御霊前のお札の入れ方は?書き方は薄墨で?中袋だけはペンでいい?

生活の知恵

葬儀は滅多にないのでマナーを全て覚えられませんよね。
前記事でご霊前などの不祝儀袋の選び方についてお話しましたが、
店で実際に不祝儀袋を購入した後、お札の入れ方や書き方で悩む人も多いです。

今回は、お札の入れ方や、書き方では薄墨を使うべきか、
中袋まで同じ薄墨筆ペンで書かなきゃいけないか等をお話しします。

■不祝儀袋の選び方で悩んだらこちらをご覧ください。
御香典と御霊前と御仏前の違いは?四十九日法要は何を使う?

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御霊前のお札の入れ方は?

ご霊前などの不祝儀袋は、中袋付きを選ぶケースが多いので、
今回は中袋があることを前提にお話します。

■中袋のない場合はこちらの記事をご覧ください。
ご霊前中袋なしで良いの?書き方で住所金額は?お金の入れ方は?

(1)中袋へお札を入れる

下の写真のように、
・お札の顔を裏向きに
・大きい「壱万円」等の文字が上になるように

となります。

(2)表袋の折り返し

表袋の上下折り返しは、不祝儀袋では下の写真のように、
下側の折り返しを隠し、上側の折り返しが見えるようにします。

私の場合、大学時代のマナーの講師が
「喜びの穂は上を向き、悲しみの穂は頭を垂れる」
と教えてくれたのですぐに覚えることができました。
これは覚えやすいので、ぜひ頭の隅に入れてくださいね。

(3)どの程度使ったお札を入れるべき?

新札はNGですが、古くてボロボロや破けているものも失礼になるので避けましょう。
新札しか無い場合は、一度半分に折ったものを使います。

弔事で新札がNGなのは「この日のために用意していた」と解釈されてしまうからです。
ある程度キレイな状態のものならお財布に入っているお札でも大丈夫です。
むしろ、お供えするお金ですので、きれいなお札のほうが望ましいです。

また、新札がNGなのは葬儀の香典だけです。
法事などは事前に予定を把握しているものなので、新札を用意すべきです。

(4)2枚以上お札を重ねる場合は?

3万円などの場合はお札が複数になります。
この場合、受付の人が確認しやすように
故意にお札の四隅をずらして入れるという配慮をする人もいますが、
本来の配慮は故人や遺族に対してすべきであり、受付担当者へは不要です。
ですので、お札の四隅は揃えて入れましょう。

(新札は使わないので厳密には重ならないこともありますが、「四隅を揃える」が基本です。)

御霊前の書き方は薄墨じゃないと駄目?

(1)不祝儀袋は全て薄墨か?

御霊前の書き方は薄墨で書くのがマナーと云われていますが、
市販の御霊前の袋は黒文字印刷なので、
自分の氏名だけ薄墨でいいのかと悩む人も多いようです。

でも、これは気にする必要はありません。
薄墨で堂々と書きましょう。

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(2)薄墨を使うのは葬儀のみ

また、誤解している人もいるようですが、
不祝儀は全て薄墨ではなく、通夜と告別式など葬儀のみです。
(四十九日や3回忌などの法事の時は事前に日時が決められてからの参加であり
墨をしっかり磨る時間があるので、黒い墨で書きます。)

そもそも、昔は墨と筆を使っていたので、
「突然の訃報で濃くなるまで墨を磨る時間がなく、慌てて薄墨のまま書いた」
「悲しみの涙で滲んでしまった」
ということから薄墨の習慣となりました。

ですが、これは案外古い習慣ではないし、正式なマナーでもありません。
地域によっても、薄墨の習慣がないところもあります。
薄墨がなければ敢えて買う必要はなく、黒い筆ペンを使っても問題ありません。

御霊前の中袋の書き方はペンじゃ駄目?

御霊前の表を薄墨筆ペンで書いた場合に気になるのが中袋です。
中袋にも住所や金額を書く欄がありますが、結構小さいので
表書きと同じように薄墨筆ペンで書くべきか、という問題があります。

これは、「表袋と中袋は同じ物を使わなければ辻褄が合わない」という見解もありますが、
これが正式マナーではありません。
一般的には、中袋は受付で中身を確認して遺族に住所、氏名、金額等を報告するため、
受け取る側の労力を考えると読みやすい文字で書くよう心掛けるべきです。
薄墨筆ペンを使って読みやすい文字を書ける場合は問題ありませんが、
難しい場合は、無理せず中袋だけボールペンや万年筆などに変えても問題ありません。

御霊前の金額の書き方は?

香典に金額を書く場合は、一般的には漢数字を使います。
今は数字で書く人も少なくないのですが、
数字は簡単に改ざんが出来るため、改ざん防止のために
下記の旧字体の漢数字を使う方が良いとされています。

一・・・「壱」
二・・・「弐」
三・・・「参」
五・・・「伍」

十・・・「拾」
千・・・「仟」または「阡」
万・・・「萬」
円・・・「円」または「圓」

5千円・・・「伍阡円」または「伍阡圓」
1万円・・・「壱萬円」または「壱萬圓」
3万円・・・「参萬円」または「参萬圓」
5万円・・・「伍萬円」または「伍萬圓」
10万円・・・「拾萬円」または「拾萬圓」

また、「壱萬圓也」などと書く、「也」についてはいくつかの説があります。
・不祝儀の時にはつけない
・10万円以上のときだけつける、
・つけるべき
・円未満がないということでつけたものだから、現在はつけなくていい

見解が見事に分かれています。地域によっても違うので、敢えてつけなくても大丈夫でしょう。
(上の写真のように、末尾に「円」と印刷されていると「也」はつけられませんし。)


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まとめ

以上、香典のルールをお話ししましたが、
結構細かくて覚えるのが大変かもしれません。

勿論マナーを熟知したいですが、
忘れて間違ったとしても、お札の向きや表袋の折り返しは
受付の人が中身を確認するために開けてしまいますし、
薄墨のルールも地域によっては習慣の有無もあるので
さほど神経質にならなくて大丈夫です。

むしろ気をつけなければならないのは
・書いた金額と実際の中身が間違っていないこと
・書いた文字が読みやすいこと
この2点です。
葬儀はバタバタしているので案外周囲には気づかれにくいです。
近しい親族の葬儀でなければさほど神経質にならずに
基本的なこの2点だけしっかり押さえ、あまり
形式に捉われずに心を込めて書くほうが重要でしょう。

葬儀や法要のことで分からないことがあったら他にも記事があるのでご覧ください。
葬儀法要等で恥をかかないための知識集~目次

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