市販の梅干しは減塩が多いし食べ慣れているので、自分で作る場合も減塩にしたいと考える人は多いのですが、カビが心配ですよね。
この場合、ジップロックを使う作り方が簡単で、おすすめです。
ただ、保存時にいくつか注意すべきことがあるので、今回は作り方と保存時の注意事項をまとめました。
梅干し減塩だとカビは大丈夫なの?
昔の梅干しの塩分は20%程度で漬けていたそうですが、最近は健康ブームで減塩の傾向があります。
そして、様々な梅干しのレシピを見ると、15%や10%のものが多いです。
今と昔を比べてみると、昔は塩分が多いなあと感じるでしょうけど、これには理由があるのですよね。元々梅干しは保存食であり、長期保存するためには塩分は欠かせないものだったのです。塩以外に梅のクエン酸と土用干しによってカビ予防をしていたのです。
そして、塩分20%ならカビの問題はありませんが、塩分が少なくなるほどカビが生えやすくなり、塩分12~13%程度を下回る場合はカビが生えないよう、作る時と保存時に十分な注意が必要になってきます。
ちなみに、市販の減塩梅干しは本来の梅干し作りに必要な材料以外にもカビ防止剤などが入っているため問題ないのです。
一方、自家製の梅干しは、どのレシピにも共通していますが、次のようなカビ対策をしています。
- 塩分が少ないと梅酢が上がりにくいため、呼び水として焼酎やお酢を入れる。
- 梅が早く梅酢に浸かってカビが生えにくいよう、ジップロックなどを使う。
- 梅酢にまんべんなく梅が浸かるよう、1日1回梅酢を回す。
- 直射日光の当たらない、風通しの良い場所で保管する。
ちなみに、保管場所については梅酢が上がったら干すまでの間、冷蔵庫に入れるという選択肢もありますが、それでも完全にカビを防ぐことは出来ません。また、冷蔵庫に入れると塩のまろやかさが無くなってしまいます。出来れば直射日光の当たらない、涼しい場所に置いて、1日1回梅酢を回すことでカビを防ぐのが望ましいです。どうしても適当な場所がなく冷蔵庫に入れなければならない場合は野菜室にしましょう。
では次に、減塩10%の梅干しの作り方についてお話しします。
梅干し減塩ジップロックによる作り方(白梅干し)
【材料】
梅(完熟)1kg
粗塩 100g(梅の10%。精製塩はNG)
焼酎35度 35ml
お酢 35ml
ジップロック(大)2枚(二枚重ねにして使います。)
(赤梅干しにする場合は、赤紫蘇100gと塩10gが別に必要です。)
【梅の確認】
梅を購入したらまず、梅が熟しているか確認し、まだ足りない場合は追熟させます。
追熟は、涼しい場所に置いて黄色くなるのを数日待つのですが、まだ青いと感じていても、案外急に黄色くなるので1日毎に様子を確認した方が良いです。(段ボール箱で購入した場合は段ボールの蓋を少し開けた状態で、ビニール袋で購入した場合は紙袋にあけ、新聞紙などを軽くのせて追熟させます。)
上の写真は梅5kg購入した当日のもので、左側2kgは完熟梅、右側3kgは未熟なため、この後2日間追熟させました。
【作り方】
(1)梅を洗います。(完熟梅の場合はアク抜き不要です。)
(2)ヘタを竹串か楊枝で丁寧に取り除き、布巾で1つずつ拭いて水気を取ります。
時間があれば、ざるに上げて半日程度自然乾燥させた方が良いです。
(ここでしっかり水気を取らないとカビが生えやすくなります。)
(3)ジップロックに梅を入れて、上から焼酎とお酢を回しかけます。
(4)ジップロックを閉めて梅を転がすように動かして、焼酎が梅全体に馴染むようにします。
(焼酎とお酢には消毒目的以外に梅と塩がよく絡むようにする目的があります。
(5)塩を入れてジップロックを閉めて、塩が梅全体に馴染むよう手で転がすようにまぶします。
(6)ジップロックに入っている空気を抜いて密封状態に近づけ、梅が平らになるよう並べていきます。(梅が立体的なので完全密封にはならなくて大丈夫です。)
梅1kgだとちょうどジップロックの大サイズ一列に並ぶことができます。
(7)重石をのせ、日の当たらない涼しい場所に保管します。重石は2Lペットボトルに水を1~1.5L程度入れるとちょうど良いでしょう。
写真では、1kgを2段にして、ペットボトルを1本乗せていますが、この後もう1本隣に並べています。
(8)1日で梅酢が出るので、1日1回袋を揺らすことで丁寧に混ぜ、再度重石を乗せておきます。
梅干し保存でジップロックを使う場合の注意事項は?
ジップロックは梅酢を早く上げることが出来るし、使いやすいので便利なのですが、ファスナーは案外外れやすいです。
そして、梅酢が沢山上がってきた段階で横置きにしていると、その重みでファスナーが外れて横から梅酢が沢山流れ出てしまうことがあります。(我が家では何度も経験しました。)
ですから、ある程度梅酢が上がった時点でジップロックを横置きから縦置き(ファスナーが上)になるようにしましょう。
下の写真は丸3日経過後です。この状態だと、このように縦置きにしておかないと梅酢が流れて大変になります。
ただ、梅が梅酢から頭を出している間はカビが生じる懸念があるため、1日1回袋を揺らして梅がまんべんなく梅酢に浸かるようにする必要があります。
また、重石については、最初は実が硬いので重い方が良いのですが、梅酢が上がると共に実が軟らかくなるため、そのままの重さだと重石がグラグラ不安定になってきます。ですから、重石をジップロックを縦置きにする段階で、少し軽くする方が良いでしょう。
さいごに
今回は、白梅干しの作り方をご紹介しましたが、赤梅干しを作りたい場合は赤じそで発色させることが必要です。詳しくは、別記事(梅干しの作り方簡単な方法と土用干しのやり方 カビ対処方法は?)中の「赤じそ漬けの作り方」をご確認下さい。
また、土用干しは梅雨明け後の天気の良い日に行いますが、この方法についても別記事(梅干しの作り方簡単な方法と土用干しのやり方 カビ対処方法は?)をご覧ください。
■梅を使ったレシピは他にも色々あります。
→梅干しの作り方簡単な方法と土用干しのやり方 カビ対処方法は?
→梅干しで余る梅酢の使い方やしそジュースの作り方 ゆかりの作り方
→梅シロップの作り方は?発酵防止策は?実際に発酵した場合の対処は?
→梅エキスの効能と作り方で簡単なのは?1日の量と飲み方は?
■果物レシピ目次
→季節の果物でジャムを作ろう!その他果物レシピまとめ
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