子供の視点は意外なところにあり、青虫を飼うだけでも様々な疑問が浮かぶようです。
我が子もさなぎの羽化について期間がどのくらいか、
冬さなぎになったらどうなるのだろうか、などとあれこれ訊いてきて
答えるのが大変でした。
今回は、青虫のさなぎから羽化までの期間や越冬方法、
さなぎになる前の準備やその間の状態、虫の雌雄区別などをお話しします。
青虫 さなぎから羽化までの期間は?冬の場合は?
(1)冬間近にさなぎになったらどうなるの!?
暖かい春から夏の蛹は1週間から10日間程度で羽化しますが、
秋寒くなってから蛹になる場合は冬を越すことが多いです(特に、11月以降)。
この場合は、虫かごに入れたまま屋外に置きましょう。
(虫かごが他の動物に荒らされないように注意してください。)
室内に置いておくと部屋が暖かいため冬に羽化してしまい
番うことができないので子孫を残すことなく死んでしまいます。
蛹に1日から1週間に1回程度、霧吹きで水をふき、乾燥を防ぎましょう。
この時に蛹の中で体をモゾモゾさせることもあるようです。
春になり暖かくなると羽化するので、空へ放してあげましょう。
(2)もし冬に羽化したら、どうすればいいの?
成虫は冬の寒さには耐えられず外に放すと早く死んでしまうため、家で飼う方が良いでしょう。
家で成虫を飼う場合は、生花よりも蜂蜜を薄めたものを与えるほうが経済的だし食べるようです。
【飼育場所】
元気な場合は虫かごに入れて飼ってもいいし、放し飼いでも問題ありません。
蝶は明るいところを好むため、窓際にいることが多いです。
夜は早めに虫かごに入れ、ダンボールなどで覆い暗くしてあげましょう。
■蝶の成虫が弱っている場合の育て方については我が家の事例を別記事に掲載しました。
→蝶が羽化失敗したらどうする?飼育方法成虫は青虫と違うの?寿命は?
【餌】
蜂蜜をお湯で10倍に薄め、ティッシュ等に含ませて1日に4~5回与えます。
蝶が止まっている目の前に近付けて、触覚や前足に触れるようにすると口吻を伸ばして吸います。
もし吸わない場合は、暗いか寒いのが原因でしょう。
その場合は、針などで口吻を伸ばして餌につけてやりましょう。
青虫がさなぎになる前の準備やその間の食事は?
(1)蛹の中はどうなっているの?
羽化する時には蛹の背中が割れて成虫が出てくるのですが、
その前1週間から10日間の蛹の期間は、
体を大部分をドロドロに溶かして再構成するのです。
この最中の蛹を開くと、中はほぼ液体です。(実際に開けると死んでしまうので止めましょう。)
幼虫から成虫になる過程で蛹になる昆虫は「完全変態」といいますが、
蝶の幼虫と成虫では代謝や消化器官などが全く別の形態になるのです。
(2)さなぎの間は食べたり排便しなくていいの?
さなぎの間は何も食べることが出来ないので、その前にたくさん食べて栄養を蓄え、
糞をたくさんしておなかを空っぽにしてから蛹になります。
さなぎの間は、食べられませんが活動していないので食べなくても大丈夫なのです。
また、羽化後にお尻から赤い液体のようなものが出てくることがあります。
これは、蛹便(ようべん)といい、排泄です。
さなぎの間は排便できないため、蛹になる前にすっきりしても、また便が溜まります。
さなぎの間は何も食べないのであまり出ないはずですが、
幼虫から成虫に変わるときに身体に不要なものも混じっており、
何らかの形で排出しなければならないのです。
そのため、蝶に限らず成虫になった昆虫は、このようにして不要物を排泄してから
すっきりと飛び立つのです。
虫の雌雄の見分け方はあるの?
(1)成虫の見分け方
普通に見ると分かりませんが、紫外線を翅に当てると
メスの翅は白く見え、オスの翅は黒く見えるという違いがあります。
人間には紫外線が見えませんが、モンシロチョウには見え、
この色の違いで雌雄の判別をしていると考えられています。
(2)幼虫の見分け方
青虫は脱皮を4回繰り返して五令幼虫となります。
この2回目の脱皮後に三令幼虫になった時点で、
雄の青虫には背中に薄黄色い楕円形の斑点が2個現れます。
(精巣が透けて見えるため。)
これが見える場合に雄であり、見えない場合は雌です。
さいごに
蝶は幼虫と成虫で全く違う姿ですし、その間のさなぎという状態に
子供はかなり興味深々です。
ぜひ、子供の興味の世界が広がるよう、青虫の生態について
理解して教えてあげてくださいね。
■青虫の基礎知識はこちらの記事がおすすめです。
→青虫の見つけ方は?モンシロチョウの飼い方や蝶と蛾の見分け方は?
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