子供の「なぜ、何、どうして?」に答えるのは大変ですよね。
我が家では、
「お祖母ちゃん家では鏡餅を沢山飾るのに、ウチはどうして1個だけなの?」
などと根掘り葉掘り質問されて困ったものです。
今回は、鏡餅の由来を子供向けに分かりやすく説明できるよう、
我が家で訊かれた事をピックアップしてQ&A方式で書きました。
鏡餅の由来を子供向けに簡単に教えて!
Q1:鏡餅はどうして鏡じゃないのに鏡餅って言うの?
A1:昔の鏡は銅という金属で出来ていたのだけど、その形は丸かったの。
昔、鏡は貴重なもので、神様が宿る場所と考えられていたの。
そこから、お正月には鏡餅を作って神様にお供えするという風習ができたのよ。
もう1つの説は、「鏡」という文字は「鑑みる(かんがみる)」という意味があったの。
良いお手本としてよく見て考えていく、という意味で「かんがみもち」と呼んでいたのだけど
だんだん言い方が変わってきて鏡餅になったとも言われているのよ。
Q2:お母さん、なぜ鏡餅を28日の寝る前に慌てて飾っていたの?
29日じゃ駄目なの?
A2:29日は9がつくから「苦しむ」という意味になって縁起が良くないとされているの。
あともう1つ、駄目な日が31日。一夜飾りはギリギリすぎて神様をお迎えするのに失礼だからね。
だから、鏡餅を飾るのは28日か30日にするという決まりがあるの。
どちらかというと、28日の方が良いの。数字の「八」形は「末広がり」で縁起が良いとされてるからね。
Q3:鏡開きってなぜ1月11日なの?お正月は7日までなのに。
正月飾りを7日に外すから一緒にすればいいのに~。
A3:鏡開きはゾロ目の「111」が縁起が良いからという理由もあるみたい。
普通は1月11日に鏡開きをすると決まっているみたいね。
でも、関西地方とかは15日にやるみたいだし、場所によっての決まりごとがあるみたいね。
鏡開きというのは、お正月の間に年神様に供えた鏡餅を下ろしておしるこにして食べることで、
年神様の魂をいただいて1年間元気に過ごすための力をつけるという意味があるの。
そうそう、この鏡開きで家族皆で餅を食べることが「お年玉」の始まりだったそうよ。
鏡餅には年神様の魂が入っているから、それを分けて「餅玉」として食べるのがお年玉だって。
○○ちゃんのお年玉も来年はお餅にしようかしらw
「えー、いやだよ!やっぱり普通のお年玉にして~!」
鏡餅のみかん、だいだいは?飾りのゆずり葉、裏白は?
Q4:お祖母ちゃん家では本物みかんだけどどうして?
A4:あれはみかんじゃなくて、橙(だいだい)という果物なの。
語呂合わせからきたんだけど、橙は木から落ちないで大きく実が育つことから、
「代々家が続いて大きくなるように」と願って飾るものなのよ。
Q5:みかんと橙の違いは?橙も美味しいの?
A5:橙はみかんと似ているけど、ヨーロッパではビターオレンジという名前で作られているし、
酸っぱい上に苦味もあって、そのままではあまり食べられないみたいね。
煮てマーマレードにしたりポン酢の材料に使ったり、あとは漢方薬にも使われているわ。
橙の花は5月~6月に咲いて冬に実が成って12月頃にはきれいな橙色になるのだけど、
みかんと決定的に違うのは、冬が過ぎても木から落ちないということなの。
そして、春になると橙色だった実が緑色っぽくなって目立たなくなってしまうこと。
Q4でも言ったけど、木から落ちないで枝についていることが大きな特徴。
そのまま放置しておくと2~3年は枝に付いているそうね。
Q6:お祖母ちゃん家の鏡餅には大きな葉っぱが飾ってあったよね。
うちのは安い偽物(プラスチック)だから替わりに葉っぱつきの橙なの?
A6:大きな葉っぱとプラスチック製の葉っぱつき橙は別だと思うよ。
その方が橙らしく見えるからじゃないかなあ。
葉っぱというより、枝がついたところを見せるための模造品なんじゃないかしら。
それよりも大事なのは、お祖母ちゃん家の大きな葉っぱのことよ。
これも縁起物の1つなの。
大きな緑色の1枚の葉は「ゆずり葉」で、
もう1つの小さい葉が沢山組み合わさって枝もいくつも集まった「裏白(うらじろ)」というの。
ゆずり葉は、橙と同じように秋になっても枯れずに2年後の孫である葉っぱが伸びてから枯れ始めることから、3代も続く縁起の良い葉とされてるの。
裏白はシダの葉なんだけど、葉の裏側が白いことから名づけられたのだけど、清廉潔白であるようにという意味があるそうね。
鏡餅の置く場所は?
Q7:お祖母ちゃん家には沢山飾っているけどウチはなぜ1つだけ?
我が家・・・玄関だけに1つだけ。
A7:鏡餅は神様へのお供えということは、もう分かっているよね。
昔の日本人は、身の回りの全ての物に神様が宿ると考えていたの。
だから、神棚はもちろんだけど、台所には火や水の神様がいるし、
トイレには女の人が赤ちゃんを産むのを守ってくれる神様がいるといわれているのよ。
今ではウチみたいに玄関に1個だけという家も多いのだけど
昔からの大きな家とかだと、その場所毎にお供えするから沢山の鏡餅を置くことになるの。
そうそう、ウチで玄関に置くのは、客間に床の間のような鏡餅を置く場所がないからなのよ。
玄関はだめと言う人もいるみたいだけど、玄関は「お客様を迎える大事な場所」だから
ここを清めて心を込めてお供えすれば、きっとお客様も気持ち良いはず、
と思ってお母さんは毎年ここにお供えしているのよ。
まとめ
このような問答の末、「なぜ・なに星人」の我が子は納得してくれました。
皆様のお宅でも、鏡餅の由来を子供と話し合いながら、一緒に心を込めて
鏡餅を飾れるといいですね。
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