蟻が家の中に大量発生した場合、どのように駆除すれば良いのでしょうか。
また、巣の退治や今後の対策等はどうしたら良いのでしょうか。
今回は、家の中にアリが侵入した場合の駆除方法について、身近なものを使って出来ることや、市販の駆除剤を使う方法についてまとめました。
蟻が家の中に大量発生した際の駆除方法は?
蟻が大量発生した場合にやるべきことは次の4つです。
(1)その場で退治する
(2)蟻道のニオイを消す
(3)食べ物を片付ける
(4)蟻の駆除剤を置く
次に1つずつ細かいことをご説明します。
(1)その場で退治する
本当は、巣ごと駆除したいので蟻に毒餌を持ち帰らせたいところですが、大量の蟻が巣に帰るのを待つのは見るに耐えないでしょうし、ある程度はその場で退治してしまいましょう!
その方法としては、もちろん、市販の殺虫剤を使う方法もあるのですが、以下のように身近なものを使う方法もあります。スプレー容器に入れて、水で薄めて蟻の通り道やサッシの隙間などにスプレーしましょう。
- レモン、ライム等(レモンと水の割合→1対3)
- お酢(お酢と水の割合→1対1)
- クエン酸(クエン酸小さじ1、水200ml)
- 台所洗剤(洗剤と水の割合→1対2)←スプレー式の洗剤をそのまま使ってもOK
蟻にこれらのものをスプレーすると気門から体内に入り、呼吸できなくなるため窒息死します。
(2)蟻道のニオイを消す
蟻が通ってきた道にはニオイがついていて、仲間はそれを頼りに続々と侵入してきます。実は、蟻は地面の下の暗い場所に巣を作るため、目は殆ど見えないのですが、その代わりに嗅覚が発達しているのです。だからこそ、ニオイを頼りに仲間の蟻道を辿って侵入できてしまうのです。
そこで、大量の蟻をどうにかしたところで、次にきれいに掃除して、このニオイを消してしまわなければなりません。(といっても、人間には判別できないニオイなのですが。)大量発生した場合は行列が出来て床を這っていたでしょうし、その周辺をしっかりと拭き掃除しましょう。場所が分からない場合は、その周辺を広く拭き掃除した方が良いかもしれません。
ちなみに、拭き掃除する際の洗剤は、普通の床用洗剤で大丈夫です。床の材質や場所によってはアルコールやハイターを薄めたもので拭き掃除しておく方法もあります。
(3)食べ物を片付ける
蟻は甘い物も好きですが、肉やご飯も食べます。
ですので、食べ物は全て蓋付きの容器に入れて保存しましょう。容器に輪ゴムをつけておくと蟻は絶対に寄りません(輪ゴムのニオイが苦手なため)。
また、生ゴミにも寄っていくため気をつけて早めに処分しましょう。
食べかすはごく僅かでもニオイを嗅ぎつけて寄ってくるため油断禁物です。
(4)蟻の駆除剤を置く
蟻の駆除剤については、その場で退治するというよりも、毒餌を食べてもらって巣に持ち帰り、巣の中で全滅させる方法が望ましいですね。様々な駆除剤があるので次の章で詳しくお話しします。
蟻退治 巣ごと駆除する方法は?
アリの巣ごと駆除する方法としては、以下の方法があります。
(1)身近なものを使う方法
- ホウ酸と砂糖
- 重曹(ベーキングパウダー)と砂糖
- 熱湯(または石鹸水)
(2)市販の駆除剤を使う方法
では順に、詳しくお話しします。
ホウ酸と砂糖
ホウ酸は天然物質ですが、蟻にとっては猛毒です。益虫や爬虫類、魚、鳥等には害が無いと言われていますが口に入れて良いものではないため、小さい子供やペットがいる場合は遊ぶ場所には置かないようにしてください。また、食品や、食器棚などの近くも避けましょう。
設置場所は、蟻が出た場所全てです。また、屋外にも使えますが、甘いニオイが出るため、小さい子供や犬などが近づいて舐めてしまう可能性があるため、手の届かない場所に置くことが重要です。
【ホウ酸砂糖水の作り方】
(1)ホウ酸と砂糖を1対1の割合で混ぜます。(最初はどの程度使うか分からないでしょうし、小さじ1程度から作ってみると良いでしょう。)
(2)小さいプラスチック容器等に(1)の合わせた粉を入れて、水をほんの少し加えて粘り気のある状態にします。
プラスチック容器はペットボトルの蓋等、浅めのお皿や容器が使いやすいです。
(3)ホウ酸砂糖水は乾燥しやすいため、1日1回程度、水の補充をしましょう(2、3滴で充分だと思います)。
蟻がホウ酸砂糖水を発見したら、巣に持ち帰って仲間の蟻もホウ酸を食べるので巣を全滅することができます。そのため、罠のところで殺さないようにしましょう。
重曹(ベーキングパウダー)と砂糖
重曹は人間にとっては大したことないけれど、蟻が食べると大変なことになります。重曹(ベーキングパウダー)が体内で反応して二酸化炭素が発生し、おなかがパンパンに膨らんで死んでしまうのです。
ですので、これを食べさせるために、ホウ酸と同様に、蟻の好物である砂糖を一緒に混ぜて、蟻の通り道に置いておきましょう。
重曹(ベーキングパウダー)と砂糖の割合は、3対1にします。
熱湯と石鹸水
蟻の行列を追うと巣が見つかる場合があるので、その場合は熱湯や石鹸水を使って巣ごと退治する方法があります。
蟻の種類によって巣を作る場所が異なりますが、瓦礫や石の下等の見えにくい場所や、室内のサッシ枠や壁の中にある可能性もあります。
【やり方】
(1)熱湯の入ったやかんを用意します。
(2)蟻の巣に熱湯をかけます(見えている穴は全部、熱湯をかける)。
ただし、巣が家の中にある場合は熱湯が使えないため(傷むから)、石鹸水を巣に流します。
(3)数日間様子を見て、蟻が戻ってこない場合は終了ですが、もし蟻が戻ってきたら熱湯(または石鹸水)で巣に流し入れます。
市販の駆除剤
駆除剤としては有名なのは次の3つです。
アリの巣コロリ
コンバット アリ用
アリメツ
■アリメツについてはこちらの記事が参考になります。
→アリメツが効かないのは使い方が悪いの?近寄らない時の対処方法は?
基本的にはどの駆除剤も蟻を引き寄せて毒を巣に持ち帰らせて巣ごと全滅させるタイプです。毒餌タイプの駆除剤なので即効性ではなく、効果が表れるまでに数日掛かるということを理解しておきましょう。(最初に大量の蟻が集まって餌を持ち帰るため、設置して1、2日くらいは大量の蟻がウロウロ歩いている状態です。翌日にはいなくなるのですが、蟻が苦手な人にとっては気持ち悪いかもしれません。)
どの商品もAmazonのレビューを見れば購入者が非常に多く高評価だし、殺虫威力はどれも充分だということが分かるでしょう。どれを選ぶかは、毒餌の形態や外見の違いによる好みや、使い勝手をどう感じるか、という個人的な感じ方によると思いますよ。
ちなみに、アリの巣コロリやアリ用コンバットはスーパーやドラッグストアに置いてありますが、アリメツはネット販売が主流なのであまり知られていないようです。
蟻対策 侵入防止するには?
毒餌を持ち帰らせることで巣の退治が出来るとはいえ、巣が全滅するか分かりません。再度生き残った蟻や新しく孵った蟻が侵入してくる可能性もあります。そこで、蟻道から再度侵入しないよう、以下のような対策をしましょう。
・蟻の侵入口を塞ぐ
・食べ物を片付ける
・侵入しないよう、蟻が苦手なものを置く
蟻の侵入口を塞ぐ
蟻の侵入口を塞ぐ手順は以下の通りです。
(1)侵入口を見つけます(サッシの隙間や壁の割れ目などがないかチェックしましょう)。
(2)侵入口を丁寧に全て塞ぎます(壁用シリコン等を使いましょう)。
(3)侵入口周辺の土の上に蟻退治用の粉を撒きます。
■蟻退治をするにあたり、実際に我が家で気づいた侵入口に関する問題はこちらの記事をご覧ください。
→家の中の蟻は2階だとどこから?想定外の侵入口発見と駆除をご紹介!
食べ物を片付ける
食べ物を片付けることについては既にお話ししておりますが、蟻は雑食性なので、
- 食べ物を蓋付き容器で保存すること
- 容器に輪ゴムをつけること
- 生ゴミは早めに処分すること
このようなことが大切です。
侵入しないよう、蟻が苦手なものを置く
アリメツやコンバット、アリの巣コロリ等を使う方法でも良いのですが、小さい子供がいたり、ペットがいて口に入れてしまうのが心配な場合は、市販の薬剤よりも天然の物で蟻の特性を利用するのがおすすめです。
蟻の苦手なものとしては次の物があります。
- 石灰(床にチョークで書くと、そこに近づけなくなる)
- ベビーパウダー
- コーヒーかす
- 輪ゴムの臭い(蟻の通り道に大量の輪ゴムを置いておく)
- 炭のかけら
- ハーブ系※(ハッカ、ペパーミント、シトロネラ、ラベンダー等)
- レモン、ライム、お酢、クエン酸等(冒頭でお話ししたスプレーを蟻の通り道に撒く)
※ハーブ系の使い方について
ハーブ系については、本物の植物だけでなく、ペパーミントエッセンスやハッカ油など、様々なものが使えます。
スプレーにして使っても良いし、エッセンスを乾いた布巾に垂らして蟻の通り道に置くと良いでしょう。また、プランターを家の周辺に置いておくと蟻が寄り付かなくなります。
ハッカ油スプレーの作り方は以下の記事(後半)に書いてあります。(ハッカ油はそのまま水に混ぜても油なので混ざりません。無水エタノールを少し入れるのがポイントです。)
→ムカデ対策 室内で逃げたらどうする?罠でおびき出すには?避け方は?
さいごに
蟻が家の中で大量発生したら毒餌を持ち帰らせて巣ごと退治するのが一番ですが、その他に蟻道を消すことや、侵入口を塞ぐこともきちんとして、今後の侵入を防ぎましょう。
小さいお子さんやペットがいる場合は、間違って毒餌を口に入れないようくれぐれもご注意ください。
■虫関連の記事目次はこちら。
→虫に対する恐怖や困り事はこちらで解消!~虫関連のまとめ
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