石油と灯油ストーブの違いは?ガソリンや軽油は?危険な理由は?

違い

石油ストーブに入れるのは「灯油」ですが、呼び名は「石油ストーブ」ですよね。
なぜなぜ星人の娘に、

どうして灯油なのに、灯油ストーブと呼ばないの?

と質問されてしまいましたが答えられませんでした。

この理由や違いについて上手く説明できないお母さんは少なくありません。
今回は、この説明方法のほか、石油、灯油、ガソリン、軽油などの違いや
危険性についてお話しします。

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石油でなく灯油ストーブと呼ぶ理由と2語の違い

石油と灯油の違い

一言でいうと、
「灯油は石油の色んな種類の一つ」
となります。

石油からガソリンや灯油、重油、軽油などが作られますし、
この元になる原油も含めて「石油」と呼ぶこともあります。

なぜ「灯油ストーブ」と呼ぶのか?

この理由は、石油ストーブが普及する前に使っていた暖房器具が石炭ストーブだったためです。
固形燃料である石炭から液体燃料である石油に移行したことで「石炭」と「石油」の違いが注目されたため、液体燃料ストーブ=「石油ストーブ」という俗称が生まれたようです。

正確には「石油製品の1つである灯油を使用する」のですが、普及された当初は石油ストーブという言い方が、人々にとって理解浸透しやすかったのでしょう。

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石油製品で灯油 ガソリン 軽油の使い方の違いは?

(1)石油から灯油やガソリンや軽油はどのように作られるの?

石油製品の違いの前に、石油がどのように製品化されるかお話しします。

石油は油田に地下深く掘った井戸から取れます。
この取れた物は、最初黒いドロドロの液体でキツイ臭いがあります。
この段階ではガスや水、塩、砂、泥、その他金属類が含まれており、これら不純物を取り除いたものが原油となります。

原油を温めると、沸点が低い順に蒸発するので、その蒸発物を抽出して冷やしたものが以下の石油製品になります。

沸点の低い(抽出する)順に並べると、

・液化石油ガス(LPガス)
ガソリン、ナフサ(35~180度)
・ジェット燃料、灯油(170~250度)
・軽油(240~350度)
・重油、アスファルト(350度以上)

となります。

(2)石油製品で灯油 ガソリン 軽油等の使い道は?

主な石油製品の使い道についてお話しします。

(1)灯油

灯油はストーブやファンヒーターの暖房器具の燃料として使われます。

(2)ガソリン

ガソリンは車やバイクなどが走るための燃料として使われます。
最近では水素燃料や電気による自動車も普及されはじめていますが、まだ使っている人は多くありません。

(3)ハイオクガソリン

ガソリンスタンドに行くと、レギュラーとハイオクという表示がありますよね。

ハイオクガソリンは、レギュラーガソリンよりも高いのですが、これを使うことで金属音や振動が発生しにくい、 異常燃焼が発生しにくいという利点があり、パワーの必要な大型自動車などに使われています。
(普通自動車にハイオクガソリンを入れてもパワーが出るものではありません。)

(4)軽油

軽油が燃料として使われるのはディーゼルエンジンを使う大型トラックやバスです。
1Lあたり発熱量がガソリンの1.5倍、税金が安いなどの長所がありますが、排気ガスが黒くモクモクしており大気汚染の問題があるという短所もあります。

(5)重油

重油が燃料として使われるのは次のような場所です。

・工場のボイラー
・ビルなどの大規模な暖房設備
・船のエンジン

(6)ジェット燃料

ジェット燃料は、ジェット機が飛ぶための燃料として使われています。

これは灯油とほぼ同じ成分から出来ていますが、地上よりも気温が低い空で品質が変わるのを防ぐ必要があり、また、燃えカスを空からばら撒くのも避けなければいけません。
そのため、普通の灯油よりも不純物などが少なく上質なものになっています。

(7)プロパンガス(液化石油ガス・LPガス)

家庭で使うガスには都市ガスとプロパンガスの2種類がありますが、プロパンガスは原油から作られています。
家庭で買うボンベには液体が入っており、使う時に気体にします。

(8)火力発電

電気を作る発電には、原子力・水力・火力・風力等がありますが、その中の火力発電では、天然ガスや石炭、石油(重油)を燃料として使います。

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ガソリンと灯油の危険性は?

石油製品は引火性があるため取り扱いには注意しなくてはいけません。
ここでは私たちにとって身近なガソリンと灯油についてお話しします。

ガソリンの火がつく温度(引火点)は-43度、灯油は約40度です。
ガソリンは気化温度が30度くらいなので、常温の場合蒸発していることが多く、空気中の酸素とガソリンの気体が混ざって条件が整っている状態で火種があると爆発する可能性があるのです。

灯油の場合は40度程度にならないと気化しないので、通常であれば、火を近づけてもつかないし、
万が一火がついても爆発するほど灯油の気化量が多くないのでガソリンよりも危険性が低いです。

灯油は赤いポリタンクに入れて販売されますが、ガソリンは絶対にポリタンクに入れてはいけません。(販売する側も、購入する側も法違反となります。)

この理由として、ガソリンの引火性があります。
常温でも気化するため、密封したから大丈夫とはいえず、外気温によっては膨張、収縮を繰り返した挙句に容器破損に繋がります。
更に、-40度でも強力な引火性があり、タバコの灰でも爆発するからです。

ですので、ガソリンを購入する場合、車に直接入れるのでなければ、ガソリン専用容器に入れましょう。

さいごに

石油という言い方は灯油やガソリン、軽油などを含むので
使う場面によっては「石油」だと分かりにくいこともありますし、逆に細かい区分の「灯油」などを使うほうが分かりにくいこともあります。
どちらが正しい、間違いということではないので、その場その場で使い分けるほうが良いでしょう。

また、石油製品はいずれも引火性があるので取り扱いには十分気をつけましょう。

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