葬儀に参列した際の挨拶は「ご愁傷様でございます」ですが、
普段使い慣れないので言いづらいし違和感がありますよね。
特に、親しい人の家族が亡くなった場合は
『何か言わなくては!』
『何か自分に出来ることはないのか?』
などと考えて言葉をあれこれ思い浮かべますよね。
今回は、ご愁傷様の意味や他の言い方について、
また、逆に言われる立場になったときの返答についてもお話しします。
ご愁傷様の意味は?
まず「ご愁傷様」の漢字を1文字ずつ確認しましょう。
愁=憂える(うれえる)=悲しく思う
傷=心の痛み=強い悲しみ
「愁傷」と文字を繋げると、「悲しみ」を意味する2文字が重なり、より強い悲しみを表し
(1)自分の傷の場合は「嘆き悲しむ」
(2)相手の傷の場合は「気の毒に思う」=身内を失った人に対するお悔やみの言葉
という意味になります。
また、愁傷の前後に「御」と「様」の敬語2語がつくため、
相手に対する最上級の敬意を表す意味や
労い、気遣いを表す意味もあります。
ですが、近年では、意味が転じて気の毒に思う気持ちを、
軽いからかいの意を含めて使う言葉になるケースもあります。
ご愁傷様の他の言い方は無いの?
男性の場合は、
「ご愁傷様です」
でも良いのですが、女性が丁寧に言う場合は
「ご愁傷様でございます」
となります。
葬儀の場では相応しい言葉と分かっても、やはり普段使い慣れない「ご愁傷様」は
舌を噛みそうで言えないし余所余所しい気がしますよね。
もう少し他の言い方がないか調べてまとめました。
(1)この度はお悔やみ申し上げます
お通夜や告別式で挨拶なら、
「この度はお悔み申し上げます」と消えるような小声で言えば大丈夫です。
(2)大変だったね
親しい友人関係で、周囲に他の人がいない場合なら「大変だったね」でも良いと思います。
(3)その他
「本当に残念です」
「言葉が見つかりません」
「さぞお力落としでございましょう」
「この度は突然なことで寂しくなりましたね」
などの言葉があります。
(4)全く声が出なくても大丈夫
頭では「ご愁傷様」「お悔やみ申し上げます」などの言葉と分かっていても
悲しんでいる遺族を前にしたら言葉が詰まることや、忘れることもあります。
ですが、慌てなくて大丈夫です。
「悲しみの場では言葉少なく」が基本。音にならない程度で十分なのです。
親しければ本当に言葉にならないくらい悲しいこともありますし、
「この度は・・・」と声を詰まらせて後が無くても問題ないです。
深刻に考えず、素直な態度で、素直な気持ちを出せれば大丈夫です。
安易な励ましの言葉はNG!
1つ注意しなければならないのが「励ましの言葉」です。
亡くなって間もない時に遺族が悲しむのは当然のことですが、
ここで
「いつまでも悲しまないでくださいね」
「頑張ってください」
「元気を出してください」
というような、安易な励まし言葉は、逆に遺族を傷つけてしまうので
使わないようにしましょう。
ご愁傷様と言われたらなんと返答すればいいの?
自分が遺族の立場なら逆ですよね。
ご愁傷様と言われたら、なんと返答すれば良いのでしょうか。
言われた場面や相手の立場に合わせて変わりますが、基本は「恐れ入ります」です。
これもあまり馴染みがない言葉ですので難しいかもしれませんが、
どんな場合でもカバーできるので覚えておきましょう。
また、その他の言葉としては次のものがあります。
(1)お通夜・告別式での返答
「わざわざお忙しい中参列(お越し)いただきまして有難うございます」
(2)メール・手紙等の返答
「お気遣い有難うございます」
「お気遣い恐れ入ります」
「ご丁寧に有難うございます」
「痛み入ります」
(3)場面によって使い分ける
・忌引き明けで出社した際にご愁傷様と言われた場合は
「(お休みをいただき)ご迷惑をおかけしました」
・大変だったねと言われた場合は
「お気遣い有難うございます」
《「有難うございます」は賛否両論ある!》
「有難うございます」については
「お悔やみごとでは避ける」という考え方もあり、
違和感を覚える人がいるかもしれません。
ただ、実際には多くの人が使っており、自然に感じる人が多いのも事実です。
「忙しい中わざわざ弔問に来てくれたことを
故人の代わりにお礼の挨拶をする」という意味で使っているようです。
まとめ
「ご愁傷様です」という言い方は馴染まないので言いづらいですが
悲しみの中での言葉なので、スラスラ話すよりも、
詰まって出ないくらいのほうがちょうど良い程度に考えていても大丈夫です。
むしろ、深く考えすぎて励ましてあげたい、と安易な言葉をしないように気をつけましょう。
葬儀や法要のことで分からないことがあったら他にも記事があるのでご覧ください。
→葬儀法要等で恥をかかないための知識集~目次
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