朝顔はなぜ朝に咲くの?
朝顔を育てている子供にこんなことを質問されたら何と答えれば良いでしょうか。
朝に咲くから「朝顔」なのでしょうけど、それじゃあ説得力ありませんよね。
今回は、朝顔が朝咲く理由や、しぼむ時間の決まり、1日しか咲かないけど種が確実に出来る理由などをまとめました。
■朝顔に関する記事はこちらにもあります。
→朝顔と昼顔の違いは?夕顔や夜顏を含めた4種の見分け方は?
→朝顔の水やり時間と適切な量は?旅行で留守にする場合はどうする?
朝顔はなぜ朝に咲くの?
朝顔は朝咲くと思われていますが、実際には夜明け前の薄暗い頃に咲くことが多いです。
そして、咲く時間というのは日の出時刻でなく、日没時刻が関係しており、日没時刻から8~10時間程度で開花します。
日没時刻は季節によって異なります。朝顔の咲く時期は7月から10月頃なのですが、日没の10時間後の場合は次のようになります。
(2016年の場合)
7月1日の日没 19:01 → 翌日開花目安 5:01
8月1日の日没 18:46 → 翌日開花目安 4:46
9月1日の日没 17:10 → 翌日開花目安 4:10
10月1日の日没 17:26 → 翌日開花目安 3:26
こうして見ると結構早いですよね。
ちなみに日没時刻以外には、その日の気温によっても変動します。気温が高いと遅くなる傾向があります。
これで朝顔がいつ咲くか、時刻については理解できましたが、なぜ?という理由については朝顔がしぼむ時間にも関係してくるので、次にしぼむ時間や決まりについてお話しします。
朝顔がしぼむ時間はいつ頃?決まりはあるの?
朝顔のしぼむ時間は暑さによって変化します。
朝顔が昼前にしぼむのは、暑さと乾燥で花びらの水分が蒸発してしまうからです。また、しぼむことで中のめしべを守ります。
もちろん、花は根から水分を吸収していますが、朝顔の花びらというのは非常に薄いため、暑ければ暑いほど花びらの水分が蒸発するのが早く、その結果早くしぼんでしまうのです。
ですから、暑さの厳しい時期だと朝9時過ぎにはしぼんでしまいますが、9月中旬頃だと9~10時頃、10月頃だと昼過ぎまで開いていることもあります。また、雨の日は湿気が多いので晴れの日よりも遅くまで咲いている傾向があります。
ちなみに朝顔の品種によって花びらの厚みが異なります。花びらが厚いと水分の蒸発が遅いことから、しぼむのも遅い傾向があります。
ところで、朝顔が朝咲く理由についてはもう1つ、「受粉の仕組み」も関係するので、次にお話しします。
朝顔は1日しか咲かないのに種が出来るのは何故?
朝顔は1日、それも朝の数時間しか咲かないのに種が確実に出来るのって不思議ですよね。
実は、朝顔は、開花前日につぼみ状態で受粉を行ってしまうのです。(これを「自家受粉」と言います。)
開花前日までは、めしべの方がおしべより長い状態なのですが、開花前日におしべが成長してめしべを追い抜きます。その時に触って受粉するのです。
ただ、朝顔が開花している数時間に、アリやハチ等がやってきて蜜を吸いながら受粉することもあります。(これを「他家受粉」といいます。)なぜこのようなことを行うかというと、自家受粉だけだと遺伝的に弱くなる可能性もあることから、生き延びるため他家受粉するケースもあるといわれています。
そして、咲く時間やしぼむ時間との関係を考えると、朝涼しい時間帯に開花することで、虫に来てもらいやすくするとも言われています。
まとめ
朝顔が朝に咲いて昼前にしぼむというのは、朝顔の花びらの薄さと暑さが関係しています。
開花は日没から8~10時間後ですが、気温が高いと開花時刻が遅い傾向があります。
また、夏暑いときは開花時間は短く昼前に終わってしまいますが、秋涼しくなる頃の花は昼過ぎまで楽しむことができます。
冒頭の問題「朝顔がなぜ朝に咲くのか」というのは、花びらが薄くてしぼみやすい朝顔が確実に種子を残すために「少しでも花びらの水分蒸発を遅らせたい。そのためには、朝の涼しい時に咲くのが一番良さそう」という本能に基づいた、ある意味「省エネ活動」であると同時に、「朝の涼しい時間帯に受粉してくれる虫に来てもらいやすくする」ための本能という見解が一般的です。
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