夏休みの自由研究で理科の実験をしたい、という場合にやりやすいのが塩の結晶作りです。
これは小学生5年生の理科実験の要素が含まれているのですが、5年でなく低学年でもお母さんと一緒に出来る「工作」に近い感じの簡単な作業で済むのが良いところです。
ただ、結晶を作るのは簡単かもしれないけど、まとめ方で悩むのでは?という心配もあるでしょう。
今回は、塩の結晶作りとまとめ方について、小学生の低学年から5年生6年生向けのちょっとレベルを上げる発展的な実験を含めてお話しします。
■手間をかけた結晶作りなら、ミョウバンの結晶作りがおすすめです。
→自由研究でミョウバンの結晶の作り方は?中学生向けまとめ方は?
自由研究向け 塩の結晶の作り方
最初に塩の結晶の作り方についてお話しします。
【使う材料と道具】
(a)結晶作り用の材料と道具
・塩 400g
・水 1L
・モール 数本(無ければワイヤーと木綿糸等※)
・鍋
・ペットボトル1.8L 1本
・割り箸 1本
(b)保温箱の道具
・発泡スチロール箱(無ければ段ボール箱)
・新聞紙やタオル
【下準備】
(1)モールorワイヤー
モールやワイヤーは、好きな形を作って、糸をつけて割り箸でぶら下げるようにします。
※ワイヤーを使う場合、形を作る前に木綿糸をグルグル巻きつけてから行います。
(結晶が付きやすくなるために、木綿糸の間隔を少し開けてワイヤーに巻き付けることが大切です。)
(2)食塩水を入れる容器
ペットボトルをカッターで約半分に切って、下半分を使います。
(3)保温箱
発泡スチロールか段ボール箱に新聞紙を入れて保温性を高めます。
我が家でやったのはこんな感じです。
↓
【手順】
(1)鍋に水と塩を入れて沸騰させ、お玉等でよくかき混ぜて溶かしていきます。
塩が全部溶けた場合は、塩を追加して入れていき、塩が溶けなくなり結晶が浮くまで行います。
(2)食塩水をペットボトル容器に移して発泡スチロールか段ボールの保温箱に入れます。
割り箸につけたモールやワイヤーを容器に入れます。
(容器にモールやワイヤーが接触しないようにします。)
※ここで保温箱を使うのは、結晶をきれいに作るためで、ゆっくり冷ます方が大きい結晶が出来やすいです。
(3)保温箱に蓋をして丸1日放置します。下の写真は丸1日経過時点のものです。
(4)取り出して水分を吸い取り、エアコンの下などにぶら下げて乾燥させます。
(拭き取る場合、ティッシュだとケバケバがくっついてしまうため使えませんが、キッチンペーパーなら大丈夫です。)
※もっと大きい結晶にしたいなら、(1)から(4)を繰り返して行います。
下の写真は丸2日経過時点のものです。
(5)学校提出までの保管など
ジップロック等に乾燥剤を入れて密封保管します。
湿気が入ると白く濁るのでご注意ください。
(6)学校で展示する時
黒い紙の上に置くと結晶の美しさが引き立ちます。
また、触ると結晶が取れやすいため、見学する人が触らないよう、黒い紙を敷いた透明な箱に入れるのが良いでしょう。
自由研究のまとめ方で小学生向けは?
まとめ方はレポート用紙やスケッチブック等の数ページに書く方法と模造紙などの大きな紙1枚に書いて掲示する方法があります。
どちらかというと、小さい用紙の方が書きやすいので、書くのが苦手な場合はレポート用紙やスケッチブック等がおすすめです。
目立ちたい場合は模造紙の方が良いのですが、段数や文字の行列を真っ直ぐに書くのは大変なので、一行ごとに鉛筆で補助線を書いておく方が書きやすくなります。
では、実際のまとめ方については、以下の項目を順に書いていきます。
また、上記実験をする際に、準備した道具や実際の作業手順ごとの様子など、写真撮影して用紙に貼りましょう。
(絵が得意なら絵を書いても構いませんが、写真の方がラクでしょう。)
1.タイトル「塩の結晶作り」と氏名を書きます。
2.内容
(1)塩の結晶作りをしようと考えたきっかけ
「~が面白そうだった」「~を自分で見てみたかった」などを書きましょう。
(2)塩の結晶の作り方について
結晶の作り方について、手順、道具等を写真や絵を使って説明しましょう。
(3)どんな結晶が出来るか予想
結晶作りをする前に、どんな結晶が出来るのか予想してみましょう。
(4)実験の結果
どんな結晶が出来たか、行った日数などを含めて写真付きで書きましょう。
(5)分かったこと
結晶を作ってみて気付いたことや、作る前の予想と比べてどうだったか等の考えを書きましょう。
(6)感想
「こうすればもっと結晶が大きくなったかもしれない」
「次はこんな工夫をしてみよう」
というような反省なども含めて、感想を書きましょう。
(7)参考資料
塩の結晶を作る上で参考にした本などがあれば、タイトルや出版社名を書きましょう。
自由研究で小学生5年生6年生向けハイレベル実験は?
単に塩の結晶を作るだけなら低学年でも出来ますよね。
細かいことを考えても高学年である5年生や6年生だと「簡単過ぎと思われたら心配」「物足りない気分」と悩む人もいるでしょう。
その場合は、塩に関する次のような現象を「なぜそうなるのか?」と考えて、もう一度確認の意味で実験してみるとレポートの枚数が増えて理科実験らしく充実したまとめ方が出来るでしょう。
なぜ時間が経つと塩の結晶が出来るのだろう?
水に塩を入れて溶かしていき、もう溶けない状態(飽和食塩水)にして放置しておくと水分が蒸発して、塩が透明な立方体の結晶になります。ゆっくり温度が下がっていくと、大きな結晶が出来ます。(気温、湿度、風通し等の条件によって異なるので、1つの条件を変え、その他は同じ条件下で実験しましょう。)
塩はどの程度水に溶けるか?
20度の水100mlに対して塩は約36g溶けます。また、温度が変わっても、溶ける塩の量はさほど変わりません。(若干、温度が高いと多く溶けます。)
温度計があれば、塩がどの程度水に溶けるか、という実験を追加する方法もあります。水の量は100mlで統一し、水温を10度、30度、50度、70度、90度等と条件を変えます。一定の間隔で塩を溶かしてみましょう。
(塩は小さじ1杯ずつ入れてかき混ぜ、全部溶けたら2杯目を入れます。これを繰り返し、何杯目で溶けなくなるか確認します。
塩小さじ1=約5~6gなので、塩の重さを量らなくても、ある程度の目安になるでしょう。)
最終的に溶けた塩の重さは、次の式で算出できます。
溶けた塩の重さ=(2)-(1)
(1)塩を入れる前の重さ(容器+水100ml)
(2)塩が溶けなくなった時点の重さ(容器+水100ml+塩)
塩以外の物質はどの程度溶けるのか?
塩以外にも、砂糖や重曹、ミョウバンなどを溶かす実験を追加しても面白いですよ。
溶かす手順や、溶かした物質の重量は上記と同じ方法で出来ます。
■塩に関して情報が欲しい場合は下記のWebサイトが参考になります。
→公益財団法人 塩事業センター:塩百科
■墨田区には博物館があるので実際に目で見て塩について学ぶことができますよ。夏休み期間はイベント満載なので、可能なら行ってみると自由研究課題に役立つでしょう。
→たばこと塩の博物館
さいごに
塩の性質や実験については5年生の教科書に掲載されていますが、小学生低学年から高学年まで自分の興味に応じて誰でも楽しみながら出来る課題の1つです。また、夏休み以外では、12月にクリスマスツリーのオーナメントとして飾るのもきれいです。理科の実験で迷ったら、塩の結晶作りを親子で楽しみながらやってみては如何でしょうか。
◆夏休みの自由研究や読書感想文で困ったら?~夏休み課題目次ページ
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