毎日やれば問題ないのに、つい忙しさにかまけてサボってしまうトイレ掃除。
気づいた時には便器の黒ずみが酷くてどうしよう、と困ったことはありませんか。
今回は、便器の黒ずみ落としに使う洗剤や道具の選び方や、ふち裏掃除や水溜り部分、便座裏の汚れをきれいにする方法をお話しします。
■トイレの掃除についてはこちらにもあります。
→便器の尿臭い原因は?消臭にクエン酸や重曹を効果的に使う方法は?
→便器の掃除でタンクは?トイレ手洗い水栓金具の緑青は掃除できるの?
便器の黒ずみ落としに使う洗剤と道具は?
トイレの黒ずみを落としたい場合に、「黒いから白くするには漂白剤!」と安易に考えてしまいそうですが、実はトイレの黒ずみや黄ばみの原因は様々で、汚れの原因に応じて薬剤を使い分ける必要があります。
便器洗剤3種類の選び方
(1)中性洗剤
普段のお手入れならこれで充分きれいにできます。
(2)アルカリ性洗剤
除菌目的はコレ。カビや微生物等による汚れはアルカリ性洗剤を使います。
(3)酸性洗剤
トイレ汚れの主な原因は水垢、カルキ、尿石でアルカリ性の汚れなので、汚れが酷い場合には酸性洗剤を使います。
この3種類の中では、同じ性質であっても成分はメーカーによって異なりますし、強さも異なります。それぞれ用途に応じた使い方をしなければならないのがトイレ掃除の難しいところです。
便器掃除道具で黒ずみ落としに使うもの
(1)使い捨てビニール手袋(必需品)
便器内の頑固な黒ずみや黄ばみは、通常のトイレブラシによる作業ではきれいに落とせないかもしれません。
できれば直接手で擦るほうが確実に力が入るためおすすめなので、使い捨てビニール手袋は必需品です。
(2)耐水サンドペーパー(使う場合は注意が必要)
確実に汚れ落としをしたいなら耐水サンドペーパーを使うのが良いといわれています。
サンドペーパーは数字が大きいほど細かい目(=傷がつきにくい)で、トイレ掃除の場合は通常1000から1500程度を使います。
ただ、陶器製はほとんど傷がつかないと言われているものの、コーティングに多少は影響があるようです。
1年に1回程度なら問題ないかもしれませんが、頻繁な使用は避けたほうが良さそうです。
また、「プラスチックで艶あり素材」については確実に傷がつきます。
トイレ便器によっては使えない場合もあるので、使う前にお使いのトイレの取扱説明書や材質を確認してから使ってくださいね。
(3)メラミンスポンジ(おすすめ)
耐水サンドペーパーは、一度傷つくとそこに汚れがついて更に酷い汚れになってしまうため最終手段としておき、通常の大掃除であれば、サンドペーパーよりも優しくて汚れを落とす効果のあるメラミンスポンジを使うほうがおすすめです。
(4)ステンレスたわし(おすすめしません)
頑固な汚れ落としにステンレスたわしを使うという話も聞いたのですが、これらの金属タワシは薬剤や陶器に反応してメタルマークが付着して汚れる危険性があるので避けたほうが良いでしょう。
便器のふち裏が真っ黒な場合の掃除方法は?
便器で一番きになる部分といえば、ふち裏ですよね。
この部分は掃除ブラシが届きにくく汚れやすいですが、主に尿はねを放置して固まった尿石(アルカリ性汚れ)が原因なので、酸性洗剤であるサンポールを使います。
(上の写真でいうとサンポールとトイレルックがありますが、サンポールは塩酸9.5%なのでかなり強力です。トイレルックの成分は違うものであり、私は試したことがないのでどの程度強力なのか分かりません。)
掃除方法はサンポールを暫く汚れ部分につけて湿布することで剥がれやすくして、ブラシやメラミンタワシで取り除きます。
【掃除方法】
(1)ふち裏部分にサンポールを吹き付けます。
(2)トイレットペーパーを便器に垂らすか写真のように詰めてから、更にサンポールを吹き付けます。
(3)1時間程度湿布します(途中で乾かないように追加吹き付けをします)。
(4)ビニール手袋をつけた手で、メラミンスポンジを使って汚れを落とします。
(最後はビニール手袋をつけた手で直接汚れが落ちたか確認します。)
サンポールを使うとしつこい黒ずみも簡単に真っ白になります。
※トイレットペーパーを使うと使用後にトイレに流せるため楽なのですが、サンポールを壁際に吹き付けてトイレットペーパーを壁に湿布するのは結構難しいため、使用後にトイレに流せないのを覚悟の上、キッチンペーパーのような厚手の素材にサンポールを塗って貼るのが湿布としては簡単かもしれません。
水たまり部分の黒ずみ(=さぼったリング)の落とし方は?
便器の水たまり部分とその上の境にできる黒ずみは「さぼったリング」ともいいますが、この原因は主にカビや埃です。
カビや埃が水垢汚れや水に含まれている鉄分が混じったりすると酸化して黒ずみが出ることがあり、この場合は、研磨剤入りクレンザー(上の写真の中ではトイレマジックリン強力クレンザー)を使うことで汚れが落としやすくなります。
【掃除方法】
(1)便器の水を出来るだけ抜きましょう。
(紙コップ等で掬う方法もありますが、私は大抵ラバーカップで水を強制排出させています。)
(2)研磨剤入りクレンザーを汚れ部分につけてからトイレットペーパーを貼ります。
貼り具合によって、もう少し薬剤を追加できればペーパーの上からかけます。
最低1時間は湿布しておきましょう。
(3)トイレブラシ等※で擦って汚れを落とします。
(最後はビニール手袋をして直接汚れが落ちたか確認する方が確実です。)
※通常であればこれで落ちるのですが、黄ばみの場合は尿石が原因なので、サンポール(塩酸)を使います。性質が違う洗剤を同時に使うのは危険ですので避けましょう。
便座の裏側の頑固な汚れを落とす方法は?
普段は便座を下にしていることが多いので気づきにくいのですが、便座の裏側には汚れがついて黄ばんで固まってしまうことがあり、これは尿汚れが原因です。
女性や、男性で座って用を足す場合に、この便座裏側に尿がはねて汚れを放置してしまうための汚れです。
便器の尿石汚れと同様に固まってしまうと取りづらいのですが、クエン酸と重曹を使って落としましょう。
【掃除方法1】
(1)クエン酸をペースト状にして塗りつけ、トイレットペーパーで湿布します。
(2)汚れを落としてから、水拭きしてクエン酸を落とします。
【掃除方法2】
(1)汚れにクエン酸スプレーをして粉末状の重曹をふりかけます。
(この場合、酸とアルカリの化学反応がありますが、洗剤と異なりクエン酸と重曹なので危険はありません。)
(2)汚れが落としてから、水拭きしてクエン酸や重曹を落とします。
【掃除方法3】
尿汚れが原因の箇所なので重曹やクエン酸でなくサンポールを使って汚れを落とすこともできます。
(1)サンポールは垂れやすいので汚れの真下にトイレットペーパーを当てながら少し塗り、当てていたトイレットペーパーでカバーするように湿布します。
(2)5分程度してから汚れを落として水拭きします。(変質の心配もあるのであまり長時間湿布せず様子をみてください。)
ちなみに、便座部分はプラスチック系なのでサンドペーパーや強いタワシを使うと傷がつくため使ってはいけません。
さいごに
トイレ掃除は汚れがつく前にこまめに行うのが基本ですが、汚れがたまってしまうことはありますよね。
その場合、汚れの部分別に洗剤を使い分けて掃除しましょう。
また、酸性やアルカリ性の洗剤を使う場合は換気に注意し、性質の違う洗剤を同時に使ったり、すぐに続けて使うことのないように気をつけてくださいね。
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