喪服にネックレスは必要かご存知ですか。
また、その他のアクセサリーとして、ピアスやイヤリングは必要でしょうか。
今回は、喪服に合わせるものとして真珠がありますが、色は白と黒のどちらが正式なマナーかなど、葬儀におけるアクセサリーについてお話しします。
喪服にネックレスは必要?
弔事のアクセサリーとしては、結婚指輪や婚約指輪は身に着けても問題ありませんが、その他については次のようになっています。
1.和服の場合
アクセサリーは身につけないのが基本なので、弔事の場合は2つの指輪以外は一切身に付けません。
2.洋服の場合
洋服の場合は一般的には「一連の真珠のネックレス」がマナーとされていますが、よく調べてみると2つの見解があり、女性なら誰しも迷うようです。
(1)真珠のネックレスは必須という見解
欧米のマナーにおいて、厳粛な儀式においてノーアクセサリーは失礼にあたるという考え方や、男性のスーツでネクタイがあるように、女性はパールがあるという考え方があります。
この場合、身につけていないと「ネックレスさえ買えないの?」と非難される可能性もあります。
また、年配者にありがちですが、パールネックレスが数珠と同じ扱いと思い込んでいる人も多いです。
(2)真珠のネックレスは任意(無理につける必要はない)という見解
日本は元々和服文化であったし、アクセサリーをつけないのが基本でした。
今では正装をする場となっており、お洒落をするところと勘違いしているようですが、弔事においては遺族への思いやりを持って故人を見送るのが基本なので、何事も控えめが大切という考え方もあるのです。(結婚指輪や婚約指輪以外は一切身に着けなくても相手に失礼ではないという解釈です。)
地域やその家の風習、考え方によって千差万別なので正解は1つではありません。
必ず姑やご主人に相談して、その家の風習に合うアクセサリーを用意しておきましょう。
なお、身に着ける場合、二連真珠は弔事の場合に「重なるのは良くない」とされるため避け、一連にします。
喪服のアクセサリーとしてピアスやイヤリングは?
よく宝石店では真珠のネックレスがイヤリングの2点セットや、数珠を加えた3点セットで販売されているので、ネックレスをつけるならイヤリングもつけるのがマナーだろうと思い込みがちですが、実はマナーではなく、セットで売ったほうが儲けが多いから、という単純な理由でセットにしているようですね。
そもそも、弔事においては華美な印象を与えてはいけないのに、ネックレスとイヤリングを両方してしまうとすごく華やかな印象になってしまうので両方を身に着けるのは避けたほうが良いでしょう。
イヤリングのデザインが1粒のシンプルな物だとしても、ネックレスとセットだと煌びやかなのですよね。
ちなみに、ピアスはNGという見解が多いようです。
イヤリングを身に着ける場合、
・土台に1粒付いただけのシンプルなもの(下がるタイプはNG)
・金具は金色でなく銀色にする
以上2つに注意しましょう。
ただし、冠婚葬祭については上でもお話しましたが、ローカルルールがあるので注意しなければなりません。
私は、葬儀で両方をつけるのは故人や遺族に対して失礼という考えが絶対的なものだと思っていましたが、3点セットを揃えて嫁入りするのが当然(葬儀のときに身に付けるのも当然)という地域もあるのだそうです。
ですので、これから買う場合には特に、イヤリングのセットも必要かどうかを姑に確認しないといけません。
喪服のアクセサリーは黒真珠が正式なの?白色は?
真珠の由来は?
ところで、喪服のアクセサリーは、今では真珠が一般的になっていますが、実はモーニングジュエリー(mourning Jewelry・弔事において身に付ける宝石※)としては真珠は入っておらず、次の3つなのです。
・ジェット
・オニキス
・黒珊瑚
※「モーニング」はmorning(朝)ではありません!
真珠が喪服のアクセサリーとして認められるようになったのは、現在のイギリスのエリザベス女王が葬儀に参列する際に真珠を身につけたのが始まりとされています。また、真珠は悲しみに沈んだ中で「清い涙」を意味するため許されたからという理由があります。
真珠の色は白と黒のどっちが良いの?
モーニングジュエリーが黒色だからか、真珠の場合も白でなく、葬儀の場で目立たない黒真珠が正式だという考え方もあるようですが、私の住む地域では、黒真珠は白真珠よりも高価ですし、光沢もあり、すごく派手な印象なので葬儀の場では相応しくないとされています。
以前の記事でお話ししましたが、日本の喪服のルールは皇室に倣っているところが大きく、皇后様が一般の葬儀に参列される際は白真珠を身につけていたため、どちらかを身に着ける場合は白真珠のほうが無難だと思います。
それに、白真珠のほうが黒真珠よりも用途の幅が広く、結婚式から葬儀まで様々な場面で使うことが可能です。
どちらにしても安物を買うと安っぽさが分かってしまうため、ある程度の値段は必要です。
きちんとした値段の良い真珠を1つだけ購入して様々な用途で使うというのが理想ですよね。
ですので、白真珠のほうがおすすめです。
【葬儀用アクセサリーを購入する場合の注意点】
・葬儀用に1つ購入するなら白真珠が無難(使い回し可能なため)
・大粒でないもの(7~8mm程度)
・一連ネックレスで長くないもの
・形は真円に。
まとめ
身だしなみについては和装文化だった日本に、洋装文化の欧米から入ったマナーが入り、特にこの数十年で変化しました。
そして、「身に着けるのがマナー」「悲しみの中飾るのはあり得ない=身に着けないのがマナー」という真逆の見解があちこちに広まっているため、どちらの見解が正しいのかは地域や家によって全く異なります。
そのため、家の姑や夫などに必ず確認しておくことが大切です。
いずれにせよ、身だしなみも大切ですが、それよりも大切なのは故人を悼む気持ちです。
家のやり方を教わってそれに従うのですから、それに対する周囲の騒音は気にせず誠意を込めて故人を見送りましょう。
葬儀や法要のことで分からないことがあったら他にも記事があるのでご覧ください。
→葬儀法要等で恥をかかないための知識集~目次
コメント
カトリックでは遺族はノーメーク、ノーアクセサリーでベールで顔を隠します。
私は、他所の葬儀に参列する時も、アクセサリーは着けません。硬化粧(紅を使わない)で、長い髪は黒いゴムで一つに縛ります(これは韓国の習慣ですが)。編んだり、結ったりしません。
婚約指輪はルビーでも着けます(気になる人は石を手のひら側に)。
西洋式の喪装は、カトリックに準じるべきだと思っています。
ただ、義理だけで参列する時は、普段の化粧と髪型、地味なアクセサリー(パール以外)を着けます。
佐藤玉江さま
コメントありがとうございます。
お返事が大変遅くなって申し訳ございません。
カトリックの葬儀のマナーを教えていただきありがとうございます。
キリスト教でもカトリックとプロテスタントではマナーが色々異なるのですね。
大変勉強になりました、ありがとうございました。