布の水通しは簡単に出来るのでしょうか。
裁縫をあまりしない人だと、
「水通しした方が良いのだろうけど、水につけて大変なことになったらどうしよう・・・」
と心配しちゃいますよね。
今回は、我が家でやっている水通し方法について、
・水の浸け置き時間
・脱水方法
・干し方
・アイロン方法
以上を中心に分かりやすくお話しします。
■水通しについて色々気になる場合はこちらの記事がおすすめです。
→水通しは全ての布に必要なの?洗剤や柔軟剤は?洗濯機は使えるの?
布の水通しで簡単な方法は?
布の水通しは、洋裁のプロだとかなりきっちり行うので初心者にとっては敷居が高い気がしますよね。でも、なぜ水通しや地直しをするのかという趣旨を理解し、作業のポイントを押さえておけば、初心者でもさほど難しくありません。
水通しや地直しをする理由については別記事で詳しくお話ししましたが、
- 縮んだり色落ちする素材だから、作る前に安定させるべき
- 織られた時点での歪みを直すべき
このようなことが挙げられます。
水通しのポイント
水通しの流れは以下の通りです。
この一連の作業の中で、
以上のことに注意すれば大丈夫です。
では次に、実際の作業について細かくお話ししておきます。
布の水通しの浸け置き時間は?【作業1】
水通しは、水をたっぷり張った洗面器やバケツに、購入した布をそのままの畳んだ状態(※1)で入れ、優しく数回押し洗いして水分を浸透させ、そのまま半日くらい(※2)浸け置きします。
※1 購入したままの状態だと布全体に行き届かない可能性があるので、蛇腹折りに折り直して行う、という人もいるそうですが、大きい布を蛇腹折りに直すと嵩張るので、我が家ではそのまま行っています。その代わり、きちんと布全体に水が浸透しているかを確認しますし、長めに浸け置きしております。
※2 浸け置き時間は布の種類によって最適時間が異なり、最低限の目安は以下の通りです。
- ガーゼ等(軟らかい素材)30分
- その他の綿 1時間
- 麻 4時間
ただ、沢山の布を水通しする場合は中まできちんと水が浸みこまない可能性もあるので、出来れば半日くらい浸けておく方が安心です。また、浸ける洗面器も大きい方が水を沢山入れやすいため、浴槽に水を張ったり洗濯機を使う等の方法もあります。
また、何種類かの布がある場合には、染料が異なるため、別の洗面器に浸けておきましょう。色が結構出る場合は、水を交換してまた暫く浸けておきます。
十分浸け置きして、水がきれいな状態になったら次の作業に進みます。
水通しの脱水方法は?【作業2】
水がきれいな状態になったら畳んだままの状態で洗濯ネット(小さめがおすすめ)に入れて、洗濯機で脱水しましょう。(もし水がきれいにならずに染料が出ているままだったら、軽く脱水を行い、再度きれいな水に浸けて脱水する、という作業を繰り返します。)
皺になる前に取り出したいため、脱水時間の目安は20~30秒です。
我が家の脱水は1分未満の設定ができないので、とりあえず1分にしておき、高速回転が始まったら20秒程度で「切」ボタンを押して切ってしまいます。この時点ではロックが掛かっているため蓋を開けることが出来ませんが、その後「入」にすると数秒程度でロックが外れるので蓋を開けて取り出すことが出来ます。
ちなみに、逆に「実際に使うとなったら洗濯機で普通に洗濯するのだから、水通しする時点からしっかり脱水する方が良い」という見解の人もいます。ですが、脱水時間が長くなればなるほど皺が増えてアイロン掛けが大変になるため、それを考慮して脱水時間を決めて下さい。
水通しで布の干し方は?【作業3】
直射日光を避けて風通しの良い場所で干して、半乾きになったら終了というのが基本です。ですが、大きい布を干すには広いスペースが必要ですよね。なので、直射日光の当たる場所しかない場合は短時間で済ませるように注意すれば問題ないでしょう。
それよりも、干す際に注意したいのは干す時の形状で、次の2点なのです。
- 縦二つ折りで干す。
- 横の布目が真っ直ぐになるよう揃えて干す。
縦二つ折りにせず、全部広げて干すと早く乾きますが、皺や布の方向が歪んだリ曲がったりする可能性が高いです。次のアイロン掛けでお話ししますが、干し方次第でアイロン掛けが楽になるので、干す際に上記2点に注意しておく方が良いのです。
正確には、洗濯ばさみを使うのも歪みの原因になるかと思いますが、洗濯ばさみが無いと、外に干す場合は風で飛ばされる可能性もあるので最小限留めるようにしています。
布の水通しでアイロン方法は?【作業4】
半乾き状態の布をアイロンで揃えていきます。我が家では、縦横の目を揃えやすいよう、干した時と同様に縦二つ折りのまま、裏面からアイロンしています。もし乾きすぎた場合はスチームアイロンにしましょう。
(干す際に、横の布目が真っ直ぐになるよう揃えて干せば、このアイロンは不要になります。布を数メートル単位で買った場合は長くて重たくなるため、干すのも大変だし、アイロンするのも大変です。ですから、アイロンをしないで済むよう、干す際に横の布目が真っ直ぐになるよう揃える作業は重要です。)
地直しでは最後のアイロン掛けが勝負で、洋裁のプロだと、かなり厳密にやるようです。
その方法は、アイロンの際に、
「端の横糸を1本抜いて、横のラインを正しく出しておき、それを基準線にして物差しを使って縦ライン(耳)と垂直になるよう揃えていく」
という作業です。
でも、この作業は慣れないと難しくて、途中で切れることも結構あります・・・。(←私は苦手です。)
その場合、切れた糸と同じ箇所の糸を探して目打ち等で引き出して続けていきます。でも購入してきた反物はギザギザしたり、斜めになっていることが多いので、その場合には、そこから真っ直ぐにカットしていきましょう。
また、私の場合は、無地の場合には上記方法でやりますが、柄物の場合は、柄を合わせるという方法で縦横を合わせてアイロンしていくことが多いです。
この生地はかなり大柄で規則性があったため、このようにインコ柄の高さが合うようにアイロンしました。
布の水通しでガーゼの場合は?
ガーゼ生地は目が緩いし平織なので歪みやすいです。そのため、必ず水通しする方が良いでしょう。その際に、布の端にジグザグミシン(またはロックミシン)をかけておくと作業が楽になります。
特にガーゼ生地の場合、二重、三重になっていることや、目が緩いことから歪みが多い可能性が高いです。また、端がほつれやすい性質があるため、ほつれないように端を処理する必要があるのです。
さいごに
水通しは手間がかかりますが、長持ちさせたいなら後悔しないためにもやっておく方が良いですよ。今回の記事が参考になれば幸いです。
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