梅シロップや梅干しを作ろうと思って大量の梅を買ったのだけど、
買った梅を家で見たら、意外と傷んだ梅が多くてショック(ノД`)・゜・。
・・・というような経験をしたことがありませんか。
こういう梅ってどうすれば良いのか分からず悩むのですよね。
今回は、
・傷みかけた梅は梅シロップや梅干しに使えるのか
・傷ある梅は、どのくらいまで除くべきか
・斑点やゼリー状の物体がある梅は使えないのか
これらについて、八百屋さんで聞いたり、調べて判明した意外な事実についてお話しします。
梅シロップに傷んだ梅は使えるの?
様々な市販のレシピなどを調べると「梅シロップを作る場合は傷のない梅を使う」と書かれていることが多いです。
この理由としては、
・傷のある梅を使うと傷みが全体に広がってしまう可能性がある
・梅シロップはアルコールを使わないため、更に傷みが広がる可能性がある
このようなことが挙げられます。
では、焼酎等アルコールを使う場合なら傷んだ梅が入っていても大丈夫か、というとそうではありません。まあ、アルコールを使わないよりはマシでしょうけど。ですから、傷んでいるかもしれない、という梅を使う場合はくれぐれも注意しなければなりません。(最終的に、自己責任になりますので、それが不安な場合は全て排除する方が間違いありません。)
梅の傷に対する八百屋さんの意見
でも、「傷んでいる梅」というのは実際どのくらいの梅を言うのでしょうか。昨年まではレシピを鵜呑みにしたものの、勿体無い気持ちもあり、酷い傷は大きく切って入れたりしていたものですが、今年は行きつけの八百屋さんで訊いてみました。
すると、
「使えない梅なんて1つもない!
全然無駄な部分なんてないんだよ。
無駄な部分は種だけ!」
と力説されてしまいました。
売る方としては「ウチでは悪い梅なんて売ってませんよ」と言いたいのは分かるのだけど、それじゃあ根拠が分かりませんorz
なので、もう少し突っ込んで聞いたところ、「残りの梅はお客さんに出さずに全て自分のところで梅干しにして1ヶ月後くらいに売り出すけど、斑点があっても全て使っていて良い梅干しが出来るから。実際に作っているんだから間違いないよ!」とのことでした。
確かに昨年も7月の土用の日頃になると、この八百屋さんで大量に梅干しを販売していたのですよね。なるほど、過去の実績十分ということですね。
傷のある梅を我が家で漬けてみました
今回、訊くにあたって近所の八百屋さんで買ったのは南高梅4kgと、青梅1kgでした。南高梅は1kgあたり550円、青梅は1kgあたり300円。(青梅は南高梅に比べて安いです。)
熟成度は、南高梅、青梅ともに良い状態なので今日から調理に使える、とのこと。南高梅は赤、黄、緑色と3色バラバラでしたが、八百屋さん曰く「全て熟しているから問題ない」でした。
状態について言うと、
南高梅→高いだけあって傷や斑点は3~4個しかなくキレイな状態。なので直ぐに梅干しにしました。
青梅 →茶色の斑点部分が半分以上あり、傷もいくつか目立っていました。
結構多いですよね(;´・ω・)
八百屋のおじさんは胸を張って大丈夫と言うけどやっぱり心配・・・。
ということで、結局、下の写真のような大きな傷はカットして使いました。
この梅は押された状態だった上に、かなり表面がジュクジュクしていたのです。
でも、多少の斑点は心配しつつ、そのまま漬けてみました。まあ、穴を開けて漬け込むため、傷があるのも大して変わらないかなあとも思います。
1日経過した時点でこんな状態になっています。ジップロックなので重石を使わずに早く砂糖に馴染んでいきます。
ちなみに、梅シロップは約10日で漬け込み終了ですが、傷ついた梅があると発酵しやすいので注意しなければなりません。
もし発酵して泡がブクブク出てきた場合は、その時点で梅を取り出してシロップだけクッキングペーパー等で漉して鍋に入れ、一煮立ちさせましょう。こうすることで発酵が止まります。(直ぐに止めずに弱火でもう少し煮ると加熱殺菌になります。)
■梅シロップの作り方はこちらの記事をご覧ください。
→梅シロップの作り方は?発酵防止策は?実際に発酵した場合の対処は?
とはいえ、梅の傷はやはり気になるので具体的な症状をいくつか調べてみました。すると、意外な事実が判明したので次にお話しします。
梅の傷みかけ どのくらいまで使えるのか?
梅の傷は「ちょっと梅が押されてしまったので心配」という程度の場合は、虫食いの穴等がなければ問題と考えて大丈夫!ただし、そのまま放置するとますます柔らかくなるため、出来るだけ早く洗って加工しなければなりません。
梅は段ボールで八百屋さんまで運ばれて、そこで1~2kgの袋詰め状態で販売されるのですが、梅は密接状態で運ばれるため、梅同士が擦れて変色してしまうことがよくあります。これは傷かというと、そこまで至ってない状態です。だから、傷かもしれないから取り除く、という考え方はしなくて大丈夫です。そのかわりに、良い状態のうちに、なるべく早く漬けてしまう方が良いのです。
梅に斑点がある場合は使えるの?
結論から言うと、
見た目が悪い斑点がある梅の方が、見た目の良い梅よりも体に安心!
なのです。
これ、意外ですよね。
でも、なぜ斑点ができるのかを理解すれば納得のはずです。
梅に出てくる斑点は、黒星病やすす班病という病気なのです。
・黒星病→ほくろのような黒い星がついてしまう
・すす班病→木を燃やすと出る「煤(すす)」のようなものが梅を覆う
病気というと体に害があるのではないか、と心配になるかもしれませんが、実は梅にとっては病気でも、それが人間に害を及ぼすものではありません。この2つの病気は見た目が悪いため、心配になったり汚いと感じるだけの話です。
黒星病やすす班病は、日当たりが悪いことや風通しが悪いことが原因で発生する病気なので、日当たりをよくするために木を少し剪定して予防する方法があります。けれど、多くの場合は確実に病気予防をして見た目を美しいままにするために農薬を使っています。これを考えると、農薬を使って見た目がきれいな梅よりも、斑点がついて見た目が悪くても無農薬の方が体に安心ですよね。
梅にゼリー状の塊がある場合は使えるの?
沢山の梅を見ると、時々梅の実から押し出されたような、透明な雫がゼリー状になった塊がついていることがあります。これは、「ヤニ果」と言い、成分は梅の実に含まれている多糖類です。だから体に害はありません。
では、梅を加工するのも大丈夫か、というと実は梅干し等には向かないので取り除くべきです。ただし、梅干しに向かないのは成分が理由ではなく、食感が悪いからです。この梅を加工すると「食べた時にしこりとして残ってしまう」のですよね。
ちなみに、ヤニ果になる原因は複数の説があるのですが、その1つに、植物に必要な栄養素の1つであるホウ素等が不足したためになってしまったとか、雨が少なく乾燥傾向だとヤニ果が促進される、というようなことが言われています。
梅シロップの場合には、梅エキスを出した後に梅を食べるわけではないので、梅干しと違ってあまり神経質にならなくても良いかなあと思います。
以下の梅は「ちょっと訳アリ」商品ですが、大粒で完熟の南高梅が安く大量購入できるので楽天ではとても人気があります。
評価も4.2超という高さです。ただ、コメントを見ると「予想以上に良かった」という人と「予想外に傷んでいた」という人の両方があったので、その時の「運」が左右するのかもしれません。
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高くても良い物を安心して飼いたい場合は、以下の梅の方が良さそうです。
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さいごに
梅に茶色っぽい斑点等があるとショックを受けますよね。
でも、斑点は病気の一種とは言われているけど、私達人の体に害を及ぼすものではありません。ちょっとであれば柔らかくても直ぐに作れば問題ないし、カビや腐敗を考えれば、使う前にきれいに洗って完全に乾かせばカビの心配が減ります。
ぜひ、買ってきた梅を大事に使って下さいね。
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