冬のダウンコートを家庭で洗濯するのは難しいと敬遠している人も多いようです。
でも、いくつかポイントを押さえれば自分で洗濯できる物も多いですよ。
今回は、洗濯方法や失敗しないコツ、
万が一失敗したとき元に戻す方法などをお話しします。
ダウンコートは家庭で洗濯できるの?
1)ダウンコートについて理解しよう
ダウンコートはダウン(羽毛)やフェザー(羽根)を中に詰めて作ったコートです。
外布の材質は、ナイロンやポリエステルなどが多いのですが、
最近ではウールなどを使った高級なダウンコートも販売されています。
※羽毛(ダウン)~水鳥の胸元のうぶ毛です。放射状の細かい羽毛です。
軽くて大変柔らかくタンポポの綿毛のような形の羽です。
保温性が高いのですが1羽の水鳥から取れるのはごく僅かなので
たくさん入っているほど高級。押さえつけても復元力が高いという長所もあります。
※羽根(フェザー)~羽の軸が中央に通っている固い羽根です。
保温性はあまり高くない反面、通気性が良いという長所があります。
2)ダウンコート家庭で洗濯できるかの判断は?
洗濯表示で「水洗い×」は避けたほうが良いですね。
セーター類は水洗い×でも素材によっては洗えますが、
ダウンコートの場合は外と中に別の素材が使われているなど
セーター類とは全く条件が違うため、失敗して使えなくなると悲しいですし、
お金がかかってもクリーニング屋さんに出したほうが安全です。
特に、ウールのダウンコートの場合は、ウールとダウンフェザーの洗い方が違ってデリケートです。
高級品ですし、家で洗うのは避けましょう。
洗濯するのは、水洗い○(手洗いマークまたは洗濯機マーク)
という表示なっている物だけにしましょう。
ダウンコートの洗濯方法は?
ダウンコートの手洗いにはいくつかポイントがあります。
以下、確認していきましょう。
(ドライマークと手洗いマーク両方あれば問題ありませんが、
手洗いマークのみの衣類は色落ちが激しいことがあるので注意してください。)
(1)洗う前の下準備
洗濯機に入れる前に汚れがないか確認しましょう。
袖口や襟ぐり、裾周りなどは汚れやすいので要チェックです。
もし汚れていたら、おしゃれ着洗剤等の原液を少し薄めて(水2Lに洗剤5ml程度)
柔らかいスポンジに洗剤液をつけて、汚れた箇所を軽く叩き落とします。
硬いスポンジやブラシは生地を傷めたり中から羽が出てしまうので注意してください。
食べ物等のシミは、シミ用の洗剤か液体酸素系漂白剤の原液をつけます。
(2)洗濯方法
手洗いの場合、衣類が大きいので洗濯機かお風呂の浴槽で押し洗いします。
(1)洗濯機にドライ用洗剤と水を入れ、静かに20~30分つけおきします。
(2)軽く数回押して水を抜きます。
すすぎは水で軽く浮かせたり沈めたり程度に動かし、あまり時間はかけずに2回すすぎます。
(3)3回目のすすぎの段階で柔軟剤を入れて10分程度つけこみ、約10秒間洗濯機で脱水します。
(3)干す(乾燥させる)
自然乾燥か、乾燥機なら低温乾燥できる物を使います。
(羽毛はたんぱく質なので高温に弱いです。高温乾燥機はNGです。)
自然乾燥の場合、両手で優しく軽く叩いて、直射日光を避けて暖かい部屋に陰干しします。
ダウンコートを洗濯機で洗えるか?
手洗いは大変だから洗濯機でやりたい人もいますよね。
洗濯機でも洗うことは可能です。(洗濯表示で「洗濯機OK」か確認しましょう。)
ですが、羽毛は水より軽く浮いてしまうため、浮かないように工夫する必要があります。
方法としては以下の2つがあります。
(1)周囲をバスタオルでぐるぐる縛る方法
(2)ネットに入れて最初に水の中で空気を抜いてから洗濯機を回す方法
また、洗濯のコース設定は「手洗い」「丁寧」などを使います。
ダウンコート洗濯失敗でぺちゃんこ。元に戻す方法は?
ぺしゃんこになるのは、乾かす間に羽毛をほぐしておかないのが原因です。
再度水洗いして脱水し、自然乾燥させれば大丈夫です。
次の、ふっくらさせるコツの通りに作業をしてください。
ふっくらさせるコツは
羽毛は水洗いすると、キルティングの中で羽毛が片側に寄り、
そのまま放置するとがっちり団子状に固まってしまいます。
完全に乾いてからほぐそうとするとボロボロに切れてしまうこともあります。
ですので、ふっくらさせるには、必ず濡れている内に羽毛をほぐすことが重要です。
(1)濡れている間に2~3時間ごとに数回次の作業を行います。
ⅰ)固まった羽毛を指でつまんでほぐします。
ⅱ)左右の掌でキルティングを挟み叩いて、中で羽毛が散らばるようにします。
(2)生乾き状態になったら、一度大きく振りさばき、完全に乾くまで放置します。
まとめ
ダウンコートは水洗い可能な洗濯表示があれば家庭で洗えます。
優しく洗い、乾燥させるときにこまめに羽毛をほぐすという
手間が必要ですが、クリーニング屋さんにお願いするよりも安いし
汗などの汚れは家の水洗いのほうがよく落ちるので、
時間があればぜひ挑戦してくださいね。
■洗濯に関する記事はこちらにもあります。
→ドライクリーニングとは?洗濯表示マークと水洗いの基礎知識
→冬物衣類の洗濯は自宅で可能?失敗しない方法は?セーターは?
→学生服の洗濯の仕方は?家で洗う時の洗剤等欠かせない条件は?
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