熱中症対策飲み物スポーツドリンクと経口補水液違いは?良い飲み方は?

健康のはなし

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熱中症対策の飲み物は市販品が色々ありますが、夫や子供が体を動かす仕事や運動部で汗を沢山かく場合だと何を飲ませるべきか悩んでしまいますよね。

スポーツドリンクと経口補水液は似ているけど違いがありますし、スポーツドリンクの中でもポカリスエット、ダカラ、とれた!など商品によって成分は違いますし、市販品を飲む場合は注意しなければならないこともあります。
今回は、これらの違いや体に良い飲み方についてお話しします。

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熱中症対策の飲み物はどれがいいの?

熱中症対策として注目されている飲み物に、経口補水液やイオン飲料(スポーツドリンク)がありますよね。
「水やお茶よりも体に吸収されやすいのでおすすめ」と云われていますが、実は使い方を間違えると体に害があるのです。

というのも、経口補水液は熱中症や下痢や嘔吐などで脱水症状になったときに水分補給する目的の飲み物なのです。
ですので、水分さえ摂れないような状態で医者に行くと確かに勧められますが、症状が改善したら普通の飲食が可能になるため必要なくなるのです。

医者に「おすすめですよ」と言われると素人である私達はつい、普遍的に「おすすめ飲料」と錯覚してしまうのですが、医者が言うのは「熱中症、脱水症状で酷い場合の水分補給としてのお勧め」であり、元気になった段階でも与えることを勧めているのではないのです。

経口補水液やスポーツドリンクは味があって飲みやすいため子供が欲しがるかもしれませんが、水の代わりではないので元気になっても沢山飲ませ続けるとペットボトル症候群となり、生活習慣病の原因になりかねません。

【経口補水液を飲み続けるとどうなる?】

・電解質が多いため喉の渇きが納まらずに飲み続けることになる
・糖分が多いので肥満の原因になる
・PH3.6~4.6程度なので歯のエナメル質が融けて虫歯になりやすい

という弊害があります。

じゃあ、いったい何を飲めばいいの?と分からなくなってしまいますよね。
ですので、今回、子供のかかりつけ医に聞いてみたところ、次の内容を言われました。

(1)熱中症、脱水症状の場合

経口補水液、イオン飲料が適している(症状が良くなったら止める)

(2)普段の水分補給

喉が渇く時・入浴前後・汗をかく時・食事中等様々あるけど、水やお茶でOK!

※ただし、寝る前には歯を磨きましょう。
下痢や嘔吐等で元気がなう歯磨きが出来ない場合でイオン飲料などを飲ませた場合は、指にガーゼを巻いて歯をきれいに拭きましょう。特に上の前歯をしっかり拭いて虫歯を予防しましょう。

とはいえ、あれだけ市販品で出回っているスポーツドリンクや経口補水液の存在は気になりますよね。
ですので、次に2つの違いや、各種商品の成分などを比較してみました。

スポーツドリンクと経口補水液の違いは?

スポーツドリンク(イオン飲料、機能性飲料)

代表的なものがポカリスエットアクエリアスです。
汗をかくと、水分だけでなくナトリウムやカリウムなどの電解質(イオン)が失われるのですが、スポーツドリンクは、これを含む飲み物のことです。
浸透圧が低いため、体への吸収が早いのが特長です。
市販品では様々な商品がありますが、含まれる成分や、飲みやすくするための糖分の種類、量は様々です。

ダカラ(dakara)とれた!は一種のスポーツ飲料で、カルシウム、マグネシウム、カリウム等の不足しがちな栄養素を補う飲料です。
ポカリスエットやアクエリアスのようなスポーツ飲料と違うのは、様々な野菜や果物のエキスを使い、「体に優しい」「さわやかな口当たり」という点や、激しいスポーツだけでなくカロリーを抑えて日常の水分補給にも合うようにというコンセプトであることです。

ダカラは、それに加えてカリウムを配合して過剰な塩分排出を促すなど、デトックス効果も打ち出しています。
とれた!は2015年6月に発売された商品で、原材料の産地を明記して、飲む人が安心できるようにしています。

経口補水液

代表的なものに0S-1(オーエスワン)があります。
経口補水液は食塩とブドウ糖を混ぜて水に溶かした飲み物で、下痢嘔吐発熱等の脱水症状や熱中症の治療として点滴の代わりに使われます。
味はスポーツドリンクよりも甘さが薄く、塩が濃い感じになります。
水分を体に吸収しやすくするため、体液に近い浸透圧になっています。

人が脱水症状に陥った場合、大腸で水分吸収ができずにイオンも流出してしまうのですが、ナトリウムイオンとブドウ糖を含む経口補水液を飲むことで小腸での吸収が可能になり、同時に水も吸収されることが分かったため、糖と食塩を同時に与える経口補水液が普及したのです。

スポーツドリンクと経口補水液の違い

スポーツドリンクは様々ありますが、経口補水液との明らかな違いとして、ナトリウムの量があります。
脱水症状の時は、特に下痢嘔吐ではナトリウムがかなり失われてしまうため、OS-1のような経口補水液で補うのが確実なのです。
下の成分表を見ると、OS-1のナトリウム量が断トツなことが分かりますよね。

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熱中症とそうでない時の飲み物はわかりましたが、飲み方はとても重要です。
次に飲み方を詳しくご説明します。

熱中症対策の水やスポーツドリンクの飲み方は?

1.熱中症や脱水症状の場合の飲み方

経口補水液は塩分と糖分が多いため、普段の水分補給目的でゴクゴク飲んではいけませんが、熱中症や脱水症状の場合に医者から勧められる飲料です。

日本救急医学会「熱中症診察ガイドライン2015」によると、

【脱水症状で飲む経口補水液の目安】

学童~成人(高齢者含む)・・・500~1000ml/日
幼児          ・・・300~600mL/日
乳児          ・・・体重1kg当たり30~50ml/日

となっています。

熱中症や脱水症状の時に飲ませますが、慌てずゆっくり行うのがコツです。
嘔吐があるときは、一口5mlずつ5分ごと、吐く場合は少し間をおいて20~30分してから5ml、という感じで少しずつ根気強く行い、コップ1杯を30分程度で飲むのが目安とされています。

【脱水症状の確認方法】

脱水症状になっているか確認する方法は爪で確認する方法があります。

親指の爪を白くなるまで押して離したときに、爪がピンク色に戻るまでの時間が
1.5秒以下の場合・・・軽度
1.5~3秒の場合・・・中度
3秒以上の場合・・・重度

となります。

2.普段の飲み方

普段の熱中症対策では、無理にイオン飲料(スポーツドリンク)を飲む必要はありません。

まして、経口補水液は熱中症等以外では不要です。
もし飲んで甘すぎると感じたり、塩辛く感じる場合は脱水症状ではないため、それだけの濃度を体が欲していないのです。

ですので、スポーツドリンクを2倍程度に薄めて飲むか、水や麦茶にしましょう。
麦茶にはミネラルが含まれているし、体の熱を冷ます効果があるといわれており、熱中症対策にはおすすめです。
ナトリウムは含まれていませんが、塩を入れなくても大丈夫です。

もし激しい運動や労働の場合で体が塩分を欲するのであれば、お弁当に梅干1個入れるなどの方法でも問題ありません。
また、味噌汁や梅昆布茶などもミネラルや塩分が豊富なので熱中症予防の飲み物に適しています。

熱中症に水やお茶がどうしていけないのか?

熱中症対策には水やお茶ではいけない理由を考えると、水分の摂り方が分かってきます。

人間の血液は0.9%のナトリウムを含んでいるのですが、水だけを一度に大量に飲むと、電解質バランスを崩して体調不良に陥るのです。
具体的には、血液のナトリウム濃度が下がってしまい、それ以上濃度を下げないようにと水を飲む気持ちを失わせると同時に余分な水分を尿として排泄させてしまいます。
そうなると、汗をかく前の体液まで戻ることができず、体温が上昇して熱中症の原因になってしまうのです(自発的脱水)。

ただ、一度に大量に飲むことでバランスが崩れるだけの問題であり、少しずつ飲めば問題ないのです。
1時間にコップ1杯程度を目安に少しずつ、口に含ませるように飲みましょう。

ただ1つだけ忘れてはいけないことは、「喉が渇いたな」と感じる場合は脱水症状が始まっているため、「喉が渇く前に水分補給する」ということが大切です。

また、お茶については利用作用があるのは緑茶やウーロン茶などのカフェインがあるものですので、麦茶は問題ありません。

さいごに

熱中症対策として様々な商品がありますが、糖分が多いものが殆どなので、無理に飲まなきゃいけない、と考える必要はありません。
よほど激しい運動をするか重労働をするのでなければ、普段の生活で味噌汁を飲んだりしていれば、それ以外の飲み物は水や麦茶で大丈夫です。
もしスポーツドリンクを飲みたい場合は、2倍程度に薄めて飲むようにしましょう。

■熱中症対策の飲み物を手作りする場合はこちらにレシピがあります。
熱中症対策の飲み物 美味しい作り方 砂糖と塩の割合は?はちみつは?

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