横浜三渓園では毎年7月下旬から8月上旬の土日を中心に、蓮の開花に合わせて早朝観蓮会が開かれます。
ところで「蓮の花は開花するときに音が鳴る」という話をよく聞くのですが本当でしょうか。
娘が「蓮の音が聞きたい」と言っていたので実際に聞けるのか、折角のチャンスなので早朝観蓮会に行ってきました。
今回は、早朝観蓮会の様子や、蓮の開花時期や時間、睡蓮と蓮根との違いや関係についてお話しします。
三渓園の早朝観蓮会に行ってきました
横浜三渓園の早朝観蓮会は朝6時から8時半までなので早起きしなければなりませんが、この時期限定の催しなので数百名もの人が6時から観賞しに来ていました。
蓮の葉の面作りや蓮の葉のシャワーもあり、夏休みなので家族揃って来園している人も多かったです。
蓮の葉のシャワーは、夏の暑い時期に見ると涼しい気分にさせられます。
蜂が受粉しに来ていました。滅多に見れない場面だとか。
めしべは中央の大きい部分で2日目は黄色くて艶やかに輝いているのですが、3日目になると黄緑色に変化してしまいます。
おしべは、めしべの周りにある細かい黄色いもので、とても甘く清らかな香りがします。(めしべは匂いません。)
6時というのはまだ日差しも強くないのですが、じっくり観賞しようとすると徐々に日差しが強くなっていくので7時過ぎには帽子を持っていかなかったことを激しく後悔しました。
蓮が開花するときに音は鳴るの?開花時期や時間は?
「蓮が開花するときにポンッという音がする」という話は俗説であり、残念なことに実話ではありませんでした。
そして、この俗説は正岡子規の俳句や石川啄木の詩にもあるため、音が鳴ると信じて蓮の花を観賞しに行く人は今でも多い、と三渓園の蓮の鑑賞会で係の人が説明してくれました。
この真偽について昭和10年に複数の生物学者が上野不忍池に集まり実地検証して「音は鳴らない」という結論を出しました。
蓮の花は数時間かけてゆっくり開花するため、開花時に多少花弁がこすれ合うのですが、人が通常であれば聞こえない16Hz程度しか振動がなく、開花音といえるものではないのだそうです。
それまで蓮の開花音と認識されていた音として考えられるのは、
・鯉やその他の魚のパクパクする口の音
・カエルの跳ねる音
・水中の茎の音
このようにいわれています。
蓮の開花時期や時間は?
蓮の開花は約4日間、見ごろは朝7時から9時頃で、1日毎に状態が次のようになります。
1日目・・・明け方に咲き始めて半開き状態になり、朝10時頃に堅く閉じます。
2日目・・・明け方にだいたい開いた状態になり、朝10時頃に柔らかく閉じます。
3日目・・・明け方に満開になり、朝10時頃には閉じようとして半開きになったままの状態を維持します。
4日目・・・明け方に満開になり、閉じずに散りはじめ、散ったあとは蜂の巣のような花托が出来ます。
明け方といっても、夜中3時くらいからゆっくり開き始め、6時くらいにその日の最大の状態になります。
初日は半開き状態なので、開くまでの時間も少ないです。
蓮と睡蓮の違い 蓮根との関係は?
蓮と睡蓮の違いは?
蓮と睡蓮は両方とも沼地などの水底に根を張り、水面より上に葉や花があるのですが、上記のように分類は全く異なります。
花の咲き方や葉の性質なども似ているようで微妙に異なり、主に次の点で異なります。
蓮根は睡蓮と蓮のどっちと関係あるの?
蓮根(レンコン)はその名の通り、蓮の根を意味します。睡蓮の根ではありません。
また、「蓮の根」といっても、正確には根でなく地下茎です。
蓮の茎は数箇所穴が開いており葉の方も繋がっていますが、下の地下茎も同様にずっと孔(穴)が続いているのです。
(この孔は空気孔といい、三渓園の蓮の葉シャワーも、この孔を利用したものです。育つ環境が空気の少ない泥の中であることから、葉から取り込んだ空気を蓮根まで運ぶ役割を果たしています。)
ちなみに睡蓮の根は、蓮根のように穴が開いておらず、わさびのような形状で食べられません。
さいごに
蓮の花は開くときに音が鳴りませんが、とても清らかな香りで美しい花ですし、じっくり眺めるだけでも心安らぎます。
開花時刻は早朝なので早起きしなければなりませんが、花好きな方でしたら、機会があったら是非一度見るといいですよ。
その際は、帽子や日焼け止めクリームをご持参くださいね。
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