冬至が祝日でない理由は?一番寒くない理由は?子供と話す豆知識

お彼岸

前記事では、冬至について基本的なことを書きました。
冬至かぼちゃとゆず湯の由来は?子供に説明し風習を楽しむ方法

これで今年の冬はバッチリだわ!と思っていたのですが、
子供から思いがけない、こんな突っ込みが入ってしまいました。

「世界のいろんな国でお祝いなのに、どうして日本は祝日じゃないの!?
春分の日や秋分の日は休みなのに!」

と文句を言われてしまったのです。

確かに、めでたい日といわれてるのに祝日でないのは不思議ですよね。
ですので、今回は、冬至にまつわる「なぜ?」「なに?」を集めてみました。

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冬至(夏至)が祝日でない理由とは?

1.ヨーロッパでは夏至と冬至が盛大にお祝いされます

ヨーロッパの有名な昔話「ハーメルンの笛吹き男」や、
シェークスピアの「真夏の夜の夢」にも夏至の祭りが出てくるのですが、
ヨーロッパのゲルマン民族は夏至や冬至を盛大に祝っていました。

冬至の祭りは、キリスト教が広まった際に「クリスマス」に発展したのです。
ですので、キリスト教徒であるゲルマン民族にとっては、
冬至が「太陽の誕生日」かつイエスキリストの誕生日であり、最も大きな祭になりました。
ユリウス暦ではクリスマスは12月22日だったのです。
それが、現在の暦(グレゴリオ暦)に変わる際に3日ずれて12月25日になった、という話です。

2.日本では?

残念ながら、日本の場合は、夏至は梅雨の真っ最中。
夏至の季節、ヨーロッパは過ごしやすい晴れた日が続いて気持ち良いのですけど
日本は昔からジメジメした天候で、お祝い事をする気分にはなれなかったようですね。

冬至については、今はキリスト教とは無縁の日本でもクリスマスが盛り上がるし、
天皇誕生日が12月23日と、冬至に近いことだし、もうすぐ年末年始休暇ということもあり、
将来的にも祝日にはならないのだと思われます。

3.春分の日、秋分の日が祝日の理由は?

春分の日、秋分の日は戦後になり祝日に定められましたが、
戦前は、皇霊祭という祭日でした。
これは、日本は戦前、民主主義でなく天皇を崇拝していたので、
天皇誕生日が祝日とされると同時に、歴代天皇についても
命日を祭日と考えたそうですが、歴代天皇は100人以上いるし無理なので
まとめて歴代天皇の御霊をお祀りするということで
春季皇霊祭、秋季皇霊祭を彼岸に行い、祭日としたのです。
(彼岸は、天皇家だけでなく、日本人は皆、先祖を大事にして墓参りする習慣のある日でした。)

戦後、民主主義に変わり、皇霊祭としての祭日はなくなりましたが、
名前が変わって春分の日、秋分の日となったそうです。

夏至や冬至が祝日にならなかったのは、戦前に皇室行事がこの時期になかったことも
理由の1つかもしれません。

冬至は一番日が短いのに、一番寒くないのはなぜ?

日の長さと気温は一致しなくて、だいたい1ヶ月遅れでやってくるのですね。
この現象は、1年間の現象だけでなく、1日という単位でも同じようになっています。

まずはこちらを考えてみましょう。

1日で一番暑い(気温が高くなる)のは午後2時頃です。
でも、太陽が一番高い時刻(真南の位置)は12時頃。
ちょっと遅れるのですね。1日で一番寒い(気温が低くなる)のは明け方です。
太陽が完全に隠れている真夜中よりも遅れているのです。

この理由は、空気は「暖まりにくく、冷えにくい」という性質があって、
空気が暖まる・冷えるまでの時間が少しかかるからです。

実は、空気というのは、太陽の熱を直接受けるのでなく、
まず太陽の熱が地面に伝わり蓄えられた後に、
地面の熱を受けて空気が暖まるから、遅れるのです。

さあ、次に本題の「1年間」について考えましょう。

日が一番長い夏至よりも、約1ヶ月遅れで気温が一番高くなる。
日が一番短い冬至よりも、約1ヶ月遅れで気温が一番低くなる。更に、
春分と秋分は、日の長さはほとんど同じなのに
秋分のほうが春分よりも気温が少し高い。

これらの現象も1日の現象と同じ仕組みなのです。
気温の差が生じるのは、気温が太陽高度の変化と約1ヶ月ずれるからなのです。

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夏至の6月が一番、太陽の熱量が多いのですが、
その熱はゆっくりと地面に伝わっていき、空気が最高に暖まるのが7月下旬から8月なのです。

特に、日本の場合は梅雨があって実質的には日照時間が短いのでなかなか気温が上がらず、
本格的に上がるのは梅雨明けになります。なので、8月上旬にずれ込むことになるのです。

逆に冬至の時期は、暖まっていた地面や空気が冷えるまで1ヶ月程度かかるので、
1月の気温が一番低くなります。

冬至の「至」は、どうして「分」にしなかったの?

「4つの季節なんだから、もみんな同じ漢字でいいじゃん?」
子供は単純だから、こんな発想をするようです。
春夏秋冬、それぞれ季節の真ん中のような意味もしますが、
この2つの漢字の意味することは全然違うのです。

春分、秋分の「分」は簡単だけど、
冬至、夏至の「至」は子供には難しい漢字ですよね。
まず、漢字の意味をちょっと考えてみましょう。

至・・・昼夜の長さの差が一番大きくなる日のこと。
分・・・昼夜の長さが等しくなる日のこと。

つまり、
夏で昼夜の長さの差が一番大きくなる日が「夏至」、
冬で昼夜の長さの差が一番大きくなる日が「冬至」、

春で昼夜の長さが等しくなる日が「春分」、
秋で昼夜の長さが等しくなる日が「秋分」、

となるのです。

2014年の日の出、日の入、昼間の長さをチェックしよう!
(日付)日の出→日の入(日の長さ)太陽高度の順に書きます。
春分(3月21日)5:44→17:53(12:09)54.5度
夏至(6月21日)4:25→19:00(14:35)77.8度
秋分(9月23日)5:29→17:37(12:08)54.4度
冬至(12月22日)6:47→16:32(9:45)30.9度
春分と秋分の日は昼と夜の長さが約12時間ずつなので同じ=「分」、
夏至と冬至は昼夜の長さが一番大きく広がるので「至」となるのです。

冬至と夏至、影の長さが違うんだよ!

日の長さが違うということに注目しがちで、あまり気にされないんじゃないかと思うのですが、
「日の長さが違う」
というのは、太陽の高さ(太陽高度)も冬至と夏至ではかなり異なります。

今年の冬至(2014年12月22日)では、高度は30.9度ですが、
夏至(2014年6月22日)は、高度77.8度もありました。

冬至や夏至の太陽高度と影の長さ

ということは、太陽が真上から注いでいるようなもので、
当然、影は短くなるんですね!
そして、冬至は高度が低いので、影が長くなる。

ちょっとしたことですけど、冬至の日にお子さんと一緒にお出かけしたら、
もし天気の良い日だったら、ものすごく、自分の影が長いことを確認できるでしょう。

こんな話をすると、冬至というのがより一層身近に感じられるでしょう。

まとめ

子供の「なぜ?」「何?」「どうして?」に付き合うお母さんは本当に大変ですよね。
でも、怯まずにお子さんと少しでも出来れば、満足してもらえると思います。
ぜひ、「またはじまったわ~!」「嫌だわ!」と思わずに、ちょっとの時間でいいので
お子さんと向き合って楽しんでくださいね。

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