ナメクジとカタツムリとエスカルゴの違いと関係は?食べるのは可能?

雑学

katatsumuri
「ナメクジはカタツムリの殻を取ったもの?」
「エスカルゴは食べるものだし、ナメクジやカタツムリも食べられるの?」

と子供に聞かれたことはありませんか。

いやいや、それは違うでしょ?とは思うものの、姿が似ているから否定できませんよね。
果たしてこの3つは分類が関係あるのでしょうか。

今回は、ナメクジとカタツムリとエスカルゴの違いや関係、食べるのは3つとも可能か等についてまとめました。

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ナメクジとカタツムリとエスカルゴの違いは?

ナメクジは、カタツムリが進化して貝殻が無くなったものです。
カタツムリは、水生の巻貝が進化して陸で生活するようになったもの。
エスカルゴは、カタツムリの一種で食用として衛生管理されたものです。

では、1つずつ分類や特徴などを見ていきましょう。

カタツムリの分類と特徴


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カタツムリは、物学上では「軟体動物門 腹足綱」に属しますが、細かい区分は地域ごとに異なるため厳密な定義がなく、陸貝で殻のないものがナメクジ、殻のあるものがカタツムリ、デンデンムシとなっています。

カタツムリの特徴として次のことがあります。

  • 有肺類※の陸貝である
  • 蓋がない
  • 触角は2対あり、その先端に目がある(そのため先端は丸みがある)
  • 殻は球型や饅頭型が多い
  • 殻の中に内臓がある

※生物学上で「有肺」と識別されているのは、肺が存在するのは脊椎動物と陸貝類だけだからです。
ちなみに、昆虫は肺というほどの機能が存在しません。

【参考】カタツムリと似ている陸貝

大きく分類するとカタツムリの仲間でも、カタツムリと特徴が若干異なることからカタツムリと呼ばれないことの多い陸貝もいます。
以下のヤマタニシやキセルガイがその一例です。

(1)ヤマタニシ科(写真はヤマタニシ科の「アオミオカタニシ」です。)
ヤマタニシ科は、カタツムリと形が似ていますが、殻に蓋があることや、触角が1対しかなく、目がその付け根にあるのが特徴です。(下の写真の触角の付け根にポツンとあるのが分かります。そのため、ヤマタニシの触角は尖っています。)

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(2)キセルガイ
キセルガイは、殻が細長いのが特徴です。

(著作権者:Door snail ライセンス:CC BY-SA2.0 wikipedia

ナメクジの分類と特徴

ナメクジは、「軟体動物門 腹足綱 有肺亜目 柄眼目」に属します。
ナメクジはカタツムリが背負っていた貝殻が退化して無くなったものです。
体だけ見るとカタツムリとナメクジは似ていますが全然別の種類の生物です。
当然、「カタツムリの殻を取ったらナメクジになる」ということはありません。
(カタツムリの殻は体の一部であり内臓が中に入っているため、カタツムリの殻を取ると死んでしまいます。)

ナメクジは様々なカタツムリが貝殻を無くす方向へと進化したため、カタツムリと同様に様々な系統があります。
また、完全に貝殻が無くならず、退化途中の形態もあります。
例えば、ヒラコウラベッコウガイは薄く平たい殻があって活動時には殻の殆どが隠れてナメクジのようになり、休んでいる時だけカタツムリのように殻が見えます。


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カタツムリとナメクジ 殻の有無による違いは?

ナメクジも大昔は貝殻を背負っていた生物と考えられていますが、身軽に活動するため貝殻が無くなったといわれています。
殻が無くなることで、石の隙間など狭い場所に潜り込んで隠れることが可能になりました。
ただ、乾燥には弱く、塩や砂糖をかけられると水分を失ってダメージが強い場合は死んでしまいます。(ダメージが弱く、抜け出して水を再度得ることができれば生き延びます。)

一方、カタツムリは殻が重い欠点はありますが、敵に見つかっても殻に入って身を守ることができますし、乾燥を防ぐために殻の中に体を隠して身を守ることが可能です。

【カタツムリとナメクジの雌雄について】
カタツムリ、ナメクジ共に雌雄同体で、オスでもありメスでもある、という特徴があります。
繁殖する場合は寄り添った二匹のうち一方がオスに、もう一匹がメスになります。

エスカルゴについて

エスカルゴは寄生虫がつかないよう衛生的に養殖した食用カタツムリ(リンゴマイマイ、アフリカマイマイ)です。
主にヨーロッパやアメリカで養殖され食用とされています。
フランスのブルゴーニュ地方はワイン産地ですが、ブドウの葉で飼育したリンゴマイマイが最高に美味しいといわれていることから、この地方のエスカルゴは特に有名です。

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カタツムリとナメクジは食べられるの?

エスカルゴは確かに食べられますが、あくまでも衛生的に管理された場所で育てられたものです。
基本的に、カタツムリやナメクジは寄生虫が多いとされているので、エスカルゴのように食べられると思わないでください。
また、野菜等についていた場合、カタツムリやナメクジの這った跡には粘液がついており、そこに寄生虫がついている可能性もあるため、調理の際に注意しなければなりません。

ただ、絶対に食べないか、というとそうではなく、日本でも地方や品種によって食べる習慣がありました。
飛騨地方では、クチベニマイマイをおやつとして焼いて食べていたそうです。
また、喘息や喉に効くと信じられており、殻を割って生で食べる習慣もありました。

ナメクジも、民間療法や中医学で心臓病、解毒、咳止め等の効果があるとされ、生きたまま丸呑みにすることもあったそうです。

ただし、体への効用よりも今は寄生虫の懸念の方が重大なので、食用のエスカルゴ以外は食べない方が良いです。
また、カタツムリやナメクジを触った場合、触った手から口に寄生虫が入らないよう、石鹸等できちんと手洗いすることが大切です。

さいごに

ナメクジはカタツムリが進化して殻が無くなったものであり、エスカルゴは食用カタツムリです。
いずれも貝が進化したものですが、食べることを考えると、寄生虫の懸念があるため食用となっているエスカルゴ以外は食べないのが無難です。

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