プラ板に害は無いの?臭いは?使ったオーブンで食べ物加熱は可能?

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プラ板工作は楽しそうだけど、プラスチックを使うから不安だわ・・・と感じる人は意外と多いようです。今回は、

・プラ板を燃やすとダイオキシンの害があるのではないか?
・プラスチックから出る臭いを吸ったら体に悪いのではないか?
・プラ板で使ったオーブントースターで食べ物を温めたら健康を損ねるのではないか?

このような、プラ板工作に関する健康面での心配について実際はどうなのかを調べてまとめました。

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プラ板の害はあるの?

プラ板の害は、普通にプラ板工作をする程度であれば問題ありません。

といっても、プラスチックを高温にするのだから本当は危険だと思う、と心配する人も多いでしょうし、これから順にご説明していきますね。

プラ板は文字通り「プラスチックの板」のことですが、プラスチックには様々な種類があり、プラ板に使う材質は「ポリスチレン」です。
このポリスチレンの特徴を簡単に説明すると、構成元素は炭素と水素化学式は「C6H5-CH=CH2」となります。火をつけた場合で約300度になると黒い煤が出て燃えて炭化しますが、通常は不完全燃焼となり、体に有害な一酸化炭素が発生します。(完全燃焼なら一酸化炭素は発生しません。)

プラスチックとダイオキシン類の関係について

ところでプラスチックが燃えると多くの人が心配なのが、ダイオキシン類の発生ですよね。
ダイオキシン類は300度から500度くらいで発生するといわれています。
ポリスチレンが約300度で燃えて炭化する、ということでダイオキシン類の発生温度と重なって心配だと思うかもしれませんが、ここで理解しておきたいのは、ポリスチレンが単に燃えるだけならダイオキシン類は発生しないということです。何故かというと、ダイオキシン類が発生するには塩素(塩分)が必要であり、塩素による化学反応を起こすことで発生するからなのです。

でも、プラ板工作に使うポリスチレンには塩素が入ってないし、160度程度が適温とされているので300度まで熱くすることはありません。ですから、プラ板に塩を置いて燃やすことをしなければダイオキシン類は発生しないのです。
また、プラ板工作は「火をつける(→燃える)」ではなく「加熱(→熱収縮)」なので煤も一酸化炭素も発生しません。

ダイオキシン類が発生するプラスチックは?

ダイオキシン類の発生する可能性のあるプラスチックというと、代表的なのがポリ塩化ビニルです。これは文字通りプラスチックに塩素が含まれているため、約300度で燃やすとダイオキシン類が発生する可能性があります。

ちなみに、工作好きなら馴染みのあるグルーガンという接着剤もプラスチックを熱で溶かして接着剤として使うものですが、この原材料はポリプロピレンです。ポリプロピレンはポリスチレンと同様に炭素と水素だけで出来ている物質であり、塩素を含んでいないのでダイオキシンの問題はありません。

ダイオキシン類は全て有害か?

ダイオキシン類は猛毒だというイメージがあるのですが、実は有害なのは一部のダイオキシン類だけなのです。ダイオキシン類は300種類以上もあり、その10分の1程度が有害物質とされています。
それに、ダイオキシン類は生き物(有機物)を塩分と一緒に燃やせば発生するものです。バーベキューの鉄板焼きで焼肉や焼き蕎麦を作ってもダイオキシン類が発生するのですよね。でも、本当にごく僅かな量ですし、普通にやる程度なら気にするようなものではありません。

◆ダイオキシン類について詳しいことを知りたい場合はこちらの記事が参考になります。
☆ダイオキシンは猛毒なのか(有機化学美術館)


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プラ板の臭いは吸っても大丈夫?

プラ板工作をするとプラスチックが溶ける際の臭いを感じることもありますが、ごく僅かな量なので健康には影響のないレベルでしょう。また、上でもお話ししましたが、プラ板を燃やすのでなく「加熱する」だけなので、有害な一酸化炭素は出ません。

ですが、臭いの心配をする人の多くが思い浮かべるのがプラスチックの製造工場ではないでしょうか。
確かにプラスチックの製造工場では「プラスチックが溶ける際に出る臭いが酷い」、「有害なのではないか?」という話を聞きます。これは、大量生産かつ高温で溶かすことから臭いが激しいのですよね。

プラ板の原材料であるポリスチレンは、スチレンモノマーという化学物質から作られているのですが、これは常温では無色透明の液体で独特の強い臭いがします。そして、沸点が約145度であり、それ以上の温度になると揮発します。
スチレンモノマーは高濃度になると目や鼻への刺激があり、工場で大量生産する場合は約200~300度の高温で溶かすため、臭いが非常に強く体への影響も注意したいところですが、プラ板工作の場合は160度程度で1~2分加熱するだけだし、加熱する量も少ないので心配するような次元にはならないはずですよ。

プラ板を加熱したオーブンに食べ物を入れても大丈夫なの?

プラ板を加熱したオーブントースターを食べ物に使うと体に悪いのではないかと心配する人もいますが、これも問題ありません。

心配する多くの人が気になるのが

・プラスチックを加熱した際の飛び散りがないか
・プラスチックの臭いがついて取れなくなるのではないか
・飛び散った物質や臭いが食べ物に移るのではないか

このようなことでしょう。
でも、我が家でも過去にオーブントースターやオーブン(電子レンジ兼用)で何度も作っていましたが、臭いについては全く気になりませんでした。飛び散りは目に見えないので何とも言えませんが、現実的にはプラスチックが高温で溶けた場合に周辺に飛び散ることはないと言われています。

ですから、プラ板で使ったオーブントースターを食べ物の加熱で使用することに関して神経質になる必要はありませんが、どうしても気になる場合の対処方法として次のようなことがあります。

・溶けた場合の飛び散り防止のため、下にアルミホイルやクッキングシートを敷くこと。

・オーブンの扉を常時開けて風通しをよくする

・臭いが気になる場合は竹炭等の消臭剤を置いておくこと。
(プラスチックの残留臭いに対して重曹やクエン酸のようなものはあまり効果がないようです。その点、竹炭は有害化学物質の除去効果があるのでプラスチックのような化学的な臭いに対しても有効と思われます。ただ、私自身がこれに関して実際に確認できていないので、あくまでも推測ということでご理解ください。)

また、プラスチックが溶けて庫内に付いた場合は、ターンテーブル等付着したものを取り出して、流し台などに置いて上から熱湯をかけてプラスチックを再度軟らかくしてからヘラ等で取り除きます。この時、熱湯を使うので 火傷しないよう手袋などを使ってください。

プラスチックを加熱するということで神経過敏になる人もいますが、元々プラスチックは200~300度の高温で溶かしたものを型に流して作るものであり、私達はそうして出来たプラスチック製品を当たり前のように日々使って生活しています。ですから、プラスチックをオーブントースターで加熱することについて、あまり神経質にならなくても大丈夫だと思うのですよね。


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プラスチックの参考サイト

また、ポリスチレンそのものについては安全性も確認されております。詳細は下記ページで確認すると良いですよ。
スチレン・ポリスチレンの安全性(食品容器工業部材

このページは今回のプラ板のように家庭で加熱することを想定したものではありませんが、ポリスチレンという材質に対する安全を確認する上では信頼性のある資料と考えて良いのではないでしょうか。

◆プラスチックについて詳しいことを知りたい場合はこちらの記事がおすすめです。
ポリスチレンとは(日本スチレン工業会)

このページの下段に、ポリスチレンが出来るまでの図や、ポリスチレンがプラスチックの中でどのような位置付けなのか等、詳しい情報が満載です。また、別ページには「スチレンモノマーに関する詳細や、ポリスチレンの安全性に関する情報などもあります。

また、次のページにもプラスチックの基本的なことが書かれています。
プラスチック基礎知識(本城化成株式会社)

さいごに

プラ板工作はプラスチックを加熱するので害があるのではと心配する人もいますが、プラスチックには多くの種類があり、プラ板に関しては健康を害するものではありませんし、少ししか使わないのでさほど心配しなくて大丈夫です。

あまり心配せず、ぜひ楽しく工作して素敵な作品を作ってくださいね。

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