喪服と礼服の違い 女性編マナー 結婚式卒業式で兼用は?パンツスーツは?

生活の知恵

喪服と礼服の違いについて、女性と男性で扱いが若干異なるのをご存知ですか。
(男性についてはこちらの記事をご覧ください。)

特に女性は、結婚後に嫁ぎ先で不幸があった場合に些細なことでも親戚から厳しい目で見られることがあるので、喪服などのマナーを知っておくことは重要なんですよね。

今回は、喪服を結婚式や卒業式で兼用できるか、最近増えているパンツスーツでも大丈夫か等を含めて、結婚した女性が知っておくべき喪服の知識についてお話しします。

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喪服と礼服の違い 女性の場合のポイントは?

喪服と礼服の違いについて、最初に定義をお話しします。

(1)喪服

喪服は、葬儀や法事などに出席する際に着る礼服です。
昔は白が喪服とされていたため、喪主や喪主の配偶者で和服の場合に白を着ることもありますが、今では黒が一般的です。
格式としては正喪服、準喪服、略喪服※の3つがあり、葬儀等における立場や場面で使い分ける必要があります。

(2)礼服

礼服は、冠婚葬祭等の公式の場で威儀を正したり敬意を表する場合に着る服で、フォーマルウェアともいいます。
格式としては正礼装、準礼装、略礼装、平服の4つに区別され、こちらも場面に応じて使い分ける必要があります。

ということで、礼服の中の1つが喪服という位置付けになります。

※【正喪服、準喪服、略喪服】

ここで、女性の喪服3つの格式について細かくお話しします。

(1)正喪服
葬儀で遺族や親族が着る服で、黒無地ワンピース、スーツ、アンサンブル。一周忌までの法要は正喪服になります。
肌の露出を避けるのが基本マナーなので、夏でも長袖が正式ですが、七分袖や半袖でも良いとされています。また、襟元は詰まったもの、スカート丈も膝下が好ましいです。透ける生地や光沢のある生地、ラメ入りは避けましょう。

(2)準喪服
葬儀で一般弔問客が着たり、親族の法要(三回忌以降)で着る服で、黒無地ワンピース、スーツ、アンサンブル等。正喪服の違いは、流行を適度に取り入れたデザインでも問題ないということです。ただし、肌の露出を控えるのは正喪服と同じで、スカート丈は少し長目が好ましいです。夏は半袖でも問題ありません。

(3)略喪服
一般弔問客で急な弔問や通夜などで着る服。遺族よりも格を下げるのがマナーなので、黒、濃紺、濃グレー色等の地味なワンピースかアンサンブル、スーツ等でも構いません。

【3つの格式における色】

正喪服と準喪服では黒一色が原則なので、ブラウスを着用する場合は黒色にしなければなりません。
略喪服であればブラウスは白色でも良いとされていますが、もし黒や濃紺、グレー等の色があればそちらがおすすめです。

では、具体的に葬儀における立場ごとに喪服を確認しましょう。

喪服 女性のマナーで相応しいのは?

遺族や親族の場合

正式なマナーは正喪服=アフタヌーンドレス」とされていますが、現実的に黒無地ワンピース、ツーピース、アンサンブル等どれでも問題ありません。
ただ、喪服を購入するなら、次のことに注意してください。

  • 夏でも長袖が正式な喪服(半袖でも良いのですが短すぎないものを。)
  • 肌の露出を避ける(スカート丈は長めに・襟ぐりは詰まっているものを)
  • 光沢のある生地を避ける(普通の礼服・喪服売り場で購入すれば問題ありません)
  • 靴・・・プレーンなパンプスが基本で、光沢のあるものや紐付きは避けましょう。
  • ストッキング・・・ナチュラルな肌色か黒にします。(タイツはカジュアルなので避けましょう。)

遺族で和服の場合

女性が喪主の場合は通夜が洋服、葬儀告別式で和服にするケースもありますが、最近では男女とも洋服というケースが一般的になっています。もし和服にする場合は、正装は、五つ紋付き黒無地着物です。

半襟、長襦袢、足袋・・・白色で。
帯・・・黒無地か地紋織りの袋帯か名古屋帯。
(地紋の場合は、蓮の花や流水等宗教的な図案にします。)
帯締め、帯あげ、バッグ、草履・・・光沢のない黒一色。

一般の弔問客

一般の弔問客は遺族よりも格を下げることから、準喪服(黒無地ワンピース、アンサンブル、スーツ等)か略喪服(濃紺かグレー等の地味なワンピース、アンサンブル、スーツ等)になります。
夏の場合は半袖でも大丈夫ですし、デザインの自由度があります。

・靴・・・準喪服の場合はプレーンなパンプスが基本で、光沢のあるものや紐付きは避けますが、略喪服の場合はスニーカーやサンダル以外であれば、パンプスでなくても構いません。(ただし、色は黒にします。)
・ストッキング・・・ナチュラルな肌色か黒にします。

弔問客で和服の場合は?

男性は殆どが洋服ですが、女性の場合は一般弔問客でも和服を着る人も時々います。
この場合、遺族ではないので正喪服でなく、準喪服(地味な色無地の紋付)か略喪服(小紋)です。

半襟、長襦袢、足袋・・・白色で。
帯、帯あげ、バッグ、草履・・・光沢のない黒一色。
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喪服を結婚式で兼用できる?卒業式の使い回しは?

結婚式の場合

男性の喪服は礼服として結婚式にも兼用できます。
ですが、女性の場合は結婚式への使い回しはあまり好まれません。
というのも、喪服としての礼服は、光沢感がないので女性の場合は華やかさに欠けますし、忌み嫌うとして使い分ける人もいるからです。

また、結婚式では男性はほとんど黒一色ですし、女性でも年配の親族は黒の留袖が中心です。
その中にあって友人等として招待されたのであれば、華やかな色を添えるほうが好ましいでしょう。
ですので、女性の場合は喪服を結婚式に使い回しするのはおすすめできません。

卒業式の場合

卒業式の場合は、結婚式とは違って使い回しできるケースもあります。
その場合は、胸にコサージュをつけて華やかさを出す必要があります。

ただし、地域や学校によってローカルルールが全く異なり、保護者は礼服が常識とされる学校もあれば、逆に礼服を着ると非常識と思われる学校もあります。
(PTA役員や招待客のみ礼服OKで、保護者は濃紺やグレーが基本などの学校もあります。)

もし実際に卒業式で礼服を着ることを考える場合は、子供の通っている学校のママ友にどんな傾向か、礼服にコサージュで問題ないのか等を確認しておくほうが良いでしょう。

喪服で女性のパンツスーツは駄目なの?

パンツスーツは動きやすいので便利ですが、地域や家庭によって感じ方や考え方が異なるため「絶対に大丈夫ですよ」とは言えない微妙な服です。
そもそも、正喪服が「アフタヌーンドレス」が元の考え方でワンピースやツーピース、アンサンブル等が規定なので、女性の喪服はスカートが基本という考え方でした。
ですので、一般弔問客なら問題ありませんが、遺族・親族として葬儀に参列する際に親戚の目が厳しい場合はパンツスーツだと非常識と思われてしまう可能性もあります。

また、葬儀社によっては、親族ならパンツスーツで大丈夫ですが、遺族の場合はロングスカートの喪服を指定することもあるそうです。

もしこれから喪服を買うのであれば、スカートタイプが無難です。

 

まとめ

「じゃあ、結局何を買えばいいの?」

今回はちょっと長めの文章だったので、こう思うかもしれませんよね。

覚えておいていただきたいのは、女性の場合は男性と違い、喪服を結婚式などの慶事に使い回しするのは好まれないけど、いざというときに喪服を用意していないと嫁ぎ先で恥をかくことになる、ということです。

そのため、流行廃れのない、長く着られる物を一着買っておきましょう。(体型が変わってしまうと着られないので極端に痩せたり太ったりしないよう注意しましょう。)

暑い夏にも使えるデザインとしては、ワンピースとボレロのセットが無難です。
(ボレロは半袖や七部袖のことが多く、夏も着られるので便利だからです。)

以下の喪服は夏にも使えるし、7号から25号まで幅広いサイズがあるので様々な体型の方に人気の喪服です。

このフォーマルスーツは、ワンピースのファスナーが後ろ側か前側かを選択できます。後ろ側だと一人で脱ぎ着するのが大変なので、前側にあると便利ですよね。前側ファスナーも素敵なデザインなので、興味が湧いたらぜひこのページで確認してみてください。

どちらのデザインにせよ、葬儀では立ったり座ったりすることが多いため、正座したときにスカードの膝が隠れる程度の丈を目安にしてください。
そのため、ある程度は余裕のあるサイズにしたほうが良いですね。

葬儀や法要のことで分からないことがあったら他にも記事があるのでご覧ください。
葬儀法要等で恥をかかないための知識集~目次

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