法事における女性の服装選びは難しいですよね。
四十九日法要なら葬儀と同じように喪服で大丈夫なケースが多いのですが、年月が経つと「平服で」と言われることも多くなります。喪服なら決まりがあるからラクなのに、平服を指定される方が逆に選ぶのが難しくて困るものです。
今回は、法事における女性の服装の基本から平服指定の場合の対処方法や防寒タイツなどの細かい内容についてまとめました。
法事における女性の服装は?
四十九日法要から三回忌くらいまでは喪服を着るのが一般的で、その後は年月の経過と共に色を薄くするという意味で、喪服でなく紺やグレーを基調の地味な服にしていきます。
ただ、法事における服装は地域や家の慣習によって全く異なるため、最終的には施主や親に相談して決めることが大切です。
男性の場合のネクタイについて別記事で書きましたが、「年数が経つと薄い色にすべきだが、三十三回忌や五十回忌のような弔い上げだけはきちんとした喪服やネクタイにすべき」という考え方の家もあります。ですが、そうでない考え方も多くあります。これはどちらが正しいとか正しくないという問題でなく、その家の考え方次第なのです。
とはいえ、基本的なことは知っておく必要があるので、最初に「一般的な三回忌までのコーディネート」についてお話しします。
- 服→喪服(ワンピース、スーツ※、アンサンブルなど)
- ストッキング→黒色
- 靴→黒パンプスが基本。爪先が出るサンダルやミュール等は避けましょう。
- アクセサリー→結婚指輪、一連パール、オニキスはOKですが、それ以外は避けましょう。髪飾りは黒色なら問題ありません。
※スーツの場合、インナーブラウスは黒色です。(白色はNGです。)
避けるべき物としては次の通りです。
- 光るもの(上記アクセサリー以外。その他、バッグや靴に金色の装飾があるものも避けましょう。)
- 皮革製品(毛皮のコートや革ジャケットは殺生を連想させるため避けましょう。)
ところで、通常であればここでおしまいなのですが、既婚女性の場合はこの他にも重要なことがあります。
それは、
動きやすい服装が望ましい
ということです。
葬儀の時にも通じる話ですが、親戚の集う葬儀法要では、女性の場合、「気の利く嫁」「テキパキしている嫁」でないと後から親戚に後ろ指さされるケースもあるのです。
もちろん、施主やその配偶者の場合はきちんとした喪服が基本なのですが、それ以外の立場なら、会食時に荷物運びしたりお酌をして動き回ることを考える必要があるかもしれません。
こういう考え方は古い慣習のある家、地方の嫁、親が地方出身の嫁などの場合は注意した方が良いでしょう。(私は過去にこれが分からなかったため「嫁として全然なってない!」と葬儀の後に義父の妹に非難された経験がありました。)
ですから、喪服を選ぶ際に、出来ればスーツやアンサンブルの場合でもサイズがきつくないものがおすすめです。また、タイトスカートよりもフレアスカートのようなゆったりしたデザインが良いでしょう。
これに加えて、もし料亭等でなく自宅などで会食を行う場合には、エプロン(黒)か割烹着(白)を身につけていると「やる気がある嫁」だと見られるので、出来れば用意しておきたいものです。
もし喪服が動きづらい場合は会食時だけカジュアル過ぎない範囲に着替える方法もあります。
ただ、この場合、着替える場所の確保や荷物がかさばることを考えると手間なので、出来ればゆったりした喪服があれば、その方が楽ですね。
そうそう、お酌をする際はエプロンや割烹着を外さないと相手に失礼ですので忘れないようご注意ください。
法事の服装について平服でと言われた場合は?
三回忌を境に次のようなコーディネートになっていきます。
- 服→喪服以外の黒、濃紺、グレー等(ワンピース、スーツ※、アンサンブル、ジャケットなど)
- ストッキング→黒色
- 靴→黒パンプスが基本。爪先が出るサンダルやミュール等は避けましょう。
- アクセサリー→結婚指輪、一連パール、オニキスはOKですが、それ以外は避けましょう。髪飾りは黒色なら問題ありません。
※平服の場合のスーツのインナーについては、喪服の時ほど厳密ではないので黒でなく白でも大丈夫という見解が多いです。
ただ、これも家の考え方により異なるため、念のため事前に施主に確認した方が良いですし、それが出来ないのであればスーツ以外の服装を考えた方が良いかもしれません。
避けるべき物としては喪服の時と同様で、金色に光る金具のあるバッグや靴、アクセサリー等や、毛皮のコート等は避けましょう。
また、黒色の服でもラメ入り生地は仏事に相応しくないので避けましょう。
法事の服装で防寒目的のタイツは大丈夫?
女性の法事の靴下は、黒のストッキングでなければなりません。
タイツはカジュアル扱いされているのでNGです。
でも、冬に薄手のストッキングを穿くのは寒いのですよね。だからタイツを穿きたいところですが、これはNGとなっているのでどうすれば良いでしょうか。
私が実際にやった方法は、
(1)ベージュの厚手タイツを穿く
(2)通常の黒色ストッキングを穿く
この2枚重ね穿きによる方法でした。これだと肌の色が黒色ストッキングから透けている感じになるし、寒さ対策にもなります。
また、その他の防寒対策としては次のようなことがあります。
【ブーツ】
ただ、ブーツも本来はNGです。寒さが厳しい地域によっては着用OKとされるところもあるので、事前に施主に確認した方が良いでしょう。
厳密に言うと、ブーツを履いて行きますが、黒い靴を持参して会場の手前で履き替える、という方法が望ましいです。
【コート】
喪服の場合は黒のウールコートが望ましいのですが、地味な色なら問題ないでしょう。
ただ、上に書いたように、毛皮や革ジャンパー等は殺生を連想させるので避けなければなりません。
そして、コートを着て行く場合、必ず会場に入る前に脱いで手に持つのがマナーとされています。
【その他】
防寒インナーや使い捨てカイロなども有効活用しましょう。
さいごに
女性の場合、男性と違って平服指定された場合は自由度が高まり逆に迷うことが多いです。
でも、最終的には家によって許容範囲が全く異なるので、施主や親に「こんな服装で問題ないか」と事前に相談して、周囲と合わせることが重要です。
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