牧場牛乳がおいしい理由は?殺菌なぜ?市販品は水で薄めるの?

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牧場で牛乳を飲むと、物凄くおいしいものです。市販品と味が全然違ってコクがあって濃厚なのですよね。

市販の牛乳パックを見ると、必ず殺菌について書いてあるのですが、そもそも殺菌するのはなぜでしょうか。牧場のは殺菌していなくて美味しいのでしょうか。また、市販品は水っぽいのですが、水で薄める方法で作るのが原因でしょうか。

今回は、牛乳の作り方を踏まえてこれらの疑問についてまとめました。

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牧場の牛乳がおいしい理由とは?

スーパーで買う牛乳は、牧場で牛から搾乳したもの(生乳)を次の手順で商品化しています。

(1)ゴミやホコリを取り除く
(2)ホモジナイズ(脂肪球の均質化処理)
(3)殺菌
(4)パック詰め

牧場で飲める牛乳は、搾ったものそのままか、と考える人もいるようですが、実際には殺菌処理していない牛乳は販売してはいけないため、スーパーに出回っている牛乳と同様に(1)のゴミ取りや(3)の殺菌処理は行う必要があります。

ですから、おいしさの違いとして考えられることとしては、

  • ホモジナイズしていないこと
  • 紙パックに入っていないこと

これらのことが考えられます。

市販品は紙パックが主流ですが、紙パックの場合は内部防水のために薬品を使っています。そのため、長期間紙パックに入れたままだと牛乳に臭いがついてしまい味が不味くなるという欠点があります。

ここでホモジナイズについてお話ししておきましょう。

ホモジナイズについて

ホモジナイズ(ホモゲナイズ)は、脂肪球を均質化処理することです。

搾りたての牛乳をボモジナイズせず放置しておくと脂肪球が大きくて、クリーム(乳脂肪分)が浮いてしまいます。市販品では生クリームを放置しておくと紙パックの表面縁に固まりかけたクリームがついていることがあるのですが、これはホモジナイズしないから起きる現象です。そして、更に振動を加えて出来るのがバターなのですが、牛乳として飲む場合にこのような分離が起きると消費者からのクレームも出てしまいます。それを防ぐために脂肪球を砕いて均一化することをホモゲナイズ(ホモジナイズ)と言います。

ホモジナイズ処理するか否かは牧場によって異なるかもしれませんが、搾りたての牛乳でホモジナイズしない場合、上に浮いてくる大きな乳脂肪分を最初に口に含むことから味が濃厚だと感じるそうです。

ホモジナイズしない牛乳をノンホモ牛乳、ホモジナイズした牛乳をホモ牛乳と呼びます。ノンホモ牛乳の方が味がマイルドになります。

ホモジナイズする長所短所をまとめると、次の通りです。

  • 乳脂肪分が分離(バター発生)しない
  • 消化が良くなる(乳脂肪分が細かいため)
  • 牛乳本来の風味が失われる

中には、均質化していない方が美味しいのに!と思う人もいますが、均質化しないと消化しにくくお腹が痛くなる人もいるし、バターが発生するのが嫌という人も多いなど、圧倒的に大多数の人が均質化された商品を好む傾向があります。そのため、販売量を増やすためには均質化されたものを売る方が良いという現状なのです。

牛乳のおいしさは様々な条件により変動する

牛乳のおいしさや脂肪分比率は、牛の種類や牧草、育つ環境によっても異なります。

日本の場合、市販の牛乳の9割以上がホルスタイン種ですが、牧場に行くとジャージー種などもいて、これらはボルスタイン種よりも濃厚な牛乳が出るといわれています。また、夏の餌は生の草、冬の餌はサイレージ等に保管した乾燥した草だし、冬は牛が水分を殆ど摂らないため濃い牛乳になる傾向があります。

市販の牛乳の脂肪率は例えば3.6%と記載してあれば、必ず3.6%かというとそうではなく、あくまでもこれは最低保証の比率であり、上記のような条件により変動する可能性があるのです。

ところで、牛乳の殺菌方法にはいくつかあり、その方法によっても味が違うといわれています。次に、なぜ殺菌しなければならないか、どのような方法だと美味しさが保てるのかについてお話しします。


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牛乳を殺菌するのはなぜ?

牛乳は殺菌しないと販売できないとお話ししましたが、これは食品衛生法で義務付けられていることです。酪農家が自己責任で飲む場合は「販売」には該当しないので問題ないのですが、牧場で搾りたて牛乳をそのまま飲むか訊いたところ、実際にはそのままでは飲む気にならないという話を聞きました。

この理由として、衛生的な問題があるからだそうです。

牛は普段おがくずの上にいて、その辺に排泄物もあるし、乳首もきれいとはいえません。搾乳時にはきれいに消毒してから作業するとはいえ、細菌や微生物が入ってる可能性があるので殺菌して飲まないと、ホモジナイズ以前の問題で、お腹が弱いと痛くなる可能性もあります。

もちろん、牛を衛生的に管理しつつ搾乳してすぐに飲むなら殺菌しなくても良いのですが、牛乳というのは細菌や微生物が繁殖しやすい飲み物であり10度以上の温度で増殖すると言われています。販売する場合は搾乳から時間が経過して菌が繁殖する可能性が高いため、殺菌は不可欠なのです。

殺菌の代表的な方法として以下の3通りがあります。

(1)UHT法(超高温瞬間殺菌法)
日本ではこの方法が多く採用されています。牛乳を120~150度で1~3秒間保つ方法です。100度超なので細菌や微生物を死滅させることが可能です。

(2)LTLT法(低温保持殺菌法)
牛乳を63~65度で30分保つ方法です。美味しいのですが、手間がかかるし日持ちしないという欠点があります。

(3)HTST法(高温短時間殺菌法)
欧米で一般的な殺菌方法で、牛乳を72度以上で15秒保つ方法です。

いずれの方法も一般的には牛乳の栄養に影響が出ないと言われています。ですが、高温殺菌だと保存期限は伸びるという長所はあるものの、風味を損ねるという短所もあります。そこで味を優先して(2)や(3)の方法を採用する商品などもあります。

こちらの動画は牛乳の作り方や、HTST法による殺菌の良さが理解できます。

牛乳は水で薄める商品もあるの?

牧場の牛乳がおいしい理由をお話ししましたが、それでも「水で薄めているのは?」と思う人もいるでしょう。

でも、原乳を水で薄めた場合、「牛乳」という表示が出来なくなるため、有り得ません。一般的な牛乳はこちらの記事でお話ししましたが、「成分無調整」といい、生乳だけで作られます。以前、全酪連による牛乳の水増し事件があり大問題になりましたが、成分無調整牛乳は加工乳のように水で薄めてはいけないのです。

ちなみに、水で増量したりすると牛乳の比重が変わってしまい、検査をすると簡単にバレてしまうそうです。ですから、現在日本においては、このような偽装は一切ありません。

◆成分無調整牛乳についてはこちらの記事をご確認ください。
生乳と牛乳の違いは?成分調整と無調整 乳脂肪分と無脂乳固形分は?

ちなみに、成分無調整牛乳でなく、低脂肪乳の場合は水を加えて作る方法も採用されています。低脂肪乳の作り方には次の2通りあり、(2)の方法で水を使っています。

(1)生乳から乳脂肪分を取り除く方法
(2)脱脂粉乳等を還元してバターやクリームを加える方法

(1)よりも(2)の方が安く済むため、殆どのメーカーで(2)の方法を採用しています。

さいごに

牧場で飲む牛乳は確かに濃厚でおいしいのですが、普段スーパーで買う牛乳が水で薄まっているということはありません。殺菌方法の違いや、ホモジナイズ、紙パックに入っているか等の違いが原因なのです。

じゃあ、普段もホモジナイズしていない牛乳や低温殺菌の方が良い、と考える人もいるかもしれません。ただ、一長一短あり、ホモジナイズしていないものだとお腹が弱い人には向かないですし、低温殺菌の方が日持ちしないという欠点もあるのです。

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もちろん毎日おいしい牛乳を飲めたら嬉しいですけど、牧場で飲めるような新鮮牛乳はなかなか手に入らないので、普段の生活では、自分の気持ちの優先順位をつけて牛乳選びをしていきましょう。

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