲良い姿を見せるようにして、夫を立て、労わるようにしましょう。
子供というのは母親を良く見ているので、思春期の遺伝子問題が過ぎて大人になれば、母親がやっていたように、父親を大事にするようになるものです。
【母の対応の結果】
我が家の場合はこれからが本格的な思春期なので今後どうなるか不明ですが、昨年一時期険悪だった父娘の関係は、これらの努力で少し緩和しています。
思春期の数年間は父親にとっては気の毒な期間ですが、ここを静かに乗り切ることで、大人になった時にまた仲良し父娘関係を築けると考えています。
父親の臭いを消す洗濯方法は?
娘が父親を嫌う理由としてよくあるのが、父親の臭いです。
娘が思春期を迎える頃というのは、多くの男性が40代から50代にさしかかり、それまで頑丈で風邪1つひかなかったような人が大病を患ったり、急に白髪が出てきたり、と体の急激な変化が起きる年代で、加齢臭も気になってきます。
もし加齢臭がなくても、思春期の娘というのは血の繋がりの濃い異性のにおいに敏感なので、臭い未満の体臭であっても敏感に察知して嫌います。
我が家の場合は、私も夫も晩婚で高齢出産だったため、今現在40代後半ですし、若干の臭いがあります。
そして、案の定、娘は
「パパ臭いから嫌!」
と言うようになり困ったのですが、娘の療育アドバイザーに相談したところ、次のアドバイスをいただきました。
(1)体臭については毎日風呂やシャワーで清潔にする。
(2)娘の好きな香りを用途別に捜して使うこと。(部屋、トイレ、玄関、台所洗剤、洗濯洗剤、柔軟剤など)
(3)洗濯に酸素系漂白剤(粉末タイプ)を使用してにおい消しをすること。
匂いに関する商品は場面別に実に多くの種類があります。
そして、人間には好みがあるので、どこかに娘の心地良いと感じる香りがあるはずだ、と言われました。
そこで捜したのは、娘の大好きな学校の先生の匂いです。
夫には実に気の毒なのですが、担任の先生をすごく大好きで、
「○○先生が私のお父さんだったら良かったのになあ・・・」
と言うくらい大好きなのです。
ということは、HLA遺伝子がかなり娘のものとかけ離れているのでしょう。
ちなみに担任の匂いというのは、柔軟剤ハミングフレアの香りでした。
男臭い物の洗濯方法は?
ただし、普通に洗濯するだけでは夫の臭いがきれいに落ちませんorz
そこで臭いを落とすために活躍するのが酸素系漂白剤(粉末タイプ)です。
酸素系漂白剤は粉末タイプと液体タイプがあり、ひと手間かかりますが、粉末タイプの方が強力な効果があり、臭いをきれいに消してくれます。(液体は弱いので効果があまり期待できません。)
【酸素系漂白剤の使い方】
普通に洗剤で洗濯した後に、酸素系漂白剤(粉末タイプ)を40~50度のお湯に溶かして約1時間つけ置きます。
その後、すすいで脱水して干します。
漂白剤の目安は、3Lのお湯に対して大さじ2杯の粉末漂白剤を溶かして使います。
■漂白剤について詳しいことを知りたい場合はこちらをご覧ください。
→漂白剤の酸素系と塩素系の違いは?洗剤は?入れる順番の決まりは?
さいごに
思春期の娘が父親を嫌うケースは非常に多く、世の中の父親は皆、苦労しています。
でも、人間の本能として組み込まれた遺伝子の影響なので仕方ないことです。
母親は、父親が必要以上に落ち込まないようフォローし、娘との間隔を適度に保つように注意してあげるとともに、自分磨きをさせてあげましょう。
そして、この時期が終わり娘が大人になったときに、
「やっぱりお父さんって好きだなあ。今まで邪険にして悪いことしたなあ。」
と娘が感じられるような、素敵なお父さんでいられるように。
また、子供が見てないようで見ているのが「両親が仲良くしているか」です。
親が幸せだと、子供というのは無意識のうちに親のような幸せを求めて邁進するものです。
ぜひ、夫婦仲良く素敵な年齢の積み重ねをしていってくださいね。
■父親の口臭や体臭が原因の場合は、手軽に続けられるサプリメントによる対策も人気です。
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