梅干しや白梅酢、梅シロップなどは食べ物、飲み物としての楽しみ以外にも
疲労回復や風邪予防、夏バテ防止などにも有効ですが、
それよりも強力なのが、梅の薬効を凝縮した梅エキスです。
今回は、梅肉エキスの効能や作り方で簡単な方法、
1日の量と飲み方についてお話しします。
梅エキスの効能は?
梅エキスは昔の家庭では常備薬として重宝されていました。
疲労回復や殺菌作用、整腸作用、鎮痛作用、血行促進作用などがあるといわれているほか、
最近では血の浄化作用があるなどが分かってきました。
梅エキスは様々な症状に使えて便利なので、
梅の時期になったら作って常備するのがおすすめです。
(1)内服薬・うがい薬として
下痢や便秘、食あたり、酔い止め、風邪予防のほか、
風邪で喉が傷む場合に梅エキスのうがいがおすすめです。
【使い方】
・直接舐める
・お湯割り等で飲む
・ぬるま湯で薄めてうがいする(梅エキス:ぬるま湯=1:5~10)
(2)塗り薬として
梅エキスの殺菌作用は体の中だけでなく、皮膚にもあり、
湿疹や水虫などにも効くといわれています。
【使い方】
梅エキスを水で10倍程度に薄めて湿疹や水虫の患部に梅エキスを塗ります。
(1日3回以上塗ることを続けましょう。)
(3)湿布薬として
梅エキスの鎮痛作用や血行促進作用を活かした湿布は、
頭痛や肩こり、腰痛、膝の痛みにも効くといわれています。
【使い方】
梅エキスと少量の水を混ぜてガーゼやボロ布などに塗って患部に湿布します。
梅エキスの作り方で簡単な方法は?
【材料】
青梅 2kg
【道具】
おろし器※
ボール
木綿の布
鍋
木べら
保存容器(小瓶など)
※おろし器はプラスチック製や陶器製などを使用。金属製は梅の酸に反応するため不可。
【作り方】
(1)青梅を水で洗って水気を切ります。
(2)ミキサーかフードプロセッサーを使って梅をペースト状にします。
包丁で梅を削って種を取り除くか、真ん中を2つに割って種を取り除いてから
ミキサーかフードプロセッサーに入れてペースト状にします。
(梅の酸は強くミキサーやフードプロセッサーを傷める恐れがあるため、使用後はすぐに洗いましょう。)
(3)木綿の布に(2)を開けて汁を絞り、鍋に移して火にかけます。
(最初は中火にして、温まったら弱火にします。)
(4)アクが出るので丁寧にすくい取ります。
木べらで時々混ぜながら、じっくり煮詰めます。
(5)最初緑色だったのが黒色になり、表面に艶が出てきます。
梅エキスを木べらで混ぜたときに筋が出来たら火を止めます。
(最初2kgだった梅が、種を取り除き煮詰めると70~80g程度になってしまいます。)
(6)粗熱を取って煮沸消毒した瓶に入れます。
(常温で長期保存可能。)
【ミキサー等がない場合は?】
おろし器(プラスチック製か陶器製)で梅を皮付きのまま摩り下ろします。
昔はおろし器で作業していましたが、2kg全て摩り下ろすと
1~2時間かかるので大変です。
余裕のある時に気長に作業してください。
【絞った梅のカスは?】
作り方(3)で絞った梅の残りのカスは、砂糖を加えて煮詰めると梅ジャムになります。
梅エキスの量とおすすめの飲み方は?
梅エキスは薬効が凝縮されているので1日2~3回、合計3g程度で十分です。
酸が強いので胃腸が弱い場合は空腹時避けましょう。
食後にちょっと舐める、という風に習慣化したほうが良いですね。
また、子供はもう少し減らして飲ませます。
梅エキスは酸が凝縮されているので、かなり酸っぱいです。
そのままでは飲めないという人もいますが、その場合、
はちみつや黒蜜、黒砂糖などで甘くすると舐めやすいですし、
水やお湯以外にも炭酸水やカルピスなどで割って飲む方法もあります。
さいごに
梅エキスは病気予防などにも使えるし、常備しておくと便利です。
時間はかかりますが、ぜひ梅の時期に作ってみてくださいね。
■梅を使ったレシピは他にも色々あります。
→梅干しの作り方簡単な方法と土用干しのやり方 カビ対処方法は?
→梅干しで余る梅酢の使い方やしそジュースの作り方 ゆかりの作り方
→梅ジャムの作り方と保存は?電子レンジで作れる?苦味の取り方は?
→梅シロップの作り方は?発酵防止策は?実際に発酵した場合の対処は?
■果物レシピ目次
→季節の果物でジャムを作ろう!その他果物レシピまとめ
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