梅干しの作り方簡単な方法と土用干しのやり方 カビ対処方法は?

料理・お菓子

umeboshi
6月になるとスーパーに梅が出回ります。
梅干しを作ってみたいけど難しそう、と躊躇している人も多いでしょう。
今回は、梅干の作り方で簡単な方法と、土用干しのやり方や
失敗しがちなカビについて、予防とカビたときの対処方法についてお話しします。

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梅干しの作り方で簡単な方法は?

梅干しは敷居が高いように見えますが、
計量を正しく行い、きちんと水気を取るなど1つ1つの作業を丁寧に行えば
失敗はありません。

後で詳しく説明しますが、カビは大敵です。
カビは湿気と暑さを好むので、そうならないような環境を整えることも必要です。

【材料】梅2kg分
梅     2kg
粗塩    360g(梅の18%)
焼酎(35度)1/2カップ

梅2kgの場合は、漬物用プラスチック容器がちょうど良い大きさです。
※梅干しは青い梅ではおいしく作ることができません。
必ず黄熟した梅を入手しましょう。黄熟してなかったら数日間置いておけば熟してきます。

梅の塩漬けの作り方

(1)黄熟した梅を流水で洗って竹串などなり口についているヘタを取り、
きれいな布巾で水気を取ります。
(水分が残っているとカビの原因になります。
特に、なり口に水分が残りやすくカビやすいため、丁寧に拭いて半日程度放置しましょう。)

(2)容器を熱湯消毒して乾かしておきます。

(3)容器に梅と焼酎を入れ、梅の1個1個に焼酎が絡まんで湿るように容器全体を揺すります。

(4)塩を(3)に一気に振り入れ、容器を大きく揺すって梅に塩が絡まるようにします。
(大きい容器を使うと空間が沢山あるため、この作業がやりやすいです。)

(5)梅酢が上がるまではこまめに容器を揺すります。(1日7~8回行いましょう。)

(6)梅酢が上がってきたら、こまめに容器を傾けて梅酢が全体に行き渡るようにします。
(梅酢が触れないとカビやすいので、重石をしたほうが良いでしょう。
また、1週間に1回を目安に重石の上から焼酎を霧吹きすると、カビ予防になります。

(7)赤じそは塩漬け後2週間経過した頃に入れます(赤じそは好みで省略も可)。
赤じそが梅と同時期に入った場合は、その時点で発色させて保存しておきましょう。

【梅酢について】

梅酢は2~3日経過すると上がってきますが、なかなか梅酢が上がらない場合、重石を少し増やして梅が早く梅酢に沈むようにしましょう。
重石は、ペットボトルに水を入れるのがお手軽で、必要な重さは梅2㎏に対して重石2㎏程度です。

赤じそ漬けの作り方

【材料】梅2kgの場合
赤じその葉 400g(ちりめんじそ。梅の20%。1~2束分)
粗塩    80g(赤じその20%)
白梅酢   140ml

【作り方】

(1)赤じそは両面が紫紅色の良い葉だけを柄に残して摘み取ります。
(摘んだ悪い葉は紫蘇ジュースにすると無駄がなくなります。)
紫蘇ジュースの作り方

(2)ボウルに水をたっぷり入れて(1)をきれいに洗います。
泥や汚れがついているので3回くらい水を変えたほうが良いでしょう。

(3)新品の洗濯ネットか木綿の袋などに(2)を入れ、何度も振って水気を取ります。
(カビの原因になるので、しっかり水気を取りましょう。)

(4)アク抜きをします。
ボウルに(3)の赤じそを入れ、塩の半分を振り入れて馴染ませながら揉むと、
カサが減って、濁った紫色のアクが出てきます。
これをきつく絞ってアクを捨てます。

(5)アク抜きをもう1回行います。
(4)が破れないようにそっと解してから、残りの塩を振り入れ、
押すように揉んでいくと、前回よりもきれいなアクが出ます。
今度もきつく絞ってアクを捨てます。

(6)発色します。
塩漬けしている梅から白梅酢を分量だけ取り出して、(5)に加えて
揉み解していくと鮮やかな紅色に発色します。
(赤じその色素であるシソニンが白梅酢の酸に作用するため。)

(7)酢を加えます。
塩漬けしている梅に(6)の赤じそを隙間がないように平らにのせてから、
残りの赤く発色した酢を加えます。

(8)中ぶたと重石をのせて冷暗所に保存します。
時々カビがないか確認することが大切です。


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梅干を土用干しする意味とやり方

梅雨が明けたら天気予報を確認し、晴天が3日3晩続くときに土用干しを行います。
その年の天候やタイミングによっては8月までに出来ないこともありますが、
9月に入ってから干しても間に合います。

もし天気予報が外れて途中で雨が降ったら、その前に取り込んでおき、
晴れたらその分余分に干しましょう。

【土用干しの意味】

・太陽の強い熱で殺菌する
・余分な水分を蒸発させて保存期間を長くする
・皮や果肉を柔らかくする
・風味豊かにする
・色鮮やかにする

【道具】

・ザル(出来れば竹製)
・ザルをのせる台(ダンボールやブロックなど)
・ボウル
・容器(赤じそ、赤梅酢、梅干しをそれぞれ入れるもの)

庭が狭い場合、下に台を置いてその上にザルを置くのが難しいですよね。
その場合は、ザルに紐を4本つけて、S字フック等で物干し竿から吊り下げましょう。

【1日目】

・赤じそは汁を絞って取り出して保存瓶に入れます。
・梅をザルに並べて直射日光に当てます。
・容器の梅酢も直射日光に当てます。

1日目だけは梅の皮がザルにつきやすいため、日中に一度裏返します。
夕方4時頃に、赤梅酢が温かいうちに梅を容器に戻します。
このまま翌朝まで梅酢に漬けておくと、皮がとても柔らかく仕上がります。

【2~3日目】

・梅を取り出して再度干します。日中一度裏返ししますが、そのまま夜露に当てます。
(3日目も日中一度裏返しして夜露に当てます。夜露に当てることで皮や果肉が更に柔らかくなります。)
・梅酢を漉して保存瓶に入れます(2日目)。

【4日目】

梅をつまんで、果肉が皮から簡単に離れるようならOKです。
干しすぎると干乾びてしまうので朝のうちに状態を確認してOKなら
乾燥防止のため密閉容器に入れて保存しましょう。

※土用干しは夜露に当てることで柔らかさが増すという作用がありますが、無理な環境の場合は取り込んでも構いません。

 

【道路の交通量が激しい場合は干しても大丈夫?】

都会で家の前の道路交通量が激しい場合は排気ガスも多く、せっかくの梅を天日干しするのは問題がありそうです。
ですので、こんな場所では土用干しをしないで梅漬けのまま保存して食べる方法をおすすめします。
他にも、雨続きで土用干しができない場合も梅漬けがおすすめです。

梅漬けの場合、梅酢が梅の上まであがった時点で重石を軽くして冷暗所で保存します。
干さないため、梅干しよりも保存期間は短くなります。
ちなみに、赤じそは梅を黒くする作用があるため梅漬けと別にして冷暗所で保存して食べましょう。

梅干の作り方でカビ予防と対処方法は?

長期間漬け込む場合に心配なのがカビです。
特に、梅雨で湿気の多い時期に漬け込み、気温も高くなるなど
カビが増殖しやすい環境になると、水気が拭き取れなかった等があると
カビが生えやすくなります。

【カビの予防方法】

カビが発生しないようにするには次の3つが大切です。
(1)決められた分量で作ること(減塩梅干しはカビやすいのでここではご紹介していません)
(2)水気をしっかり拭き取ること
(3)梅が梅酢に漬かって空気に触れないこと(梅酢表面にラップを密着させるのがお勧め)

また、梅を漬け込む時期の気温が高い場合はカビが生えやすいので
大きい容器にまとめて保存するのでなく、大きめのジップロックを使って
冷蔵庫で保存するほうがカビにくいです。
ただ、量によっては冷蔵庫スペースがたくさん必要ですのでご注意ください。

【梅の一部だけ・梅酢の表面に塊で浮くカビは?】

カビが生えたのが梅の一部だけの場合は、カビた梅だけをそっと取り除けば大丈夫です。
もし他に白梅酢があったらこの容器に少し足しましょう。
また、梅酢の表面に塊で浮かぶカビも(梅酢の下の方が濁っていなければ)、
表面のカビをきれいに取り除けば大丈夫です。

【梅酢が全体的に濁っている場合】

(1)梅や紫蘇を取り出して、流水で洗い流してから35度の焼酎で再度洗います。
(2)梅酢をふきんで漉してから一煮立ちさせて冷まし、
容器も熱湯消毒て乾かしてから、再度梅酢と梅を入れて漬け直します。

まとめ

梅干しの作り方は難しくありませんが、カビ予防のために
計量をきっちり行い、水気を拭き取り乾かす時間が必要なので
のんびり待ちながらの作業になります。

でも、大きかった梅がしっとりして乾燥し、小さくなる様はとても興味深いし
完成して食べる喜びは手作りだからこその味わいを得られます。
時間に余裕があれば、ぜひ梅を買って梅干し作りを楽しんでください。

■梅を使ったレシピは他にも色々あります。
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