山で「ヤッホー」と大声を出すとやまびこが返ってきますが、この理由をご存知ですか。
また、やまびこは、こだまという呼び名もありますが、2つの違いをご存知ですか。
今回はやまびことこだまの違いや仕組み、反響しやすい条件と、おすすめスポットで関東についてお話しします。
やまびこ こだま 意味と違いは?
やまびこは「山彦」と書くように、日本の山の神、山の精霊を意味します。
また、山や谷に向かって音を発すると、反響して返った結果、少し遅れて音が聞こえる現象を山の神が応えた声と考えたことから「やまびこ」と呼ぶようになりました。
一方、こだまは「木霊」と書きますが、樹木に宿る精霊を意味します。、
また、やまびこと同じ現象(山や谷に向かって音を発すると、反響して返った結果、少し遅れて音が聞こえる現象)が木霊の仕業と考えた場合に「こだま」と呼ばれていました。
つまり、2つの言葉は全く同じ現象を指すのです。
違いとしては、昔の人はこの音が反響する現象を2通りに解釈しており、山の神が応える考え方が「山彦」であり、樹木の霊が応える考え方が「木霊」というわけです。
ちなみに、似たような言葉で「エコー」がありますが、これは古代ギリシアが起源です。
古代ギリシアでは山や谷に向かって音を発すると反響して音が聞こえる現象について木の妖精であるエーコーが返事をすると考えたことから「エーコー」と呼んでいました。
それが現在の英語の「エコー」になりました。
つまり、やまびこ、こだま、エコーの3つは、言い方が異なりますが全て同じ現象を指すのです。
やまびこの仕組みは?どんな条件がベストなの?
やまびこは、音が山や谷にぶつかって反射するため生じます。
音はボールのような物体と同じように動きます。
ボールを壁に向かって投げるとぶつかって跳ね返ってくるのと同様に、音も山に向かって進み、ぶつかって跳ね返るのです。
やまびこの条件としては、
・ぶつける目標が、硬く大きな山や建物であること
・目標物まで約300mの距離があること
・目標物までの間に何も障害物がないこと
音の速さは1秒あたり約340~350mあるため(気温によって多少誤差があります)、170mの距離だと約1秒で往復して戻ってきます。
やまびこの条件である距離300mの場合、約1.7~1.8秒で往復して戻ることになるため、「ヤッホー!」の最後の音を伸ばさず、「ヤッホッ」と短く切るほうが良いでしょう。(「ホー」と伸ばしてしまうと、その間にやまびこが帰ってくるので聞きづらくなります。)
山だけでなく高いビルでもやまびこは出来ますが、ビルが沢山あると各所で反射が発生するため音が多すぎて聞こえづらいです。
身近で試す場合は、学校の校庭で太鼓を叩いてみると、校舎に当たり跳ね返るので分かりやすいです。
やまびこスポットは関東にあるの?
やまびこが出来るスポットを調べたところ、関東周辺では次のような場所がありました。
ただし、どこの観光地でも観光客はあなただけではないので、周囲の人々に迷惑をかけないように試してくださいね。
(やまびこができるスポットは珍しいので、周囲の人々が試している可能性もありますが・・・。)
・高尾山~陣馬山寄り(もみじ台の階段)
・富士~宝永山(富士宮口からプリンスルートに入って第一火口分岐周辺)
・北アルプス~岳沢(一般ルート上部岩場周辺)
・南アルプス~仙丈岳(南側)
・八ヶ岳~北横岳
やまびこの意外なスポット 関東
・箱根の芦ノ湖
・山梨県の四尾連湖
山や谷だけでなく、湖でもやまびこは可能です。
この2つの湖では実際にやった人がいて、貸しボートで湖の真ん中まで行き声を出すと、大声でなくても「やまびこ」になったという話でした。
更に意外な場所としては、
・新宿の高層ビル街
・江東区~有明西ふ頭公園(東京ビッグサイト。公園から対岸の大王製紙倉庫に向けて)
人通りが多いので試したことはありませんが、東京でもこのような場所で出来るそうです。夜中に人通りがなければ試してみる価値はあります。ちなみに有明西ふ頭公園は過去にフジテレビのTHE BEST HOUSEという番組でやまびこスポットとして紹介されたこともあります。
さいごに
やまびこは、音の反射で出来るのですが、山や谷だけでなく湖や高層ビルなどでも可能です。
機会があったら親子でぜひ楽しんでください。
ただし、周囲の迷惑にならないようにご注意くださいね。
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