健康診断で便検査がある場合、何日前から取っていいのでしょうか。
一番良いのは当日の朝と前日という2回ですよね。
でも、便秘気味の人にとっては、そんな短い期間じゃ無理だ、と悩むものです。
なので、なるべく余裕を持って2回取りたい。
とはいえ、早く取ってしまうと便の状態が悪くなって検査できなくなるのでは、という心配も出てくるものです。
そこで今回は、
・便検査が何日前から取っていいのか
・適切な便の保管方法
・「冷蔵庫保存してください」と便検査キットに書かれていた場合の対処方法
以上について調べてまとめました。
便検査は何日前から取っていいの?
便検査は大抵2回取ることになっているのですが、当然、検査日に近い当日と前日のものが最適です。ですが、難しい場合は数日前に取っておき、直射日光を避けて涼しい場所に保存しておけば大丈夫です。
この「数日前」について具体的に言うと、「最長5日前まで」という医療機関が多いです。ただ、医療機関によって見解も異なるので、便秘気味でいつ出るのか心配な人の場合は、事前に提出先の医療機関に確認しておく方が良いですね。(一定の期間を超えてしまった場合は検査ができない、と言っている医療機関もあるので。)
ちなみに、2回出すのが大変だからといって、同じ便から2回取って2回分とするのはいけません。また、同じ日に2回出た場合にそれを使うか、というと、同一日の便は駄目だとする医療機関が殆どですのでご注意ください。
便検査で一回しか採取できなかった場合は?
1回しか採取できない場合でも、何も出さないのではなく取った1回分(1本だけ)提出することになります。(その場合、使ってない容器は提出せずに不燃物ごみとして捨てることになります。)
便が硬い場合は?
スティック形式のきっとだと、便秘気味の人だとコロコロして硬くて取り難いというケースがあるのですが、その場合には便の表面に少し水をつけて軟らかい状態にしてから採取します。
便検査の保管方法おすすめは?
採取済の便検査のキットは、提出するまで必ず冷暗所に保管しておく必要があります。これは何故かというと、高温だと早く劣化して検査できなくなるからです。
「劣化」について、もう少し詳しくお話ししましょう。
便潜血検査では、便に含まれる血液のヘモグロビンを調べるのですが、ヘモグロビンは時間の経過とともに分解されて劣化して検出されなくなっていきます。なので、便の中に本当なら血液が含まれていて何らかの病気の可能性があったとしても、時間が経ってしまって陰性となり、病気を見逃してしまう可能性がある、ということになります。(特に、ヘモグロビンは30度以上だと劣化が早くなってしまいます。)
便潜血検査キットには様々なタイプの容器があるのですが、容器の中に液体がある場合、その液体にはヘモグロビンが安定する作用のあるタンパク質等が含まれており、常温で2週間放置してもさほど精度が落ちないという製品もあるそうです。ですが、これはメーカーによって異なるので、全ての製品が大丈夫ということではありません。
一般社団法人広島市医師会臨床検査センターのサイトによると、以下のデータが出ているそうです。
・4度で保存(冷蔵庫)→約2週間安定している
・20~25度(室温)→約10日で90%のヘモグロビン残存率がある
・30度超→2日目以降ヘモグロビンが急激に不安定になる
参照元:一般社団法人広島市医師会臨床検査センター:ヒトヘモグロビン専用容器に採便した後の保存方法や検査可能期間について
このことを念頭に入れて、自宅での保管場所を考えていきましょう。
便検査で冷蔵庫保存と書いてあったらどうする?
採取済みの便検査キットを「冷蔵保存してください」と書かれているキットも時々あります。
今回我が家で使った便検査キットにも書かれていて焦ったものです。
だって、
「口に入れる食べ物が入っている隣に便検査キットを入れるなんて気分が悪い!」
と思いますよね?←少なくとも私は嫌だっ(;´Д`)
でも、実際に冷蔵庫で保管する人もいるようです・・・Σ(; ・`д・´lll)
ただ、ビニールやジップロック等に二重三重にしてから冷蔵庫に入れるという手段をするようですし、使用後はアルコールスプレーで消毒する等の処置をしているそうですが。
でもね。ここでちょっと考えてみましょうよ!
「冷蔵保存」の実際の温度を考えてみれば、「冷蔵保存」と言われたから冷蔵庫に入れなきゃいけない、と単純に考えなくても良いのですよね。
だって、冷蔵庫の温度は5度前後なのですよね。
(正確に言うとメーカーによって1~2度の差がありますが、例えば日立の冷蔵庫については、冷蔵室で2度から6度程度となっています。参考までに言うと、野菜室は3~7度、チルドルームは-1~1度、冷凍室と製氷室は-20~-18度程度です。)
そうなると、気温の低い冬(室温6度程度)だったら、暖房のない部屋の日陰、冷暗所に置いておけば冷蔵庫内とさほど変わりないので問題ないはずです。
なので、我が家の場合は、トイレの棚に置いておくことが多いです。
ただし、夏の場合は30度超の日も多いので、工夫する必要があるでしょう。その場合、小さい発泡スチロールの容器を購入して、保冷剤を入れて保管する、という人が多いようです。発泡スチロールの容器や保冷剤は100円ショップでも購入できますし、ケーキ屋さんやスーパー等で保冷剤をもらう機会があれば、それを捨てずに取っておくと、使い捨てにするにしても長時間の保存で数個使っても惜しくないと思いますよ。
(便検査が大変なので、健康診断を受ける時期を自分で決められる場合は、夏の暑い時期を避けて冬に受診する人もいるようです。)
さいごに
便検査キットに「冷蔵保存」と書かれていた場合にそれを鵜呑みにして冷蔵庫に入れてしまうと、家族全員で使う食品を入れておく冷蔵庫の衛生問題に関わるし、家族に文句を言われる可能性もあるので、安易に冷蔵庫に入れることはしない方が良いです。
冬の寒い時期なら室温も低いので、トイレの隅など冷暗所に置いておけば大丈夫です。夏の暑い時期の場合は、発泡スチロール容器や保冷剤を使う等の工夫をした方が良いでしょう。
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