ロタウイルスとノロウイルスの症状の違いは?看病時の対処方法は?

健康のはなし

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寒い季節になるとインフエンザも恐ろしいのですが、もう1つ、
下痢嘔吐を伴うロタウイルスやノロウイルスが流行しますよね。
今回は、ロタウイルスやノロウイルスの症状や違い、
そして、家庭で看病する際に知っておきたい対処方法として
水分補給や食べ物のおすすめなどについてお話します。

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ロタウイルスとノロウイルスの症状と違いは?

1.嘔吐下痢症(ウイルス性胃腸炎)

ロタウイルスやノロウイルスは、嘔吐や下痢を主症状とする
嘔吐下痢症(ウイルス性胃腸炎)の中の1つです。
その他、アデノウイルスやパレコウイルス、サポウイルス、
エンテロウイルスなどがあります。

症状としてはノロウイルスやロタウイルスが比較的強いといわれていますが、
下痢嘔吐を伴うので、どれも辛い症状であることは確実です。

【原因と経過】
いずれもウイルスによる経口感染が原因です。
感染者の唾液や便などの排泄物に触れた手などを経由してウイルスが口に入るケースや、
唾液や便が乾燥して塵になり空気中に漂っているのを吸うケース、
感染者が手をきちんと洗わずに調理した食べ物を食べたケースなどが考えられます。

症状が始まってから約1週間から2~3週間程度で便として排泄されるといわれています。

2.ロタウイルス

ロタウイルスは非常に感染力が強く、免疫のない子供は6ヶ月から5歳くらいまでに
大多数が一度は罹るといわれる病気です。
以前は1月頃に流行することが多く冬季下痢症とも呼ばれていますが、
最近の傾向では冬から春に流行するようになりました。
乳幼児の冬の急性下痢症の8割以上はロタウイルスといわれています。

【経過】
潜伏期間は1~3日で下痢等の症状が始まり、5~6日続くことがあります。

【症状】
・水のような多量で激しい下痢便
・便の色が白っぽくなる(便に色をつけるべき胆汁の分泌が
 ウイルスにより阻害されて茶色が付かなくなるため。)
・激しい嘔吐を伴うこともある
・あまり高熱は出ない(出ても37度の微熱で1日程度で下がることが多い)

便の特徴から、白色便性下痢ともいわれます。
また、嘔吐下痢症、小児仮性コレラ、白痢等と呼ばれることもあります。

3.ノロウイルス

ノロウイルスは、秋から冬にかけて発生する傾向があり、非常に感染力が強いのが特徴です。
そのため、学校や社会福祉施設等で集団感染することもあります。

ロタウイルスと同様に、感染した人の便や嘔吐物等から出る塵埃により経口感染しますが、
ノロウイルスの場合は、ウイルスを取り込んでしまった貝類を
生や十分に加熱しないで食べた場合も感染します。
また、貝類をきちんと加熱した場合でも、指やキッチンがウイルスで汚染されて感染する
というケースもあります。

【経過】
潜伏期間は1~2日で下痢等の症状が始まりますが、ロタウイルスに比べて症状は短く
2~3日程度です。

【症状】
・水のような多量で激しい下痢便
・激しい嘔吐を伴うこともある
・あまり熱は出ない

4.ロタウイルスとノロウイルスの違い

ロタウイルスの方がノロウイルスよりも症状が重く、期間も長くなります。
また、ロタウイルスは乳幼児が中心に罹るもので、
成長するにつれて免疫がつくので罹り難くなりますが、
ノロウイルスの感染力はかなり強く、子供から大人まで感染する危険性が高いです。

医師の診断はどのように行うの?

ノロウイルス、ロタウイルス、アデノウイルスについては、現在では
迅速検査キットがあるので便を検査すれば何のウイルスか診断が可能です。
ただ、保険適用は3歳未満と65歳以上のみとなっているため
3歳から64歳までは自己負担となってしまいます。

また、実際にどのウイルスか判明した場合でも、
嘔吐下痢症はどのウイルスでも薬がなく、
整腸剤で排便を促しウイルスの対外排出させる方法になるため
正確な診断をしない医師も少なくありません。

実際、我が子の場合は小学校入学までは毎年胃腸炎にかかり
嘔吐下痢で苦しみましたが、「胃腸炎」以外の診断名が
ついたことは一度もありません。
きっと、ロタ、ノロなどの診断をしたところで薬が変わる訳ではないので
必要ないという医師の見解だったのでしょうね。

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家庭で看病する際の対処方法や注意点

ウイルスが原因の感染性胃腸炎(嘔吐下痢症)の場合、
ウイルスを殺す薬がないため整腸剤によるウイルスの対外排出が基本で、
高熱の場合に解熱剤が出たり、嘔吐症状によっては
吐き気止めなどの症状を和らげる処置を行うこともあります。

ただ、嘔吐や下痢は体内の悪いウイルスを排出しようとする防衛反応であり、
無理に止めないほうが良いという考えの医師が多く、
解熱剤や吐き気止めを処方する医師はあまり多くないようです。

何度も嘔吐や下痢が続くと心配かもしれませんが、少しずつ治まってくるので
焦らずに様子を見守るようにしましょう。

飲食について

下痢や嘔吐により水分が不足してしまうので、十分な水分摂取が大切ですが、
嘔吐した場合は、しばらく安静にして何も口に入れずにおなかを休めます。

吐き気が治まったところで少しずつ水分を飲ませていきます。
一度にゴクンと飲むのでなく、スプーンなどで口に含むようにします。

食べ物は、水分がきちんと摂れて吐かないことを確認できてから
少しずつおかゆを食べるようにします。

水分補給のおすすめは?

塩分や糖分も補給する必要があるので、0S-1やアクアライトのような
経口補水液を利用しても良いです。
子供の場合は大人のイオン飲料は糖分が多すぎるため、薄めて飲ませましょう。

ただ、これらの飲料が苦手な子供もいますよね。(我が子は全て苦手で飲めません。)
そんな場合は、味噌汁の上澄みを飲ませるのもOKですが、
家にあるものでも簡単に作れるので、困った時には下の飲み物を作って飲ませて下さいね。

【家庭で作れる塩分糖分補給飲料】
湯冷まし 500ml
砂糖   20g(大さじ2強)
食塩   1.5g(小さじ1/4)

よくかき混ぜて溶かし、飲みやすい温度で少しずつ飲ませます。

食べ物のお勧めは?

下痢が続いている間は気をつけますが、軟便程度に落ち着いてきたら
あまり制限せずに、ちょっと体に優しいもの程度に考えれば大丈夫です。

最初は重湯、おかゆから始めますが、子供の場合味がないと嫌だと拒否するケースもあるでしょう。
そんなときには、ふりかけをかけたり、醤油や塩などの味を薄くつけて、おじや風にする
食べられるかもしれません。
また、子供は麺類が好きなので、うどんやそうめんを柔らかくして食べる方法もあります。

あと、りんごのすりおろしが好きな子供も多いので、色々試してくださいね。

避けたほうが良いものは?

・柑橘類
・牛乳やミルクなど乳製品
・脂っぽいもの(焼き物や炒め物だと脂っぽいので、煮物や蒸し物にしましょう。)
・発酵しやすいもの(砂糖を多く含む食品、さつまいもなど)

風呂やおむつ替え時の注意

風呂は熱がなく、水分摂取が十分であれば入っても大丈夫です。
入れない場合でも、下痢をするとお尻が赤くかぶれて痒くなったり痛くなることがあるので
おしりは清潔にしましょう。

おむつをしている乳幼児が下痢の場合は、使い捨てのおしり拭きを使うのは避けましょう。
使い捨てのおしり拭きでも耐えられないほど肌が弱くなっているので、
おむつ替えの際にお湯で毎回きれいに洗ってあげるか、
ボロ布をお湯で濡らして拭いてあげるようにします。

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まとめ

ロタウイルスやノロウイルスはウイルスが違うものの
症状としては非常に似ていますし、対処も同じです。
もし家族が罹ってしまったら、症状を見守ることしかできず辛いでしょうけど、
ウイルスが対外排出されれば必ず治る病気なので、
落ち着いて水分補給や衛生面に気をつけて看病しましょう。

■ロタウイルスの嘔吐物処理についてはこちらの記事をご覧ください。
ロタウイルスの嘔吐物処理と洗濯方法★消毒の次亜塩素酸は作れる?

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