IHとは何の略かご存知ですか。
自宅のキッチンがガスコンロの場合、IHという言葉は無縁ですよね。だからIHがどんな意味か、何の略語なのかと訊かれて答えに詰まっても仕方ありません。
でも、引越し先のキッチンがIHコンロになった場合には、知らないでは済まされないことばかりです。
だって、IHコンロに変更したら、今まで使っていたフライパンや鍋はそのまま使えるのか、新たに買い直さなければならないのか等分からなくて困りますよね。ホームセンター等へ行くとIH対応のフライパンや鍋が販売されていますが、対応と非対応ってどう違うのでしょうか。
今回は、
- IHの意味
- 調理器具のIH対応非対応の見分け方
- IH非対応の場合に対応させる方法
以上のことをまとめました。
IHとは何の略?
IHは、インダクション・ヒーティング(Induction Heating)の略で、電磁誘導加熱という意味です。
この電磁誘導加熱は、コイルに電流を流して磁力線を発生させ、その上に調理器具を置いて接することで電流を伝え、調理器具全体を加熱する仕組みです。ですからIH対応の調理器具は電気を通す材質であり、鉄や鉄の合金など、磁石にくっつく材質を使います。一方、アルミやガラス、セラミック等は磁石につかないためIH非対応となります。
ただ、鉄のような材質でも他に様々な材質が使われていて磁石にくっつかない(または弱い)ものもあるし、逆に、土鍋のようにIH非対応の材質の場合でも、鉄の粉などを混ぜてIH対応にさせるものもあります。
IH対応と非対応の見分け方は?
IH対応か非対応の主な違いは次の通りです。
(1)SGマークの有無
IH対応かどうか判断するのに分かりやすいのが、調理器具についているSGマークです。SGマークは(財)製品安全協会が認定した製品に対して貼られるマークです。SGマークのない製品でも「IH可」と記載されていることがありますが、その場合は火力が弱いか伝わりにくい等の可能性もあるので、新しく購入するのであればSGマークがある物を選ぶのが安心です。
(2)材質による判断~磁石がつくか否か?
IH対応は鉄や鉄の合金で作られており、磁気を通す性質があります。(アルミは使えません。)ですから、磁石をつけてみると分かります。
IH対応の場合は磁石がピタッとつきますが、非対応の場合はつきません。
(ステンレスについては、18-0は磁石がくっつくので問題ありませんが、18-8や18-10等の場合で底面に磁石がつかない場合は、火力が弱いか、加熱できない製品があります。)
(3)形状による判断~底が平らか、丸みを帯びているか?
IH対応の場合は底面が平らで底全体がIHコンロに接する必要があります。ただ、全体的には平らでも、よく見ると底面に渦巻きの溝があったり、エンボス模様などの丸いポチポチしたものが付いている調理器具はあります。一方、中華鍋などのような丸いカーブを描く形はIH非対応になります。
(4)水を入れて加熱できるか
フライパンや鍋に少し水を入れて加熱しようとスイッチONにすると、IH非対応の場合は正常な動作をしない可能性が高いです。例えば、次のような症状が出ることがあります。
- 警告音が鳴る
- 加熱できない(加熱出来ても弱い)
- 温度センサーが反応しないで高温になってしまう(火災の原因になる可能性もある)
IH非対応を使うとどうなるの?
以上のことから、今まで使っていたIH非対応のフライパンや鍋をIHクッキングヒーターで使えるか試してみた時に、
加熱できなかった
ということで諦めるならまだ問題ありません。
でも、
加熱できちゃった!?
という場合にどうすれば良いのか迷いますよね。
このような場合については、メーカー側は、IH非対応の調理器具をIHに使うことは避けるべきという見解です。これはPL法もあるし、当然ですよね。加熱できた場合に恐ろしいのが、センサーが働かないことから高温になって、最悪の場合火災に繋がる可能性があるのですから。
特に、揚げ物などの場合はIH対応の揚げ物鍋を使う方が、熱効率も良いし、今は下記のように温度管理もしやすいようになっているので、出来ればIH対応のものを新たに購入する方が安全だし使いやすいです。
片手天ぷら鍋 20cm IH対応 揚げクック 温度計付き ( フライ鍋 鉄製 鍋 天ぷら 揚げ物鍋 てんぷら鍋 天ぷら鍋 片手フライ鍋 ) |
とはいえ、昔から使っているフライパンや鍋を全部捨てるのは勿体無いですよね。
鉄やホーローなどは磁石にくっつくし、加熱できてしまうので、実際には使っている人も少なからずいるようです。
ただ、IH非対応を使う場合には、温度センサーが働かないことによる高温からの火災は当然注意しなければならないし、もう1つ、熱効率が悪いことを理解しておかなければなりません。
というのも、IH対応の場合は底面が平らなのでIHコンロに密着できます。そうすると、温度のムラが少なくて熱効率がとても良いのです。IHコンロから発生した磁力線を効率よく調理器具の底面に伝えることが出来るし、そこから調理器具全体を効率良く加熱できるからです。そうすると、料理の出来栄えも良くなるのですよね。
例えば、カレーやシチュー等はとろみが強いので、加熱する際に対流が起こりにくいです。このような料理においては温度ムラが生じやすく、仕上がりにかなり影響してしまいます。でも、IH対応の調理器具を使えば熱効率が良いため温度のムラが少なくて料理の出来栄えがかなり良くなるのです。
IHに対応させる方法はあるの?
残念ながら、IH対応しなかった場合でも、
捨ててしまうのは勿体ない!
と考える人も多いですよね。それが思い出の1品だった場合はなおさらです。
その場合、ヒートコンダクターというものを鍋底に入れて使う方法があります。
ただ、こちらは賛否両論です。上記リンク先を見れば分かるのですが、重宝している人もいれば、全く使えなかった人もいます。
ですから、全ての人におすすめ出来る商品ではありませんが(リンク先へ行くと、ページ下段の方に類似商品がいくつかあり、どの商品も同じような評価になっています)、どうしても今までの調理器具を捨てられない、という場合に考えてみても良いかもしれません。ただ、購入する場合は、「自分の鍋に確実に使えるかどうか分からない(駄目かもしれない)」という可能性もあり得ることを理解した上で購入して下さいね。
使えなかった人の口コミを見ると、
- 鍋底の形が平らじゃないと使えないのかも?
- 鍋の厚みがあり過ぎて感知しないのか?
というようなことが書かれていました。
さいごに
今までガスコンロを使っていた人がIHコンロに変える場合、鍋やフライパンを全取り換えしなければならないのか悩むのですが、実際に使えるかどうかは、水を入れて沸かしてみるのが一番早いです。
もちろん、安全のことを考えると総入れ替えするのがおすすめですし、当然熱効率も良いです。でも、費用のことを考えると少しずつ、という人も多いですよね。
その場合は、
- 揚げ物鍋(高温注意のため)
- 煮物用鍋(温度ムラが気になりやすい料理のため)
この2つだけは、最初にIH対応の製品を購入する方が良いでしょう。
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