信心深くないと、神社仏閣に行くのは初詣くらいですよね。
だからお参りの作法を忘れてしまい、毎回テキトー。
でも子供と一緒にお参りするから、そろそろ子供に教える必要があるし
最低限のことは知っておきたいな。
こんな考えのお母さんは少なくないでしょう。
今回は、初詣の基本マナーである神社と寺のお参りの作法や手水、お賽銭の金額など、
その場で困らないようお話します。
初詣のマナー、神社と寺の違い
初詣は新年を迎えて初めて神社仏閣に参拝することをいいます。
昔は初詣を「恵方参り」(えほうまいり)といい、
その年の縁起の良い方角の神社にお参りしたのです。
今では恵方というと節分の恵方巻きが有名ですが、
昔は初詣にも陰陽道が用いられていました。
その年の干支に基づく「恵方」にある神社にお参りすることで、
年神様から福を与えていただくと考えていたのです。
神社と寺の参拝方法で大きく違うのは、お参りの作法です。
神社では拍手を打ちますが、寺では手を合わせて題目を唱えます。
以下、神社と寺の作法を記載します。
神社お参りの作法
(1)賽銭箱の前で軽くお辞儀(約15度=小揖・しょうゆう)をする
(2)鈴を鳴らす(神様に来たことを告げる合図)
(3)お賽銭
(4)二拝二拍手一拝(2回お辞儀→2回拍手→手を合わせて拝む→1回お辞儀。お辞儀は約90度)
(5)軽くお辞儀をしてから退出する
「自分が何も邪心を持っていません」というのを証明するためです。
寺お参りの作法
(1)賽銭箱の前でお辞儀(約45度)をして、鐘をつく(無ければ省略)
(2)ロウソク・線香を上げる(無ければ省略)
(3)お賽銭
(4)手を合わせて拝む
(5)お辞儀をしてから退出する
「南無阿弥陀仏」「南無妙法蓮華経」「南無延命地蔵大菩薩」
「南無釈迦牟尼佛」「南無大師遍照金剛」「南無大慈大悲観世音菩薩」など。
分からなかったら「南無帰依佛、南無帰依僧、南無帰依法」。
初詣のマナーで神社、寺の共通する部分
1.手水~手と口の清め方
神社と寺ともに、お参りの前に手と口を清めることは共通です。
手水所(手水舎)があれば心身を清める意味で手を洗い、口をすすぎます。
(1)右手でひしゃくを取り、水を汲んで左手にかけて洗います。
(一杯の水で最後まで行うので全部使い切らないように注意!)
(2)ひしゃくを左手に持ち替えて、右手を洗います。
(3)再度ひしゃくを右手に持ち替えて、左の掌に水を溜めて口をすすぎます。
(この時、ひしゃくに直接口を付けずにすすぐこと!)
(4)再度左手を軽く洗ってから、ひしゃくを立てて柄の部分に水が伝わるように流し清めて
元の場所に戻します。
・ペッと音を立てないように静かに
・周囲の人に見えないよう手で隠して
・足元の前あたりに出す
というのがマナーです。また、ハンカチなどは用意していきましょう。
2.鳥居・門のくぐり方
神社と寺、くぐる物は鳥居と門で異なりますが、、
「入る時に一礼してから鳥居や門をくぐり、帰る時に鳥居や門をくぐってから一礼する」
という基本は同じです。
神社のくぐり方
【入る時】神社には必ず鳥居があるので、出来れば一番外側の
「一の鳥居」から「二の鳥居」「三の鳥居」の順にくぐり参道へ入ります。
鳥居をくぐる際に一礼します。
参道の中央(正中)は神様が通る道なので進みません。
【帰る時】鳥居を出て振り返り、一礼して帰ります。
寺のくぐり方
【入る時】門の手前で一礼し、門をくぐります。
【帰る時】門を出て振り返り、一礼して帰ります。
3.賽銭について
お賽銭の「賽」は「神から福を受けたことを感謝して祭る」という意味です。
だからお賽銭は「前回お願いしたことが叶ったお礼」であり、
今回のお願いに対する対価ではありません。
また、金額の決まりはないので、感謝する気持ちで自分なりの金額を決めましょう。
5円・・・ご縁がありますように
5円2枚で10円・・・重ね重ねご縁がありますように
29円・・・福(29=ふく)が来ますように
5円10枚で50円・・・五重のご縁がありますようになどの語呂合わせがあるようですが、言葉遊びですので
無理にこうしなければならないものではありません。
ただ、10円硬貨は縁が遠ざかる(10円=遠縁)ので避けたほうが良いでしょう。
4.お参りするときの心構え
お参りは「ご利益がありますように」とお願いごとをする人がいるようですが、
本来は、昨年1年間の無事を神仏に感謝するとともに今年1年間の決意を告げ、
それが「成就するように見守って下さい」とお願いするものであり、
見返りを期待してはいけません。
「○○大学に合格しますように」とお祈りするのでなく、
「○○大学に合格するよう頑張るので守ってください」と
自分で実践するのを前提に決意表明するのが大切なのです。
もし、マナーを忘れたら。
付け焼刃のマナーですから、基本といえども時々うっかり忘れてしまうこともあるでしょう。
また、手水所が混雑していて、とても行く気になれないけどいいのかな、とか。
実は、今はこういう基本ルールが当たり前になっているのですが、
この作法は明治時代に提言された手順であり、世の中の決まり事ではなかったのです。
その後神社本庁が質問に答える形式でオープンにしたことから広まったそうです。
それ以前はどうしていたかというと、手を合わせるだけで大丈夫だったのです。
そもそも神社での参拝は、拝殿に上がっての参拝が正式であり、
普段外から参拝するのは略式なので、ここでの正式なルールというのは無かったのです。
(拝殿に上がった場合は玉串を捧げたりするので正式なマナーが存在します。)
今では神社のHPを見るときちんとした参拝方法が掲載されており、
それに則って参拝するべき、と厳格に考える人もいますが、
初詣の場合は有名なところだと大変混雑するので、正式なマナーに則って
手水所で清めることも大変な場合もあります。
(初詣シーズンには手水所が混雑すると危険なので一時的に閉鎖する、
ということが過去に有名な神社であったそうです。)
お子さんが小さい場合は水が大好きで「お水で手洗いする~!」と言うかもしれませんが、
ものすごい混雑の際には臨機応変に考えたほうが良いでしょう。
まとめ
初詣のマナーはちょっと細かいかもしれませんが、
基本は、姿勢を正して昨年1年間の感謝と今年1年の決意を報告することです。
ちょっとくらいド忘れしても気にせず、心を込めて神様仏様に向かいましょう。
■初詣の記事はこちらにもあります。
→初詣の場所を変えるとお札返すのが困る?お守り複数一緒は駄目?
→初詣おみくじで凶が出た!何回までOK?持ち帰る場合の処分方法
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