小学生の子供が家で作文の宿題をしながらこんなことを質問してきました。
「すみません」と「すいません」はどっちを書くのが正しいの?違いはあるの?
「ごめんなさい」と言えばいいのに「すみません」と言ったり、「ありがとう」なのに「すみません」と言ったりして、お母さんって意味不明だよね。
ですってΣ(・ω・ノ)ノ!
言われてみると、結構いろんな場面で「すみません」を使っているものですね。
お母さんが意味不明なのでなく、「すみません」という言葉が意味不明なんじゃないの?とは思ったのですが、子供に適切な日本語を教えるため「すみません」の謎についてまとめました。
すみませんとすいませんの違いは?正しいのはどっち?
正しいか、正しくないか、の問題からいうと、「すみません」は100%正しいです。
「すいません」は口で言う場合は間違いではないけど、文章で書く場合には間違いとされるケースもあります。
というのも、「すいません」は「すみません」が言い難いために変化した口語だからです。
何かを謝る場合は「ごめんなさい」と言うことを子供に教えるものですよね。
だから子供にはまだピンとこないかもしれませんが、「すみません」も謝るときの言葉の1つであり「済みません」と書きます。元々「(謝るだけでは私の気持ちが)済みません、申し訳ない。」という意味から出てきた言葉なのですが、言い難いため「すいません」という言い方になったのです。
ちなみに、日常の挨拶言葉は元々の文章を省略した言い方の言葉が多く、次のような言葉があります。
【日常の挨拶言葉】
こんにちは・・・「今日はご機嫌如何でございますか」
→省略形が「今日は」
さようなら・・・「然様なら(=では)お別れいたしましょう」
→省略形が「然様なら」
ありがとうございます・・・「(そのようなことをして下さるのは)有り難うございます(なかなか無いことです)」
→省略形が「有り難うございます」
また、文語(書き言葉)が発音しにくくて口語(話し言葉)にする際に変化した発音の単語は他にも色々あります。
・くだらない→くだんねえ
・洗濯機(せんたくき)→せんたっき
書くときには「すみません」、くだけても良い相手に話すときには「すいません」でも大丈夫ですが、目上の人に話す場合は「すみません」と話すほうがいいですね。
すみませんvsごめんなさい 相手に伝わる使い方は?
「ごめんなさい」と「すみません」はどちらも相手に謝るときに使う言葉ですが、意味を比べると明らかな違いがあります。
【意味の違い】
ごめんなさい
謝る。自分の過ちを相手に赦しを請う表現。
すみません
(1)謝る。済まないことをしたと非を認める表現。
(2)感謝。お礼を言う
(3)依頼。頼みごとをする
「すみません」の意味の幅が広いのに対して「ごめんなさい」が謝罪限定と分かりやすいこともあり、子供には馴染みやすいようです。
この2つとは別に、謝罪の言葉として「申し訳ない」「申し訳ありません」があります。
こちらは、弁解する余地がなく相手に済まないと感じて詫びるときの表現です。
この3つの使い方は、謝る相手との関係や場面によって言葉を選ぶ必要があります。
【基本の使い分け~謝罪の言葉】
(1)友達、家族 →ごめんなさい(ごめん)
(2)目上の人に対して→すみません
(3)仕事上 →申し訳ありません
基本はシンプルな謝罪の言葉である「ごめん」「ごめんなさい」です。
親しい関係の場合はコレでOK。
ただ、これだとちょっと「子供っぽい」と相手次第で感じることがあります。
目上の人に対して「ごめんなさい」だと自分が子供っぽいと感じるので、この場合は「すみません」を使うのが基本。
しかし、「すみません」には上に書いたように謝罪以外にもお礼を言う、頼みごとをする場合にも使う便利な言葉であり、それが災いするのか逆に「謝罪」としての重みがないのです。
どちらかというと軽い間違いや、自分のせいではないミスがあった際に使う「軽い謝罪」という印象を与えてしまいます。
そのため、目上の人に対して大きな迷惑をかけた場合に「すみません」と言った場合、
「お前、自分がミスした癖に全然反省していないだろう!?」
と激怒される恐れがあります。
ですので、目上の人に対して深く謝罪する場合は「申し訳ございません」と言いましょう。
「弁解の余地がありません。あなたに対して申し訳ない!」という意味で深くお詫びしているニュアンスが相手に伝わります。
これは、仕事上の関係についても同様で、仕事は自分の責任を果たす必要があるのですがミスしたときに「すみません」では、自分の非を認めて相手に詫びる姿勢が伝わりません。ですので、仕事上では必ず「申し訳ございません」を使うようにしましょう。
すみませんvsありがとう どっちが適切なの?
外国人からすると「すみません」を連発する日本人って理解しづらいと思いますし日本語って難しい、と感じるに違いありません。
「ごめんなさい」や「申し訳ありません」が単純な謝罪の言葉であるのに対して、「すみません」がわかり辛い理由の1つに「ありがとう」の意味もあるからです。
「××していただきありがとうございます」とストレートに言えばいいのですが、それは奥ゆかしい日本人の特性で、「××していただきすみません」と言ってしまう日本人が多いのですよね。
この中には、
「何もお礼ができずにすみません」
「あなたの手を煩わせてすみません」
という謝罪のニュアンスが、感謝の裏側に隠れているのです。
この2つの使い分けについては、基本を押さえておくとすれば、下記がポイントです。
【基本の使い分け~感謝の言葉】
「すみません」・・・目上の人に使う
「ありがとう」・・・対等な立場や目下の人に使う(目上の人もOK)
「すみません」は感謝の意味と同時に、相手が自分に何かをしてくれることにより時間(または手間、お金等)を失ったことに対してのお詫びの意味も含まれていることを知っておく必要があります。
ただ、最近では、感謝の意を相手に伝えるには「すみません」よりも「ありがとう」と言うべきだという意見が多いし、私自身もそう感じます。
というのも、すみませんとごめんなさいの関係と同様に、「すみません」の意味は幅が広すぎるので肝心の感謝の気持ちが相手に伝わりにくいデメリットがあるからです。
ですので、感謝を相手に伝えたいときには「ありがとう」「ありがとうございます」を積極的に使いたいものです。
まとめ
「すみません」という言葉には、謝罪以外にも感謝、依頼の意味があり幅広い場面で使われるために細かい使い方を考えるとややこしいくなります。
ですので、子供に教える場合には、
・口で言う場合には「すいません」でもOKだけど書くときは「すみません」を使うこと
・「すみません」でなく、最初は分かりやすい「ごめんなさい」「ありがとう」を使えるようにすること
この2つが大切でしょう。
また、大人になると場面に応じた使い分けが重要ですが、仮に間違った場合でも、言葉が心がこもっていれば多少のことなら相手も目をつぶってくれるものです。
これが「言葉の選び方が間違ってる!反省していない!」と批難されるのは、大抵心がこもっていない謝り方をするから、余計に言葉の誤りが気になってしまうものです。
相手に謝罪するときにはもちろん言葉を選ぶのも大切ですが、しっかり心を込めてお詫びする姿勢を身に着けるようにしましょう。
コメント
『すいません』と謝罪と、感謝時に仕事にて使っていたところ、ある部署に異動し、『すいません』禁止と言われ、『ごめんなさい』『ありがとうございます』を使い分けていたら、『すいません』を使わないように体に染み込ませたのにもかかわらず、上司が変わり、『ごめんなさい』禁止用語になり、もう、日本語も話したくない上、日本人でいるのも疲れ、毎日早く死にたい、という日々です。
名無し様
コメントありがとうございます。
結構気分屋さんの多い職場なのでしょうか。
部署によって言うことが異なるのは困りますよね。
ただ、やっぱり人間って自分のやってきた価値観でしか物事を考えられない人が多いので、
自分が正しいんだ!という意識の強い人が多いのだと思います。
どんな職場へ行ってもそういう人は多いのですが、
職場の場合は謝罪の際は「すみません」「ごめんなさい」よりも、
「申し訳ございません」
が一番無難だと思います。
家族や友人とのやり取りでは使わないので不慣れかもしれませんが
口うるさい上司ほど、この言葉でないと誠意が足りないと思われがちです。
私も新入社員の時に散々社長に怒鳴られ身に染みましたが、
謝罪というのは言葉選びも大事ですが、それ以上に『謝る時の姿勢』がとても大事なんですよね。
「申し訳ございません」の言葉を言うのが難しかったら、
態度を気を付けて『頭を深く下げる』というのは如何でしょうか。
私の場合、この言葉を言うのが不慣れな時期は、
頭を深く下げながら「申し訳・・・」と止まってちょっと遅れて「ございません」
というようなことは何度もありました。
あと、何か失敗をした場合、会社においては特に
失敗を気づいた時点で自分から申告すること=『出来るだけ早く報告して謝ること』が重要です。
怒られるのは確実なので上司に謝りに行くのはシンドイかもしれませんが、
ここでズルズル遅れることで余計に厳しく言われるのですよね。
気まぐれな人が多い職場だと、他の人も大変な思いをしているかもしれませんが、
あれこれ怒られるのは名無しさんだけなのでしょうか。
だとすると、標的にされやすいのかもしれませんが、味方になって
「こう対策した方がいいんじゃない?」とアドバイスしてくれるような人はいませんか。
それか、全員が怒られるような状況なのか・・・?
私も人との会話は不得手なので言葉を選び間違えて失敗することもよくありました。
でも、誠心誠意謝ることや、心から感謝している、という態度が相手に伝わると
「こいつは言葉も知らんからどうしようもないけど、
まあ、態度はきちんとしてるから許してやるか」
と思ってもらえた部分もあります。
もし周囲に心許せる人がいれば、
「なんでいつも××課長に怒られちゃうんだろうなあ。言い方悪いのかなあ。
怒られないようにするにはどうしたらいいんだろうなあ。」
と聞ければいいのですが。
あと、名無しさんの場合も、もしかしたら言葉に振り回されて何かあった時に
『今回はどの言葉を選べばいいのか?えーと、えーと・・・』
と頭の中でグルグル考えて、言葉選びに気を取られて肝心な謝罪に対する気持ちが抜け落ちてしまう
ということはないでしょうか。
もしそうだとすると、「コイツは俺に対して謝る気持ちがないのか!」と激怒される可能性大です。
言葉は二の次、態度の方を優先して、頭を深く下げることから始める方が良いのかもしれません。
名無しさんがどんな方で、どんな上司に怒られるのかのタイプが見えないので
具体的なアドバイスが出来ないのですが、少しでも参考になれば幸いです。