小さい子供というのは歯医者さんを怖がることが多く、どこの歯医者に行ったら良いのだろうと悩むお母さんは案外多いようですね。
我が家でも、子供が歯医者さんを必要以上に怖がって、学校の歯科健診でも怖がって健診を受けるのが大変でしたし、歯科治療では暴れることや、口を開けるのさえ拒んで治療できない、という状況に陥り、歯医者さんを困らせたこともよくありました。
そして、あちこちの歯医者さんでお断りされたり、怒られたりして、母である私も肩身が狭い思いをしたこともありました(´;ω;`)
ですが、ようやく、「ここの歯医者さんなら信頼できる!安心!」というところに巡り合えて、自分から診療台に行って座るようになったのです。
今回は、子供の歯医者さんの選び方について我が家の経験を元にお話しします。
子供が歯医者を怖がる場合はどうしたら良いの?
子供が歯医者さんを怖がる場合、子供に向き合ってくれる歯医者さんを選んだ方が良いです。
我が家では、お恥ずかしいのですが、子供が小さい頃は勉強不足で「歯医者さんなんて大差ないだろう」とあまりにも無知な考えを抱いていました。それに加えて子供が非常に怖がりだったため、あちこちの歯医者さんを転々とするようになってしまいました。
最初に定期健康診断を受けた歯医者さんは、家の目の前にある歯医者さんでした。その歯医者さんは、体が大きくて声が怖くて、それだけで子供が怖がって口を開けようとしませんでした。
そして、しびれを切らした歯医者さんには、
「もし虫歯になったら、これじゃあ治療が出来ないよ。大学病院で全身麻酔しないと無理だね!」
と言われてしまったので、ここの歯医者さんだと難しいだろうと考えて別の歯医者さんを探すことにしました。
そして、次に行ったのが、自宅から10分のところにある「○○ファミリー歯科」という、子供にも優しく対応してくれるだろうと想像して行った歯医者さんでした。優しそうな雰囲気で温厚だし怒らないし・・・という理由です。
ですが、子供はやはり、口を開けて診察してもらう段階で苦労しました。なかなか口を開けることが出来ませんでした。子供に聞いたところ、
「口を開けて、ミラーを口に入れられるのが怖い!」
ですって。。。
鏡を口に入れるだけで怖がるって、どんだけ怖がりなんでしょうね(ノД`)・゜・。
仕方ないので、母も一緒に診察予約をして、「母が診てもらっているんだから大丈夫だよ」というのを間近で見せたのですが、1年以上通っても、口を開けるところまでは大丈夫になったけど、ミラーを入れることが出来ずに挫折しました。
そして、次に行ったのが、障害者歯科です。
地域によって異なりますが、今は地域毎に障害者歯科を設けている自治体が多いようですね。我が家で住んでいた地域も、地域の歯医者さんが月1回当番制で勤務しているところで、初診で担当になった歯医者さんと歯科衛生士さんがセットでずっと担当してくれることになります。
なので、障害者歯科とはいっても、神経過敏な子供なら受付してくれるようです。(我が家は発達障害があるので問題ありませんでした。)
この歯医者さんに出会ってようやく歯科治療というのを受けられるようになりましたが、普通にいろんな器具を使えるようになるまで約1年間かかっております。
先ずは、歯医者さんの器具を口に入れるのに慣れる、ということで、ミラーを入れる、自分で歯磨きをする習慣をつける、歯磨きをしてもらう、バキュームを入れる、水を当てる等、月に1回ずつ地道にトレーニングしていくのです。
さすが障害者歯科!と思ったのは、1つ1つ言葉にして、クドいくらい手順通りに説明してくれるのですね。絵カードで見せてくれたり、タブレットで虫歯になったらどうなちゃうのか、などグロテスクな画像を見せてくれて子供が「歯磨きしなきゃ大変なんだ!」「虫歯を直さなきゃもっと痛くなってしまうんだ!」と実感して、歯医者さんに診てもらうことの大切さが恐怖心に勝るよう誘導してくれたのです。
そして、分かりやすい説明方法だけでなく、出来た時の褒め方も非常に参考になりました。1回1回目標を立てて、こうやれば怖くない、という説明をしてくれて、ドキドキしたけど頑張って出来た、という時に気持ち良く褒めてくれるのです。
よく「子供は褒めて育てる」と言いますが、子供が出来なくても大人にとっては簡単なことだと、なんだか褒めにくいのですよね。どうやって褒めたら良いのか?と悩んだり、それって褒めるべきこと?と感じたりして忘れがち。でも、それを素直に「目標が出来たから」ということで褒めてくれるので、「ああ、なるほどなあ、こうやって子供って育てるのね!」と子育てについて母親として学ぶことができるのですよね。
そして、この歯医者さんには約3年お世話になったのですが、虫歯治療で歯を少し削ったり、麻酔による抜歯、麻酔無しの抜歯(グラグラしていて抜ける寸前だったため)まで出来るようになりました。
ですが、残念なことに、遠くに引越しすることになり別の歯医者さんを探すことになりました。この障害者歯科の対応が良かったので、次に住む場所でも同じような障害者歯科を探していこうと考え、紹介状を書いてもらいました。
ところが、引越し後に地域の障害者歯科に予約の電話をしたところ、非常に混雑しており予約可能な日付が約2ヶ月先となってしまいました。子供は虫歯治療の途中のまま引っ越してしまったため、早く治療してもらえるところが良い・・・ということで、別の歯医者さんを探すことにしました。
子供の歯医者さんの選び方は?
怖がるような子供の場合の歯医者さんの選び方で大切なのは、やはり子供が怖がらない人物というのが第一条件ですよね。
障害者歯科の場合、引越し前に住んでいた地域のように地元の歯科医が集まって運営しているようなところもあり、その場合は大勢いるから一人くらいは相性の良い先生もいるに違いない!という発想で総合病院で障害者歯科のあるところをまず最初に探したのですが、歯医者といっても専門が色々あるので、うちの子供を診てもらえるところが見つからず苦労しました。最終的に、近くの総合病院だと難しいということになり、個人病院を探すことにしました。
そして、あちこちネット検索して電話した結果見つけたのが、家からバスで行く個人の歯医者さん。とはいえ、個人病院だと大抵の場合先生は一人ですから、子供に絶対に良い対応をしてくれる人でないと無理。
ということで、先ずは子供にどんな対応をしてくれそうか、電話で反応を見ることにしました。
「障害者歯科をやっていると聞きましたが、うちの子供は怖がりで神経過敏で、口を開けたり歯を削る場合にきちんと説明しないと
怖がって出来ませんし、ちょっと物が当たっただけで痛いと大騒ぎする可能性もあるのですが、そういう子供でも診てもらえますか?」
というようなことを聞いて、
「大丈夫ですよ、一度診てみましょう。もしこちらでの治療が難しければ、全身麻酔の出来る大学病院に紹介状を書きますので。」
と言われたので一度診察してもらうことにしました。(駄目だったら二度と行かなきゃいいんだしね!という発想です。)
そして予約した日時に行って診察してもらったのですが、すごく対応が良くて驚きました。歯科衛生士さんの対応も良かったのですが、何よりも歯医者さんの対応と技術に脱帽しました!
子供の歯医者さん選びのポイント 我が家の場合
子供の歯医者さん選びで何が良かったかというと、色々あるのですが、主に次の4つがあります。
(1)見た目の安心感~清潔感のある室内と最新の機械の存在
開業して数年の歯医者さんでしたが、建物内のデザインがオシャレで清潔感があり、歯医者さんの設備も最新の機械が入っていて、きちんとしているんだな、という印象でした。
うちの子供は極度の潔癖症なので、今まで通っていた歯科医院と比べてきれいだったし、歯科以外の病院との比較をしても格段にきれいだったため、もの凄く感動していました。でも、見た目だけじゃ全然アテになりませんよね。
じゃあ、中身はどうなの?と思っていたら、受付にあったパンフレットに「最新の機械を導入して・・・」と書かれているのを子供がしっかり読んで、
「へー、機械も新しいんだって!」
診察室に呼ばれて、先ず診察台がきれいか、機械や診察に使うトレイの周辺をチェックしていましたよ。
小学校5年生がそこまでチェックするんだ・・・と呆れて見ていましたが(;・∀・)
最新式の機材だからどうなの?(良い機材が揃っていても肝心なのは歯医者さんの技術でしょ?)と思っていましたが、診察を受けるにつれ、最新式だからこそのメリットというのも感じました。
というのも、
- レントゲン室がきれいで怖くないので子供が一人で撮影されても怖さを感じなかった
- レントゲン撮影の際に口の中に何も入れずに撮影できるので心理的な負荷がかからない
- 麻酔が全然痛くない
ということがあったのです。
※麻酔については別記事(歯科で子供に麻酔をする場合怖がりでも大丈夫?痛くない方法は?)に詳しく書いてあるのでご覧ください。
見た目のきれいさ、最新式機材というのは歯医者さん選びのポイントとは考えていませんでしたが、今回、子供が歯科治療に対して恐怖心を全く抱かなかったため、こういう部分をチェックするのも大切なことかもしれない、と実感しました。
(2)歯医者さんが子供目線で話して緊張を解してくれる
今回素晴らしい、と感動したのが歯医者さんの子供に対する話し方でした。
まず、子供の目線で話してくれるんですね。親でなく、まず子供に柔らかい声で子供に話しかけてくれて緊張しないよう説明してくれました。気になっている箇所について子供の心配を全て聞いてくれ、後で母に詳細を確認するという感じで、子供が理解しやすいよう、ゆっくりやり取りしていました。そして、うちの子供は人見知りなのに、数分間ですっかり打ち解けてしまったのですΣ(゚Д゚;)
だから、診察台に平気で座れたし、診察台が高く動いて頭の部分が下がるのも嫌がらなかったし。(今まで診察台が高くなるのは大丈夫だったけど、頭の部分が下がるのは怖いため拒否していたのです。)
そして、初めての歯医者さんだから口を開けることが出来るかと心配していたのですが、あっさりクリアー!
診察初日からレントゲン撮影したり、虫歯治療もできました。
最後には、
「先生とお約束しよう、第一大臼歯やその奥は虫歯になりやすいから、しっかり歯磨きしようね!」
と子供に言いつつ、しっかり「指切りげんまん」して握手したりして。
うちの子供とここまで仲良くなれるお医者さんは初めてで、本当に驚きました。
そして、診察終了後、待合室に戻った途端に子供が、
「すごーくこの先生、良かった!今までで一番だね!」
と大きな声で言ってしまい・・・。高評価だったので良かったけど、それを見ていた受付のお姉さんにも微笑まれたし、きっと診察室にも丸聞こえだろうし、すごく恥ずかしかったです。
そして、次の診察日には、グラグラしている歯を抜くことができました。抜歯は信頼できる歯医者さんでないと無理なので、診察2回目で子供本人がやる気になったというのは本当にすごいなあと感心しています。
(3)治療方針が子供に明瞭であること
ある程度物心ついてくると、治療方針を子供に直接説明してくれる方が安心感があるようです。しかも超分かりやすい、1つ1つの手順をきちんと系統立てて説明してくれるし。
今までの歯医者さんだと、大抵傍に付き添っている母に対してどのように治療したら良いかを説明してくれるのですが、この歯医者さんは先に、現状の歯がどうなっているか、大まかな説明を子供にして、細かいことを母に説明してくれるのです。母に説明する前に子供にしっかり説明して、不安を取り除いてくれるんですね。
これも、子供が小さければ親に説明するのが先でしょうけど、うちの子供の場合は本人が分からないと不安になってしまうため、先に子供自身が安心するように説明してくれるというのが有難かったし、すごく上手だなあと感心しました。
(4)治療機材に親しませてくれる
子供の治療の際に、バキュームや電動歯ブラシに触らせてくれて歯科治療を遊びのように感じさせてくれるのです。
また、子供の後に私も治療してもらったのですが、その際、
「お母さんの歯は今こうなっていて、この部分を○○の機材を使って治していくんだよ」
と見せながら治療していました。
自分の歯だとよく見えないので不安なようですが、母親も同じように口を開けて色んな機材を使って治療してもらうことでイメージが具体的になり、歯科治療への恐怖心がなくなったようです。
さいごに
子供に歯科治療を受けさせるのは大変ですが、歯医者さんによって全然対応が違います。
治療が難しい場合はネットでぐるぐる巻きにして動かないようにして治療をする歯医者さんもいるようですが、子供が歯医者さんを信頼できればそんな必要ないのですから。
我が家では子供が半端ない怖がりなので、虫歯治療をする事態になったら全身麻酔しか手段がないだろう、と数前は想像していたのですが、良い歯医者さんに巡り合えて、普通の大人のように治療を受けられるようになりました。
親が「この先生良さそうだな」と感じても、怖がりの子供の場合は親以上にチェックが厳しいので、相性の良い歯医者さんを探すのは大変かもしれません。ですが、最初の選び方というのはその後の治療にかなり影響があるので、最初の段階で色々探してみた方が良いですよ。知り合いに聞くよりも、自分で調べて電話しながら相手がどんな対応をするか等を確認した方が良いかもしれません。
今回の我が家の事例があなたのお子さんの歯医者選びの参考になれば幸いです。
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