蝶が羽化に失敗するケースは時々ありますが、羽化不全で羽が広がらず飛べない状態になると困りますよね。
以前、我が家で育てた青虫が羽化失敗してしまい、どうすれば良いのか飼育方法を調べたことがあります。
青虫は10回以上育てているけど蝶が羽化失敗するなんて初めてだわ!
成虫の飼育方法なんて知らないし、どうしょう・・・。
今回は、成虫の寿命のことや世話の仕方などを含めて、蝶に関してまとめました。
■青虫の育て方等についてはこちらの記事が参考になります。
→青虫の見つけ方は?モンシロチョウの飼い方や蝶と蛾の見分け方は?
→青虫 さなぎから羽化までの期間やなる前の準備は?虫の雌雄区別は?
蝶が羽化失敗したらどうすればいいの?
青虫など蝶の幼虫が蛹になる場合、11月頃だと越冬します。そのため、蛹を冷蔵庫に入れておくという人もいるようですが、我が家の冷蔵庫は狭いのでそんなスペースはなく、寒い外の軒先に、蛹の入った虫かごを吊るしておく方法にしました。
越冬する蝶は通常数ヶ月間蛹のまま過ごすのですが、温かい気温の累積が一定時間以上になると羽化してしまうようです。暖かくなっても短期間でまた寒さが復活する場合は羽化しないようですが、羽化してしまったところをみると、今年の暖かさは異常だったようです。羽化して間もないタイミングで見つけたのは幸いだったのですが、羽が正常に開いておらず、羽化失敗でした。
羽化した日の朝、子供が虫かごを見た時点で蛹の殻が透けていて、羽の色がうっすら見えていたようなので「もしかしたら今日羽化してしまうかも?」と予想していました。でも、2月の三寒四温の気候では、外に逃がしても寒くて直ぐに命を落とすかもしれない。それに加えて羽化失敗だったため、外に逃がしてあげられる状態ではなく、家で飼っていこうという結論になりました。
自然の摂理を考えれば淘汰される蝶ではあるけれど、そのまま外に逃がしても他の虫や鳥の餌になってしまい可哀想なので、家で寿命を全う出来るまで飼ってあげたほうがいいのではないか、と私は考えています。
一度羽化失敗した翅は治るの?
一度羽化失敗したら、残念ですが、羽は広がりません。
蝶などの昆虫は骨がない代わりに体の表面をキチン質という物質で覆うことで硬く丈夫にして体を支えているのです。殻から出た時点ではまだ翅は軟らかく、殻に入っていた体液で湿っています。そして体液が乾燥してしまう前に急いで翅を開くのです。
ですが、羽化する段階で一度でも落ちたり強風の影響を受ける等すると翅を広げることができず、その状態で硬く固まってしまいます。ですから、そうなってしまうと外に飛んでいくことが出来ず自力で餌を探すことができず餓死してしまうのです。
では次に、家での飼育方法についてお話しします。
蝶の飼育方法で成虫の餌や虫カゴは?
蝶の成虫の餌は?
蝶を家で飼う場合、
- ポカリスエットを2~3倍に薄める
- ハチミツを8~10倍に薄める
- 砂糖を水で薄める(ほんのり甘い程度に)
これらをティッシュを小さくして含ませたものを小さい容器に入れて与えます。
(脱脂綿だと足が絡まってしまう可能性があるのでティッシュがおすすめだそうです。)
用意した餌を自力で飲むこともありますが、蝶はあまり進んで飲まないようなので翅をつまんで前足※をハチミツ薄め水に触れさせて「ココに飲み物があるよ」と教えてあげたり口を楊枝などで伸ばしてあげたりします。
※蝶は前足の先端で味を検知します。
蝶の飼育カゴ
蝶の成虫は幼虫のプラスチック飼育カゴで飼うのは好ましくありません。
プラスチックだと壁や床にぶつかると痛いのですよね。
推奨されているのが次のような飼育ネットです。
↓ ↓ ↓
蝶飼育ネット
このネットを使うと、壁や床にぶつかっても蝶の体へのダメージが少なくて済みます。
ですが、値段が高いので100円ショップの材料を使って自分で作る方が良いでしょう。
次に、我が家で作った飼育ネットの作り方をご紹介します。
成虫の飼育ネットの作り方
【材料・道具】
・100円ショップの洗濯ネット(円柱系)
・針金ハンガー2本
・ビニール紐(ぶら下げる紐)
・裁縫道具(縫い針、縫い糸、ハサミ等)
・ペンチ(あれば)
【作り方】
(1)針金ハンガーを崩してワイヤーを円にします。自分が怪我しないよう、端を内側に丸める等注意して下さい。
ペンチが無くても力があれば大丈夫です。我が家にはペンチが無いので不格好ですが、こんな感じで円形にしました。
(2)洗濯ネットの上下縁の円に(1)の円ワイヤーを3か所程度縫い付けます。
我が家で使った洗濯ネットはキャンドゥで購入した下記の商品です。
(3)上にする部分3か所にビニール紐を縫い付けます。
底には汚れ防止にキッチンペーパーなどを敷いておけば良いでしょう。
最初は止まり木が必要かと考えて、牛乳パックの底を1cm程度切った中心に穴を開けて割り箸を立てておきました。
ですが、数日経つと何度もそこから落ちてひっくり返ってしまうようになったため撤去し、底に踏ん張る形でしか体勢を維持できなくなってしまいました。元気な蝶なら止まり木も必要かもしれませんが、飛べない蝶の場合は何も無くても良いのかもしれません。
これをどこかに吊り下げて飼育します。
ちなみに我が家では、上の写真のようにキーボードの下にあるキーボード台のバー部分に吊るしました。
蝶の成虫の寿命は?
蝶が成虫になってからの寿命は種類や気温等の条件により異なります。
一般的にはアゲハチョウやモンシロチョウの場合は2~3週間と言われています。その他の蝶で卵から成虫まで2年越しの種類もいますが、多くのチョウの寿命は長くても数ヶ月程度(1年未満)です。また、成虫で越冬する種類や熱帯地方の種類は比較的寿命が長い傾向があります。
成虫を飼育する場合は、寿命が2~3週間といわれる蝶であっても、体力消耗させないよう低温で、暗い環境で育てて飛び回らせない等の工夫で2ヶ月程度生きることもあるそうです。
さいごに
羽化失敗した蝶は体も丈夫ではないようだし寿命を全うできるほど長生きできないかもしれません。我が家のモンシロチョウは羽化した日からずっと弱っており、ハチミツ水も少ししか飲まずヨロヨロしていました。
ですが、ペットを飼ったことのない我が子には、青虫を育てる以上に命の尊さを知る良い出来事になりました。
羽化して元気だったら当然外に逃がしてやるべきですが、もし不幸にも羽化不全だった場合は少しでも長生きできるよう世話して下さいね。案外、餌をあげると素直に飲んでくれたりして、可愛いものです。
■虫関連の記事目次はこちら。
→虫に対する恐怖や困り事はこちらで解消!~虫関連のまとめ
コメント
今朝、飼っていたナミアゲハが羽化不全で途方に暮れていたんです。
とても参考になり助かりました。有用な情報をありがとうございます。
寿命まで大事に飼いたいと思います^^
あかざわさん
コメントありがとうございます。
羽化不全とは可哀想でしたね。
でも、お役に立てたようで良かったです。
寿命は短いかもしれませんが、大事に飼ってくださいね。
庭で、蛹が落ちてしまい、それを父が広い、草の中に入れて置いたのですが、今日、ツマグロヒョウモンの右の羽が、完全でないことに、写真を撮っていたら、気付きました。そして、このサイトに、辿り着きました。羽は、しゃがれたままですが、ようやく、落ち着いたのか、ティッシュに含ませた、砂糖水を、吸ってくれています。
ありがとうこざいますm(_ _)m
100均に行き、ネットを買って来て、
ダンボールで、底と屋根をくり抜き、ホチキスで、止め、吊るしています。
ご報告までに。
追伸、他のスミレの葉っぱからは、10匹以上、ツマグロヒョウモンが庭から、巣立って(羽ばたいて)
行きました。
蛹が落ちた時の、拾い方等、来年に
向けて、覚えておいた方が良い事が、
色々、ありそうです。m(_ _)m
いなばさん
コメントありがとうございます。
ツマグロヒョウモンとは珍しいですね。
大変だったようですが、役に立ったようで良かったです。
羽が真っ直ぐにならないと飛べず、動きも不安定なのでしょうね(´;ω;`)
砂糖水を吸うのも大変かもしれませんが、大事にしてくださいね。
はい。翅は、ボロボロですが、砂糖水は、良く飲んでくれています。1日に、2回、取り替えています。
ここの、蝶々の部屋づくりのおかげです!
本当に、ありがとうございます!♪
(^_^)
いなばさん
度々コメントありがとうございます。
砂糖水をよく飲める状態なら大丈夫そうですね。
良かったです(^◇^)
1日でも長くツマグロヒョウモンが元気で過ごせますように!