ゼラチンと寒天の違いを自由研究でやるには?パイナップルによる実験

勉強

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ゼラチンと寒天の違いを夏休みの自由研究課題にする場合、どのような実験や考察をすれば良いのでしょうか。

前記事(夏休みの自由研究でゼラチンの秘密に迫る!パイナップルとキウイ実験)ではゼラチンだけに焦点を当ててお話ししましたが、今回はゼラチンと寒天の違いに焦点を当て、パイナップルを使った実験方法などを含めてレポートのツボについてお話しします。

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ゼラチンと寒天の違いを自由研究でやるには?

ゼラチンと寒天の違いについて自由研究のテーマにする場合、実験する前に2つの違いについてまとめておくと、実験の方向性が分かってやりやすいです。そして、「まとめ」はレポートの最後のまとめとして使います。

ゼラチンと寒天の違いについて

ゼラチンと寒天は両方とも液体を固める性質がありますが、ゼラチンの原料が動物性であるのに対して、寒天の原料は植物性です。このことから、次のような、様々な性質の違いがあります。

【原料】

ゼラチンの原料は牛や豚の皮膚や骨などに含まれるコラーゲンに熱を加えて抽出したもので、栄養素の殆どがタンパク質です。

一方、寒天の原料は海藻のテングサ(天草)の細胞壁成分で、海藻を煮て溶かしたものを漉してから棒状に固めて、それを寒干ししたものです。寒天の栄養素の8割以上は炭水化物です。

【ゲル化の条件と阻害するもの】

ゼラチンが固まる温度は10度以下なので、通常は冷蔵庫に入れないと固まりません。タンパク質が主成分ということから70度以上に加熱するとタンパク質が変性して固まらなくなる可能性があるため、溶かす際は沸騰させる前に、ゼラチンが溶けた時点で火を止めるようにします。
また、酵素が豊富な南国系の果物(パイナップルやキウイ、パパイヤ等)を一緒に使うと固まらなくなります。

寒天が固まる温度は38度以下なので常温でも固まります。また、1%以下の濃度でもゲル化が起きます。一度固まると85度以上にならないと溶けません。
また、寒天は酸味の強いものと一緒に煮溶かすと繊維が切られてしまい、冷めた時に繊維が絡まなくなるため固まりません。そのため、酸味の強い柑橘系で寒天を作る場合は、寒天液を溶かして火を止め、粗熱を取った時点で加えましょう。

【食感】

この食感の項目については私の感覚で書いています。皆さんが書く時にはご自身の五感で感じたことを書いて下さいね。

ゼラチンの方がプルプルしていて柔らかく粘りがあり、口の中で転がすように食べるため、「口溶けが良い」という感じです。
寒天はどちらかというと硬く粘りがなく、口の中では(ゼリーよりは)噛んで食べるため、「歯触り」を感じるはずです。
(ゼラチンの硬さは寒天の約1/10です。)

一度固まったゼラチンや寒天を口の中に入れると、ゼラチンは口の中で溶けだしていきますが、寒天はいつまで経っても溶けません。
これは、ゼラチンや寒天が再び固まる温度の違いがあります。(寒天は一度固まると85度以上にならないと溶けない性質があるからです。)

また、甘みについては、感覚の問題ではあるのですが、同じジュースでゼラチンと寒天を固めた場合、ゼラチンの方が寒天よりも若干甘みが強いと感じるでしょう。これは、口の中に入れると寒天は溶けませんが、ゼラチンは口の熱で溶けだすため甘みを感じやすいからです。

【食べ物での使い方】

ゼラチンは、ゼリーだけでなくババロア、ムース等の洋菓子に使う傾向があります。
寒天は、あんみつ、フルーツポンチ、水羊羹等の和菓子に使う傾向があります。

では次に、ゼラチンと寒天の実験を行いましょう。


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ゼラチン寒天パイナップルによる自由研究の実験方法

【用意する物】
プラスチック容器 4個
粉ゼラチン 5g
粉寒天   2g
生パイナップル

(1)ゼラチン液を作ります。
ⅰ)ボウルの中に熱湯250mlを入れ、粉ゼラチン5gを振り入れてよく混ぜ、完全に溶かします。
ⅱ)プラスチック容器2個に均等に入れます。

(2)寒天液を作ります。
ⅰ)鍋に水300mlと粉寒天2gを入れて火にかけ、かき混ぜながら2分間弱火で沸騰させます。
ⅱ)プラスチック容器2個に均等に入れます。

(3)ゼラチン液と寒天液それぞれ1個の容器に生パイナップルを入れます。

(4)暫く常温で放置します。(=「常温で固まるかどうか」の実験)

(5)暫くしたら様子を確認して記録をつけ、冷蔵庫に入れて冷やします。(=「冷蔵庫で冷やしたときに固まるか」の実験)

様子を見るポイントとしては、次のようなことがあります。(他にも思いついたものがあったらやってみて下さいね。)

何も入れていないゼラチン液と寒天液の比較
・ゼリーの色の違い
・触った時の弾力、粘りの違い

パイナップルを入れたゼラチン液と寒天液の比較
・固まったかどうか

その他、パイナップルを入れた液と何も入れない液の比較
(ゼラチン液同士、寒天液同士)なども弾力や粘りなどの違いについても確認すると良いでしょう。

下の写真は我が子が実験したものです。
左上から順に、寒天(生パイナップル、生パイン搾り汁、パイン100%濃縮還元ジュース、何もなし)、左下がゼラチン(生パイナップル、生パイン搾り汁、パイン100%濃縮還元ジュース、何もなし)となっています。

寒天は4種類とも室温で固まり、ゼラチンは室温では固まらず、その後冷蔵庫に入れたところ、濃縮還元ジュース、何もなしについては冷蔵庫で固まり、生パイナップル、生パイン搾り汁は冷蔵庫でも固まらないという結果になりました。
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さいごに

寒天は常温で固まるけど、ゼラチンは常温だと固まりません。
パイナップルを入れると、寒天は固まるけど、ゼラチンは冷やしても固まりません。
このような結果から、パイナップルに含まれている酵素はゼラチン(タンパク質)を分解するけど、寒天(炭水化物)は分解しません。

・・・というようなことを導くことができるでしょう。

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