子供の夏休みの宿題で読書感想文が出る学校は多いですよね。
でも、国語が苦手で読書も嫌いな場合は、ただでさえ文章を書かせるのが大変なのに、本を読ませてその感想を原稿用紙3枚も書かなきゃいけないとなると、夏休みの最後に親に泣きついてきそうな気配がする・・・
こんな家庭は非常に多いでしょう。
今回は、こういう事態を避けて、子供のやる気を引き出すためにはどうしたらいいか、また、読書感想文の本の選び方や読み方についてお話しします。
■読書感想文の書き方はこちらをご覧ください。
→読書感想文の書き方で簡単な構成は?親が手伝う場合の注意点は?
読書感想文でやる気にさせるコツ
読書感想文が苦手な理由は子供によって様々ですが、
・本を読むのが嫌い
・文章を書くのが嫌い
・感想だけで原稿用紙3枚も書ける訳ない
・たくさん書くと手が疲れる
・感想が思い浮かばない
・お手本のような感想が出てこない。ふざけた思いならあるけど・・・
恐らくこのように複数の理由があるでしょう。
ですが、この問題を解決できれば見通しが立って「自分にもできるかもしれない」という気になります。
ですので、ここでは多くの人が感じているであろう問題について考えていきます。
1.「原稿用紙3枚も書けない」不安
小学生の場合は400文字詰め原稿用紙3枚程度(1200文字)が目安で、その場合の構成は次のバランスがおすすめです。
書き出し・・・200文字(半ページ分)
感想1・・・400文字(1ページ分)
感想2・・・400文字(1ページ分)
まとめ・・・200文字(半ページ分)
このようにすると、どの程度書かなければいけないか見当つきますよね。
そして、書き出しは本を選んだ理由などを書くだけですし、まとめは最後に全体的に考えて書くことなのであまり難しそうに感じなくて大丈夫でしょう。
とすると、「感想1」と「感想2」の計2枚分を書けるかどうかになります。
読んだ本について、大きな山場で最低2つ、どこか気になる部分を見つけたら何とかできます。
また、感想が思い浮かばない場合は、自分が本の主人公になった気分でどう感じるか、ということを考えればあっという間に文字数が埋まるものです。
見通しが立つようにこのような話をしてみると、子供の不安が少しずつ解消できて意欲が出てきます。
2.お手本のように書けない。ふざけた事は感じたけど。
読書感想文コンクールで入選するお手本のような感想文を参考にする必要はありません。
文章苦手な人にはお手本みたいな感想を書くのは無理だからです。
「感想」と「感動」は本来違うのですが、多くの人は「感動」を書く必要があると思い込んで読書感想文の敷居が高いと感じているのです。
感想文は「感想」を書くのですから「感動した!」と伝える必要はないし、おちゃらけた感想だって、感想の1つなのです。
ふと感じた些細なこと、ちょっと変だな、と子供が思ったことを本人に自覚させて、筋道立てて文章にすればオリジナルの感想文ができますよ。
3.たくさんの文字を書くと手が疲れる
低学年の子供に多いのですが、身体の筋がしっかり出来ていないため、文字を書くときに手や指、体全体まで力が入ってしまい、少し文字を書くだけで疲れてしまうケースがあります。
その場合は、普段2Bを使っているのであればもう少し濃い鉛筆を使うようにしましょう。
また、六角形よりも三角形がおすすめです。
我が子の場合は特に筆圧が弱いため、三角鉛筆に変えたところ非常に楽に書けるようになりました。
読書感想文の本の選び方は?
読書感想文では、
・子供が興味ある分野
・最後まで読める分量(長すぎず、短すぎず)
この2つが非常に重要です。
長い本を最後まで読むのは大変ですが、逆に短かすぎるのも大変です。
というのも、短い本は内容が凝縮されているのですが、逆にいうと、「説明が丁寧でないため理解しづらい」ケースが多いからです。
読書感想文コンクールには低学年、中学年、高学年向けということで4冊ずつ分野の違う本が選定されているのでこの中で興味がある分野があればそれを読んでも良いし、お子さんが本屋で手に取って「興味がありそうな話みたいだし、最後まで読めそうだな」と思った本を選びましょう。
そうそう、「めちゃくちゃ感動した」という本でなくて大丈夫というか、むしろ「ソコソコ面白かった」程度のほうが、文章は書きやすいです。
というのも、感動しすぎると、「とても素晴らしい本で感動しました!」の一言で終わってしまって、続きが書けなくなる可能性が高いしめちゃくちゃ感動するような本を探すと、その労力だけで夏休みが終わってしまう危険もあるからです。
本はあまり深く追求せずに「ちょっと気になって手に取ってみた」程度で、最後まで読めればOKという次元で選べば問題ありません。
読書感想文の本の読み方は?
1.親子で読む場合
読書が嫌いな子供の場合、よほど興味のある内容でない限り最後まで読破するのは難しいかもしれません。
ですので、小学生の場合はお母さんが読み聞かせしてあげるほうが良いでしょう。
(長い場合は数日間に分けて少しずつ読みましょう。)
読み聞かせで大事なのは、一区切り毎に子供がどう感じたかを聞き出してメモすることです。
聞き出すためのインタビュー例を挙げるので、これを参考にやってくださいね。
【お子さんへのインタビュー例】
・なぜこの本を選んだの?
・どんなお話だったかしら?
・面白かった場面やセリフはどの部分?それは何故?
・登場人物で誰が一番気に入った?どんなところが気に入った?
・(本の出来事を具体的に話して)自分がこんな場面に出会ったらどうする?
・読む前はどんな話だと思ってた?読んでみて、思ってたのと違ってた?
・一番心に残ったのはどの部分?
・結末はこうなったけど、どう思った?
本を読む、話を聞くだけではイメージが膨らまなくても、お母さんと会話をすることで、子供の意識が自発的になりイメージが膨らみ、感想が思い浮かびやすくなります。
【主人公の気持ちが理解できない場合は?】
「この時の主人公の気持ちはどんなだったんだろう?」という聞き方だと分からない子供もいます。
ですので、「自分が主人公と同じ体験をしたらどんな気持ちになるのか」と、あくまでも自分自身の体験を想像して感じさせるほうがやりやすいです。
2.子供が一人で読む場合
子供が一人で読む場合、最初は慣れないため「感想なんて思い浮かばない!」ということになりますが、話を読んでいると様々な場面でモヤモヤと言葉にならない思いは浮かんでいるものです。
ですので、
・何か感じた部分、気になる部分にポストイットをつける
・「かっこいいな」「素敵だな」と感じたセリフをメモする
読みながらこのような作業をさせるようにして、子供の心に話を焼き付けるようにしましょう。
(何もしないで読ませると「読み流し」になってしまい話が心に残らないことが多いのですが、メモをすると心に残るものです。)
最後までつけたポストイットやメモの量が多ければ、次の感想文を書く作業にそのまま進みますが、これが足りない場合は上の「インタビュー例」の内容をお母さんがインタビューしながら、本の内容を振り返る作業を親子でやっていきましょう。
さいごに
読書感想文の裏技としてよくあるのが、本の巻末にある、あらすじ、あとがき等を参考にして感想文を書くという方法です。
でも、これは感想文を書くための1つのテクニックですし、読書感想文を通じてお子さんが本に親しむ目的の場合はおすすめしません。
本嫌いの場合は全て子供に任せてしまうと何をどうしたらいいのか分からず困ってしまうので、必ずお母さんが読書感想文を書くことについての見通しを立ててあげ、子供の興味のある本を一緒に読みましょう。
この方法だと時間はかかりますが、親子の会話をすることで子供の考える力も伸びるし、苦手だった本や作文も少し好きになるかもしれません。
読書感想文の課題は楽しみながらやり遂げましょう。
■今回書き出したメモは次の「書き方編」で使います。
→読書感想文の書き方で簡単な構成は?親が手伝う場合の注意点は?
コメント