マイコプラズマ肺炎は4年に1回流行すると言われたことから「オリンピック肺炎」と呼ばれたこともあるのですが、最近は毎年流行るようになっているようです。
昨年冬に我が子も初めて罹り、1ヶ月以上大変でした。
今回は、マイコプラズマ肺炎の症状や治し方、学校の登校停止期間についてまとめました。
マイコプラズマ肺炎の症状や特徴は?
マイコプラズマ肺炎の主な症状や特徴は次の通りです。
【マイコプラズマ肺炎の症状】
- 高熱(37度~39度以上)
- 喉の痛み
- 咳(乾いた咳から痰が絡んだ咳まで)
- 鼻水、鼻づまり(出ないこともある)
咳は発熱の後に出始め、熱が下がっても1ヶ月近くしつこく続くことが多く、喘息がある場合は喘息が悪化して呼吸困難になることもあります。
乳幼児の場合は重症化しないケースが多いのですが、小学生以上がかかると肺炎になるケースが多いです。
【マイコプラズマ肺炎の特徴】
- 潜伏期間・・・感染から発症まで約1~3週間。
- 流行期間・・・秋から冬に多い。
- 発症年齢・・・8~9歳が非常に多い。
- 感染形態・・・飛沫感染(痰や唾液、咳)。
- 流行場所・・・学校等での感染が多い。
【マイコプラズマ菌について】
マイコプラズマ肺炎やマイコプラズマ感染症は、マイコプラズマ菌による感染が原因です。
この菌の大きさはウイルス以上細菌未満で、次の2つの特徴があります。
- 人の細胞だけでなく栄養がある場所ならどこでも増殖する
- 炎症の多くに効果的なペニシリン・セフェム系の抗生物質は無効(菌組織に壁が無い為)
マイコプラズマ肺炎の診断と治し方 我が家のケース
マイコプラズマの診断について
マイコプラズマ肺炎の診断は主に血液検査で行われるのですが、検査判定を外部委託する医療機関が多く日数がかかることや、子供の場合は採血を怖がるケースもあるため小さい病院では行わないこともあります。
また、レントゲンによる診断もありますが、経験豊かでないと判定が難しく、正確な判定を出すには血液検査が確実です。
血液検査では、白血球(炎症を示すCRP)の上昇が殆どないのも特徴ですが、最終的にマイコプラズマ肺炎の抗体検出による判定になります。
レントゲン撮影による診断では、マイコプラズマの場合は一般的な肺炎と違い、肺炎を示す白い影が淡いケースが多いのが特徴です。
また、肺炎に至らないで上気道炎や咽頭炎、気管支炎だけで、肺のレントゲンでは正常値という、「マイコプラズマ感染症」にとどまるケースもあります。
【我が家の場合の診断】
我が家の場合は、町の小児科に通ったのですが、血液検査やレントゲン検査を行わずにマイコプラズマ診断を下されました。
なぜ検査していないのにマイコプラズマ診断が出たのか医者に尋ねたところ、
「熱が下がっても咳が止まらないし、ペニシリン系の抗生物質が効かないから」
という単純な理由でした。(それだけではないのかもしれませんが、医者からはそれしか言われませんでした。)
その当時、子供の通う小学校でマイコプラズマ肺炎に罹る子供が非常に多かったのも理由の1つでしょうけど、「抗生物質が全く効果ないので」というのもマイコプラズマの特徴なのだなあ、とびっくりしたものです。
そして、血液検査はやっても結果が出るまで日数かかるし、他の薬が効果がないからマイコプラズマと診断して合う抗生物質を処方するほうが早く治るからね、と言われました。
実際に、診断名がついたのは発熱から2週間経過したころで、とっくに熱は下がって元気になっているのに咳だけ酷くて、特に夜寝入りばなが大変で、うとうとした頃に咳き込みが酷くなり眠れない、ということが毎晩でした。
マイコプラズマの治し方
病院に行くと抗生物質が処方されます。
抗生物質の種類はマクロライド系が有効とされていますが、近年はマイコプラズマ菌の耐性が出来たのか、効果が出ないケースも増えてきており、その場合はテトラサイクリン系やニューキノロン系が使われることもあります。
(風邪をひいた場合は通常ペニシリンやセフェム系を処方するのですが、これらは効果がありません。)
抗生物質以外では、熱や咳を抑えるための対症療法が行われます。
処方薬を飲む以外では、水分を十分に摂って安静にして体力の回復を図りましょう。
【我が家の場合の治療方法】
我が子の場合は抗生物質を飲むと胃腸がダメージを受けるので飲みたくないと言っていたのですが、マイコプラズマの場合は菌が非常に強く咳などが長引くことから抗生物質と一緒に整腸剤を飲むことで副作用のケアをしました。
(抗生物質を飲まないで治すには体力の回復が必要であり、マイコプラズマの場合は菌が非常に強いため飲まないという治療は勧められないそうです。)
でも、マイコプラズマと診断されてからも薬を飲みましたがなかなか治らず、咳が完全に治ったのは1ヶ月過ぎたあたりでした。
マイコプラズマ肺炎の登校停止期間は?
マイコプラズマは飛沫感染しますが、今現在はインフルエンザのように登校停止にはなりません。
学校保健安全法では学校感染症の第三種に指定されていますが、登校停止期間は
「病状により学校医その他の医師において伝染のおそれがないと認めるまで」
という曖昧な記述だけで、かかりつけ医と学校の担任に尋ねたところ、
「熱が下がれば登校させてOKです」
と言われました。
(ちなみにインフルエンザは第二種なので、「発症した後5日を経過し、かつ、解熱した後2日を経過するまで」と具体的な記載があるのです。)
恐らく、マイコプラズマの場合は飛沫感染するとはいえインフルエンザのような強い感染力はないことや、症状として1ヶ月くらい咳が続くし、元気な場合は薬を飲まなくても自然に治るケースもあり、罹ったことを気付かないで治る人も多いからかもしれません。
【我が家の場合の学校出席欠席判断について】
我が子の場合も、それを受けて「熱が下がったので大丈夫だろう」と学校に通わせたところ、数日間するとぶり返したのか、熱は出ないけど咳が酷く止まらなくなる症状が出たため再度数日間欠席して自宅で安静にし、その後また登校させ、ぶり返して、という繰り返しでした。
(咳が出なければとても元気で家にいるのが辛くなるくらいなのです。熱やだるさが出るなら休ませたのですが、とても判断が難しかったです。)
さいごに
さて、マイコプラズマの場合はインフルエンザと違って予防接種はありませんし、予防方法は「手洗い」「うがい」などにより、マイコプラズマに罹っている人とあまり接触しない以外ありません。
ですので、逆にいうと、マイコプラズマに罹ったら必ずマスクをして、咳やくしゃみが出る場合はマスクやティッシュなどで周囲に菌が飛ばないように防ぐことが大切です。
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