桜とさくらんぼの違いは?ソメイヨシノも食べれる?種を植えると実は?

違い

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「桜の花とさくらんぼって違いはあるの?」
「桜の花に実がなっているから取って食べてもいい?」

と子供に聞かれて困ったことはありませんか。
花見をしたソメイヨシノに実がなっている場合、
食べても問題ないか分からない人も少なくないです。

今回は2つの違いや観賞用桜の実も食べれるか、
また、さくらんぼの種を植えると実が出来るかなど、
さくらんぼを子供と楽しむためのマメ知識をお話しします。

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桜とさくらんぼの違いは?ソメイヨシノの実も食べれる?

桜とさくらんぼ(和名:桜桃=おうとう)は、両方ともバラ科モモ亜科サクラ属サクラ亜属で、花弁や種の特徴が似ています。(サクラ属はスモモ属と呼ぶこともあります。)

【観賞用の桜といえば?】

桜には数百もの品種があり、代表的な品種の1つにソメイヨシノ(染井吉野)があります。
ソメイヨシノは気象庁の桜前線として指標になっていますし、花見といえばソメイヨシノが一般的です。
ですが、ソメイヨシノのような花見の桜はあくまでも「見るのを楽しむ」桜であり、食べるための桜ではありません。

ソメイヨシノは江戸時代に植木職人がオオシマザクラとエドヒガンを交配して作った観賞用品種で、自家受粉が出来ないため実をつけにくく、つけた場合でも最大でも1cm程度の実で、酸っぱい、苦い、渋いなどの味のため、食用には向きません。
毒性はないので口に入れても問題ありませんが、美味しくないので口にしないほうが良いでしょう。
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ちなみにこれは、近くの公園の桜なのでソメイヨシノの実だと思われます。実は1cm程度の大きさでした。

【食用の桜といえば?】

一方、さくらんぼとして知られている桜としては、寒い地方で育つセイヨウミザクラ(西洋実桜、甘果桜桃)や暖かい地方でも育ちやすいシナミザクラ(支那実桜、暖地桜桃、中国実桜)があります。
これらの花は白くて地味ですが、ご存知のように市販のさくらんぼは観賞用桜と異なり直径2cm以上で甘い実をつけます。
ただ、シナミザクラはちょっと酸味が強いです。食べて美味しいと感じるのは、育てにくい、寒い地方で手間ひまかけて育てなければならないセイヨウミザクラで、佐藤錦やナポレオンのような品種はここに含まれます。

【さくらんぼの受粉について】

桜やさくらんぼの木はソメイヨシノだけでなく交配品種が多いです。

一般的に、「交配された場合は同一クローンの花粉では受粉できない」という性質があり、実をつけるには近くに他の品種の桜の木が必要になります。しかも、相性もあり、近い系統の品種であるなどの要素が必要です。

さくらんぼの場合も同じなので、さくらんぼ農家では必ず2種類以上の品種を同時に植えて受粉させるようにしているのです。
(佐藤錦にはナポレオンを交配させることが多いです。また、シナミザクラは品種が異なり自家受粉が可能です。)


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さくらんぼの種を植えると実がなるの?

子供にさくらんぼを食べさせると

「さくらんぼの種を植えて、さくらんぼを作りたい!」

と誰でも一度は思いますよね。
これは、可能といえば可能なのですが、実際に種から蒔く場合、芽が出て実がなるまで少なくとも5~6年かかりますし、さくらんぼは自家受粉できないので最低2本、違う品種のさくらんぼが必要です

気長に構えなければいけませんが、自分の蒔いた種が芽を出して木になり花が咲き、実をつける過程を子供に見せることは良いことですので、庭に余裕があるならぜひ試したいものです。
(本気でやりたい場合は、庭に根を張らせるよりも、大きめの植木鉢で根をぎっしり張らせるほうが、木がストレスを感じて実をつけやすいのだとか。)

【さくらんぼの種の植え方と育て方】

(1)食べるときに種のまわりのぬるぬるした実をきれいに取り除き、よく洗います。

(2)約48時間水に浸けておき、浮いた種は捨てます。

(3)(2)の後は種を乾燥させないうちにプランターに3cm間隔程度で植えます。
植える土は通気性が良く肥料分がない土が良いので市販の種まき用の土がおすすめです。
植える深さは1cm程度で、種の直径の2倍の土で覆うようにします。

(4)風の通らない北側などの涼しい場所に置き、夏は乾燥させないように、冬は凍結させないように注意しながら水遣り等を行いましょう。

(5)芽が出たら、たくさん日に当てて水遣りをします。
さくらんぼの木は水を切らすとすぐに枯れてしまうので、水遣りをサボらないようにしましょう。

※低音潤湿処理する方法

(2)の後にすぐにプランターに植えずに翌年2月頃まで低温潤湿処理する方法もあります。
この場合、種を翌年2月まで冷蔵庫に入れておき、2月になったら取り出し、室内の涼しい所に置いておき、発根させます。
この時に外殻が割れるので、殻を剥いて土に植えます。

【注意事項】

・さくらんぼの種は乾燥に弱いので湿った状態で保管します。
・発芽するのは3月頃です。
・発芽率は5割以下と考えておくほうがよいので、もしやりたいなら多めに種を取って、あるだけ全て使いましょう。

・さくらんぼは食べた品種と同じ実になりませんし(他の果物も同じようなものが多いです)、佐藤錦のようなおいしい品種の種であっても、育てた実は交配したものなので親と違い美味しくない可能性が高いです。
(先祖返りすると劣化するといわれています。)


さいごに

食用のさくらんぼは甘くて美味しいのですが、
ソメイヨシノなどの観賞用桜の場合は実がならないものもありますし、
なったとしても美味しくないです。

毒性はないので口にしても問題ありませんが、渋さや苦さを感じるので
止めたほうが良いと子供には教えましょう。

さくらんぼの実に興味がある場合は、食べたさくらんぼの種を取って
植えてみるのがおすすめです。
自分で植えて成長を楽しむことで食べ物の大切や命の大切さを理解することができます。
発芽率が低いし、発芽するのは翌年3月頃なので気長に構えないといけませんが、
ぜひ親子で発芽や生長を楽しんでくださいね。

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